下鴨アンティーク 雪花の約束 (集英社オレンジ文庫)

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  • 集英社
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レビュー : 47
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086801102

作品紹介・あらすじ

知人の女性を捜して、男性が野々宮家を訪ねてきた。彼女の祖母が、鹿乃の祖母に着物を預けていたらしい。蔵からその着物を取り出すと、鮮やかな赤い糸が描かれていたが、一瞬でその糸は切れてしまい……?

感想・レビュー・書評

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  • 読者も(恐らく)周りの登場人物も全て、鹿乃と慧が両想いであることに気が付いているのに、気が付かないのは当人だけというじれったさw
    考えてみれば十にも満たない頃から知っている少女に惹かれるのって、話中で良く取り上げられている源氏物語のようです。
    前の巻は鹿乃の両親や祖父母のことが多く描かれていましたが、第五巻は現代の話が多かったです。
    最後の一話だけが若干戻る(良鷹が高校生時代)感じで。
    今回の謎解きは、星座や神話、お能『紅葉狩』、雪国に伝わるお祝い事、古い書道の道具。
    ほぼ鹿乃が一人で解き明かす感じです。

    最後の一話は過去の話でしたが、話としては鹿乃が慧に告白したところで終了。次回で終わり…のような感じなのかな。
    春野くんが置き去りだし(笑)、良鷹と真穂ちゃんも気になります! あ、リコちゃんにも菅谷くんが現れましたね。
    次回も楽しみです。

  • おおお!
    なんという所で終わるのか!鬼切り!

    オレンジさんだから、結末はなんとなくわかるけど、しかし、悶々と悩んでる慧くんが、どうやって覚悟を決めるのかはすごく気になる。


    自覚なく虜にしている鹿乃ちゃんは慧に対して一途だけど、幼い頃からずっと一緒の慧に対して、どう距離を縮めたらいいかわからず、そこに春野君に免疫ないのに真っ直ぐなアプローチを受けてドギマギ。
    →お茶会にお菓子を焼いちゃったり、帰ったら悪いかなとか考えて戸惑う鹿乃にキュン。

    鹿乃ちゃんを女性として見ることに罪悪感を持っちゃう慧の気持ちもちょっとわかる。。
    慧は育ちもあって理性とか常識観念が強そうだもの。
    でも父性だけで春野の家にまでは普通行けないぞ!

    良鷹視点も好き。態度とは裏腹に妹がかわいくてしょうがないのが、めっちゃ伝わる。シスコーン。

    星の糸…アリアドネ、ギリシャ神話
    赤ずきんを探して…能、鬼女、紅葉狩り

  • 読後最初の感想は一言。「何この鬼切り!」
    今回は三枚の着物の謎解き。どれも鹿乃ちゃんがあぶなげなく解いていくようになって頼もしい限り、ながら、今回の着物は三枚とも、心の中に残るしこりを思わせるものばかりだったような。
    鹿乃を思う気持ちを自覚した慧は、鹿乃が大切すぎて壊せない、のに、鹿乃からの告白を受けて凍り付く、ところで終わってるのは何故ですか白川先生!
    絶対に傷つけたくない、本当には女性としても想っているけど大事な大事な鹿乃ちゃんに想いを向けられたら慧は受け止めることができるのか、それとも荷物まとめて逃げるのか。まあ、鹿乃を泣かせて逃げるのを許す良鷹じゃないとは思う、けども。

  • シリーズ第5弾。
    鹿乃のひとりだちが意識されている上に、慧が距離感をつかみかねているので、慧たちのかかわりが減って、少々さみしい。
    祖父と祖母と、高校生の良鷹と、幼稚園児の鹿乃。昔の野々村家を描いた「子犬と魔女のワルツ」は、ほほえましく、あたたかかった。
    転換期を迎えそうな終わり方だけれど、一筋縄ではいかなさそう。

  • シリーズ第5弾。
    不思議なことが起こる着物ばかりを預かっている蔵を管理する女子高生・鹿乃が、その不思議を解決し、持ち主に着物を返す話。
    短編連作。
    子供を置いて出て行ってしまった母親の想いの詰まった着物や、婚約破棄された祖母と孫、気付けなかった母の想いなど、家族に関する話が多い。
    それによって彗の心に閉じ込めた父親への憎しみが動き出して行く。
    着物が起こす不思議な現象が、少しずつ2人の関係や、彗と父親の関係を進めて行くのが面白い。

  • 鹿乃と慧の距離が次巻でどう変わるかな。

    読んでると着物が着たくなるなぁ。

  • シリーズ5作目。好きな男と縁のなかった女性、子を捨てて恋人の元に去った女性、雪の研究者だった夫を雪の事故で亡くした女性、そしてカサブランカが好きだった老女との思い出。それぞれが少し悲しく、人物の感情描写が胸を打つお話しでした。今回は鹿乃と慧の恋心の戸惑いと進展の巻。歳の離れた妹か娘のように成長を見守っていた少女が美しい女性に変化してく。よくある話なのに、慧の繊細で真面目な心情がやるせなく切ないです。ジリジリします。そして幼い頃の鹿乃の可愛さときたら!こんな年の離れた妹がいたら堪らんなぁ。

  • 【下鴨アンティーク5作目】久々に読んだのでどこまで進んでたっけと考えてしまったけど…今回もとても楽しく読めた。それにしても良鷹は一体いつ働いてるんだろう。鹿乃との距離を測りかねている慧がなんとも不器用だけど、鹿乃を守るためなんだなと。そんな慧にとうとう好きだと言った鹿乃。春野の存在も気になりつつ次作を楽しみにしてます。そして着物の話も毎回素敵。

  • 私には このシリーズに
    特別な思い入れがあるのかもしれない。

    この小説の素材は
    言ってしまえばオカルト。怪奇譚だ。

    陰陽道にゆかりのある旧華族。
    その子孫が次々に出会う
    着物にまつわる怪異は
    しかし少しも恐ろしくない。

    むしろ切なくもの悲しい。

    この世に残る 強い想いが形となり
    現象となって 眼に映るのだとすれば
    この物語には 美しい着物とともに
    消え残り 誰かに知ってもらいたいと
    彷徨う たくさんの想いが詰まっている。

    それはこの世を去った人たちだけの
    ものではない。

    鹿乃や慧 良鷹の中の想いもまた
    知るべき人に知ってもらいたいはず。

    しかしそんな想いたちは
    この優しい人たちの逡巡と葛藤の中
    胸の奥深くに閉じ込められてしまっている。

    想いを解き放つ…そのことに畏れを抱く
    善き人たちの戸惑いが このシリーズから
    匂い立つ。

    ここに来て動き始めた慧の想い。
    それをしまいこもうとする慧。

    無邪気なままに 想いを言の葉に載せた鹿乃。

    美しい神話や古伝承と
    あざやかな色彩と図柄の着物たち。
    そうして大和言葉の織りなす綾に彩られ。

    遠野物語を 現代に再び
    書き起こしたかのような
    妖しさと懐かしみを湛える静謐の世界で
    主人公たちの想いもまた
    形を帯びてゆくようだ。

    ほんの手の届く未来に 悲しみが待っている。
    それを予感せずにはいられなかった今作。

    その悲しみの涯に何が待つのかは
    まだ 私には見えない。

    でも 見届けたいと思っている。
    糺ノ森近くに住まう主人公たちの
    心が救われるその日を。

  • 曰く付きの着物の謎解き第5弾。
    全て面白かった。幼馴染、母娘、夫婦。どれも凄く綺麗なお話で心が温かくなった。大切な相手ほど傷つけたくないと言う思いから踏み込めない。それが故に生じる誤解。そんな哀しい誤解はいやね。ちゃんと向き合う事がいかに大事な事か。
    今回ぐんっと鹿乃が頼もしくなった。慧との関係も少し進展あり。でも、なんかね。ゆっくり大事に進んでほしいな。

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著者プロフィール

三重県出身。同志社大学文学部卒。雑誌Cobalt短編小説新人賞に入選の後、2012年度ロマン大賞受賞。主な著書に『三日月邸花図鑑 花の城のアリス』(講談社タイガ)、『下鴨アンティーク』『契約結婚はじめました。』『後宮の烏』シリーズ(集英社オレンジ文庫)、『ブライディ家の押しかけ花婿』『夜葬師と霧の侯爵』(コバルト文庫)などの著書がある。


「2020年 『九重家献立暦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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