これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 2 (集英社オレンジ文庫)
- 集英社 (2017年4月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086801287
作品紹介・あらすじ
経理部所属の森若沙名子、27歳。たくさんの領収書を処理する沙名子には、社内の様々な人間模様が見えてくる。時には巻き込まれることも。ブランド服、長期出張…それは本当に必要なものですか?
感想・レビュー・書評
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シリーズ二作目。
ドラマとは違い、相変わらず森若には可愛げがない。
太陽も今のところ軽薄な印象が強い。
このままドラマにしたら受けなかっただろう。
前作でも思ったが、この〈天天コーポレーション〉は経費の予算は決められていないのだろうか。
営業部門が多額の売上を計上しているのだから、広報部が商品の売上に貢献しているのだから、各部門の長が了承しているのだからと言って、湯水のように経費を使って良いとは思えないのだが。
また仮払金は必ず精算しなければ、新たな仮払は出来ないルールだと習ったが、〈天天コーポレーション〉は違うのだろうか。
また一介の経理部社員が、経理上の不正を調べるためとは言え、いきなり県外出張など出来るのだろうか。
もっと言えば、表紙絵のようなミニスカートの制服を着せるなんて、セクハラ案件にならないのだろうか。こんなミニでは腰をちょっと屈めただけで下着が見えそうだ。
…などと様々な疑問が湧いてくる作品ではあるが、そうしたツッコミはしてはいけないのだろう。
だが一番気になったのは、第二話のコーヒーメーカーを導入するか否かを巡る、総務部の女性社員同士の争いでの森若。
どちらにも肩入れしたくない、争いに巻き込まれたくない森若の気持ちは充分分かるし、私もそう思う。
だが森若よ、そんな言い方をすればどちらからも反感を買うぞ。
なのに森若はその辺が疎い。
森若は自分に向けられた悪意を目にして初めて狼狽えるのだが、私から見ればそらそうだろうよ、と思ってしまう。
後輩の真夕からすれば、こんな森若にさぞハラハラしていることだろう。
ドラマ版の森若はともかく、この原作版の森若になぜ太陽がそれほど惹かれるのか、今のところは分からない。
仕事上はともかく、自身も『性格か悪い』と認めているように、魅力は感じない。
だが正反対といえる太陽との出会いで、森若は変化していきそうだ。
そこがこれからの見所かも知れない。
今回も様々な経理上のモヤモヤを明るみにしていくのだが、やはり最終話は辛かった。
許されることではないし、これは絶対に森若が正しいのだが、そのことで社員の家庭、人生も変わってしまうかもと思うと後味は悪い。
だからこそ事が大きくなる前に、小さな芽のうちに摘み取る必要があると思う。そのために森若が悪者になったとしても、結果的には会社に貢献したことになるし、社員の未来を守ることにもなる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
このシリーズなかなか面白い!
経理部の森若さん。経理をやっていたら給与明細だったり、たくさんの領収書だったりで色々な人間関係がみえてくる。さりとて精神的にも経済的にもイーブンでいることを大切にする森若さん!
経理部の鏡だなって思います。
ブランド服を私物化しようとする広報部員、コーヒーメーカーのやりとりで対立する女子社員、業務上横領スレスレの長期出張…などなど
頑張れ!!!
森若さん!!!
って応援したくなりますっ!!!
でもやっぱり
頑張れ!!!
太陽くん!!!
かな…
今後の森若さんと太陽くんの展開が楽しみです。 -
サラッと読めて、程よく面白い。
きっとこういうごまかしをしようとしてるな?とか、なるほど、そうやってたのね。とか、読みながら学びもあって読むのが楽しいです。森若さんの働き方や恋愛観、ライフスタイルなどもとても実直で素敵だなと思います。 -
これは経費で〜シリーズ第2段。今回もスパッと解決…なストーリー展開ではなく、なんとなくモヤつく。それでも読み進めてしまうのは、森若さんの仕事への姿勢が参考になるから。
読んでると登場人物の思考回路が憑依してしまうタイプなので、森若さんに則って(乗っ取られて?)自分のことを考えるのが楽しいのでオススメです。
ちなみに太陽、、、最初の印象が悪いせいでまだ受け入れられない。他の読者さんはどうなんでしょう。 -
サクサクっと読めてしまうので、すぐにきちんと感想を書いておかないとごっちゃになってしまいます。
2巻は、広報部の織子さんの公私混同的な出費や、総務でのコーヒーメーカーをめぐる女の戦い、そして経理部の勇さんを巻き込んだ幼なじみの同僚の取引先からのリベート問題…いろんな出来事が森若さんの周りで起きて、関わりたくない森若さんも巻き込まれてしまう…いろんなモヤモヤが森若さんを悩ませているけど、そんな時、
「沙名子さ〜〜〜ん」とやってくる太陽くん。森若さんも次第に彼の存在に癒されてる自分に気づく。太陽くん、ほんとにいい奴☆これから、いろんな問題が大詰めを迎えて行くんだけど、太陽くんと沙名子さんの進展ぶりも楽しみです♪♪ -
会社の人間関係の面倒臭さが描かれていて、それに関わりたくないのわかる…と、思いながら読んでました。
クールなだけではなく、人間味がある沙名子さんが沢山みれました。 -
’21年12月31日、読了。青木祐子さんの小説、二作目。
第2巻は、僕には第1巻よりも楽しめました。沙名子さんと太陽君の関係も、半歩くらい、進んだような…各章の登場人物達との対決も、より鮮明になっていると思います。中でも、第二章…女性達の、容赦ないバトル、そして、それに右往左往させられる沙名子さん…なんだか、リアル(実際のリアルなんて、僕は知りませんが)に思えて…良いのかな?と思いながらも楽しんでしまいました┐( ˘_˘)┌
でも、一番好きなのは…実は、エピローグ、真夕さんの章です。幸せな、終わり方…こういうのが、大好きです!
21年、最後の読書になりました…来年も、良い出会いがありますように! -
シリーズ第二弾。沙名子さんのブレないようにしてるのに、太陽くんに引っ張られてる感じが可愛らしい。がんばれ〜‼︎と二人を応援したくなる。
撮影用のシャツ、コーヒーメーカー、出張代…一口にいってもどこまでが経費でどこから違うのか、難しそうな仕事だな〜。経理部員の面々も一癖あっておもしろい。 -
ドラマが面白かったらしいことを覚えていて小説を手にとりました。1巻に続いて2巻もおもしろかったです♫