- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086801102
作品紹介・あらすじ
知人の女性を捜して、男性が野々宮家を訪ねてきた。彼女の祖母が、鹿乃の祖母に着物を預けていたらしい。蔵からその着物を取り出すと、鮮やかな赤い糸が描かれていたが、一瞬でその糸は切れてしまい……?
感想・レビュー・書評
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アンティーク着物を通して、家族の形や人の想いを紐解いていくのは京都の街並みと相待って雰囲気ある。
まっすぐな鹿野の気持ちや、戸惑う春野や慧の気持ちが入り乱れて進展していく恋模様も面白い。
結局はすべて人の気持ちが、人に影響していくんだとよくわかる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
――そして次巻へ続く、っておいおい(汗)。慧が自分で自分をがんじがらめにしてしまうのは、生育歴のせいなのだろうが、おそらく30前後(?)のいい年した男が何をやっているのか。いや、気持ちはわかるけど。そして良鷹の関わるものって何だかいつも真相が物騒な気がする。鹿乃が表なら良鷹は裏だからか。しかし自分になつく年の離れた妹って、本当にかわいいんだろうなあ。あれ、良鷹の机の引き出しに入ってないのかな……。
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シリーズ第五弾。
前巻同様、「ここで切るか・・。」という絶妙な盛り上がりどころで次巻へ続く本編。
何だか、春野君が徐々にサイコな人になってきている気がします。悪い人ではないのでしょうが、鹿乃をお茶会に誘う為の嘘とか、“怖っ”という感じです。さすがに慧に叱られて謝っていましたけど。
で、今後の展開は慧の覚悟にかかっているのですが、自己否定感が強い上に、社会人男性が女子高生と云々とか、世間からどう思われるのかも含めて色々と逡巡してしまう気持ちも解ります。
鹿乃の真っ直ぐな想いは受け入れてもらえるのでしょうか。次巻に期待です。
そして、“サイドストーリー枠”の第四話「子犬と魔女のワルツ」は鹿乃が幼稚園児で、良鷹が高校生の頃の話。
悲しい真相だったとはいえ、天使のような鹿乃と良鷹お兄ちゃんの兄妹愛が微笑ましく、ほっこりしました。 -
シリーズ第5弾。
鹿乃のひとりだちが意識されている上に、慧が距離感をつかみかねているので、慧たちのかかわりが減って、少々さみしい。
祖父と祖母と、高校生の良鷹と、幼稚園児の鹿乃。昔の野々村家を描いた「子犬と魔女のワルツ」は、ほほえましく、あたたかかった。
転換期を迎えそうな終わり方だけれど、一筋縄ではいかなさそう。 -
シリーズ第5弾。
不思議なことが起こる着物ばかりを預かっている蔵を管理する女子高生・鹿乃が、その不思議を解決し、持ち主に着物を返す話。
短編連作。
子供を置いて出て行ってしまった母親の想いの詰まった着物や、婚約破棄された祖母と孫、気付けなかった母の想いなど、家族に関する話が多い。
それによって彗の心に閉じ込めた父親への憎しみが動き出して行く。
着物が起こす不思議な現象が、少しずつ2人の関係や、彗と父親の関係を進めて行くのが面白い。 -
【下鴨アンティーク5作目】久々に読んだのでどこまで進んでたっけと考えてしまったけど…今回もとても楽しく読めた。それにしても良鷹は一体いつ働いてるんだろう。鹿乃との距離を測りかねている慧がなんとも不器用だけど、鹿乃を守るためなんだなと。そんな慧にとうとう好きだと言った鹿乃。春野の存在も気になりつつ次作を楽しみにしてます。そして着物の話も毎回素敵。