新釈 グリム童話 ―めでたし、めでたし?― (集英社オレンジ文庫)

  • 集英社
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本棚登録 : 216
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086800723

作品紹介・あらすじ

グリム童話をベースに、舞台を現代におきかえ、ストーリーを大胆にアレンジ! ヒロインがふたりの白雪姫、老舗ホテルの一人娘として生まれた眠り姫、廃屋から届く依頼に悩むヘンゼルとグレーテル…など全6編。

感想・レビュー・書評

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  • 人間の本質はいつも同じ?

    グリム童話を題材にした短編集。初めて読んだ作家さんもいたが,これがその人のスタイルなのか,グリム童話が元だからこうなったのか,考えるところはありつつ。

    谷瑞恵「ルンペルシュティルツヒェン なくしものの名前」就活が上手くいかない亜美に,不思議なメールが届く。それは小学生のときに出会ったカメに関するものかもしれない。亜美は少しずつ当時のことを思い出していくが。金の布を紡ぐ,名前を思い出す,童話のキーワードを元にささやかな恋愛モノになっている。ルンペルシュティルツヒェンは少しマイナーで,モチーフとしては弱かったかも。

    白川紺子「白雪姫 白雪姫戦争」一番好きな話かも。文化祭で“白雪姫”に選ばれるのを目指す小雪。その本性はナルシスト,でも読み進めていくうちに可愛げが感じられる。ライバルの夕妃。こちらもなかなか強烈なキャラクターだが,にくめない。

    響野夏菜「かえるの王様 二十年」ある意味,ホラー。オチが怖い。いや,女も男も怖い。かえるの王様にある,ちょっとグロテスクな,ちょっと怖い部分がよく出ている。奈々央はとあることから生理的に気に入らない根木と行動を共にすることになる。苛立つ奈々央に対して根木が言ったことは……。

    松田志乃ぶ「眠り姫 のばらノスタルジア」古くからの西洋ホテルの娘・寧々は,ホテルの再建のため,有力なリゾート会社の御曹司・直人と婚約することになる。年も離れた直人だったが,寧々には簡単に突き放せない人で……。茨に囲まれ眠っていたのは誰だったのか。鮮やかなどんでん返しだった。

    希多美咲「ヘンゼルとグレーテル お菓子の家と廃屋の魔女」霊力を持った白石月也と,探偵の桜鳥岳がこの作家のレギュラーキャラクターなのか。ケーキ屋を営む奥川愛美が持ち込んだ依頼は,廃屋にお菓子の家を注文する人を探してほしいというもの。そこには兄と妹の秘密があって……。二組の兄妹の関わり合いが,そうか,ヘンゼルとグレーテルだなぁと。

    一原みう「シンデレラ A Cinderella Story」女優の娘・クレアは,母亡き後,映画監督の父の後妻に入った女優で芸能オフィス社長のイザベラが気に食わない。彼女は私を不当に扱っている。ある日,クレアはオーディションを受けるチャンスを与えられるが……。面白かったけど,この短編集で言うと,白雪姫での継母との関係が,眠り姫とはオチが,重なっていて残念。継母って物語の鍵になるので,特に童話では悪役でよく出てくるからかもしれないが,後ろになったこの話はちょっと損だったかもしれない。

  • 6人の作家さんによる、グリム童話現代バージョン。各々の個性できゅんとなったりくすりとしたり、切なくなったり。どれもラストは清々しい風を感じる短編でした。シンデレラの継母がまさか?のシチュエーションとか好き♪もっと色々読んでみたいなぁ♥

  • グリム童話を人気作家6人が大胆にアレンジした6編。
    学園物、ミステリー、ホラー等々いろいろな形で楽しませてくれるアンソロジー。
    松田志乃ぶさんの、「のばらノスタルジア」がキュンとしてよかった。

  • 六編のグリム童話を下敷きにした物語。
    トップバッターは、谷瑞恵の『ルンペルシュティルツヒェン』。
    海外ドラマ、「Once Upon a Time」で知った、ルンペルシュティルツキン。
    シーズンを重ねて、私はだいぶ馴染みになったが、日本ではそこまでメジャーな主人公ではないかも。
    しかしあえて彼を選ぶことで、新鮮さがあってよかった。
    彼が紡ぐと言う、金の糸の先に美しい未来が見え、読後がよかった。

    『二十年』は『カエルの王様』がモチーフ。
    これは、ホラーだ......。
    特に、容姿に自信のある女性にとっては。
    いや、一人で生きていくと言う覚悟があれば、あるいは、それを楽しめれば、美の呪いなど恐るるに足らず。
    しかし、現実を見ようとせず、過去にとらわれ、王子様を待ち続けるだけの女性なら、それは......。

    『A Cinderella Story』はそのまま、シンデレラの物語。
    優しい人が必ずしも良い人ではない。
    現代のシンデレラは世間知らずのお嬢様。
    さて、ガラスの靴を拾ってくれるのは一体誰?
    古いお姫様像に縛られていたのは誰?
    それを手助けして、自らの足で歩けられるようにしてくれるのは、誰?
    さながら最近のディズニー映画のよう!

  • 白雪姫と眠り姫が面白かった。かえるの王様は元々不愉快な話だけど、より気持ち悪くなっていた。

  • 糸紡ぎ、白雪姫、毬の蛙、眠り姫
    ヘンゼルとグレーテル、シンデレラ。

    物語を題材にしているだけ、なのもありましたし
    ほぼそれをなぞっていっているものも。
    一番の驚きは、響野さんの話。
    そもそも原作のお姫様もどうかと思いますけれど
    この話の主人公はさらにすごい。
    題名を見て気が付けばよかったのですが
    最後に行きつくまで、まったく気が付かず。

    シンデレラ、は現実を見るか否か、という教訓に。
    そこだけにこだわってはいけない、のだと痛感できます。

  • 2017.4.12

  • ・谷瑞恵「なくしたものの名前」
    ・白川紺子「白雪姫戦争」
    ・響野夏菜「二十年」
    ・松田志乃ぶ「のばらノスタルジア」
    ・希多美咲「お菓子の家と廃屋の魔女」
    ・一原みう「A Cinderella Story」
    6話収録。

  • 【収録作品】「なくしものの名前-ルンペルシュティルツヒェン-」 谷 瑞恵/「白雪姫戦争-白雪姫-」 白川 紺子/「二十年-かえるの王様-」 響野 夏菜/「のばらノスタルジア-眠り姫-」 松田 志乃ぶ/「お菓子の家と廃屋の魔女-ヘンゼルとグレーテル-」 希多 美咲/「A Cinderella Story -シンデレラ-」 一原 みう

  • 売れっ子コバルト作家による珠玉の短編集。
    もとの物語のあらすじを一ページにまとめて紹介してから、現代風にオマージュした作品が始まります。元の作品のどの辺りの要素に作者がひねりを加えたのか理解しやすく、読みごたえのあるアンソロジーです。
    「めでたし、めでたし?」という副題のとおり、能天気なハッピーエンドの恋物語ばかりを集めているわけではなく、恋に友情に、中にはゾッとするものもあったり…(響野さんの!)、大人乙女が楽しめる構成となっております。
    http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-5150.html

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著者プロフィール

谷瑞恵(たに みずえ)
1967年、三重県出身の作家。三重大学卒業。1997年に『パラダイス・ルネッサンス―楽園再生―』で第6回集英社ロマン大賞佳作入選。ライトノベルで「魔女の結婚」「伯爵と妖精」などのシリーズを刊行。『思い出のとき修理します』が書店での仕掛け販売もあって、50万部を超えるベストセラーとなり、コミカライズされている。2019年5月17日、新刊『めぐり逢いサンドイッチ』を刊行。

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