宝石商リチャード氏の謎鑑定 祝福のペリドット (集英社オレンジ文庫)
- 集英社 (2017年8月22日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086801430
作品紹介・あらすじ
トラブルが落着し、日本に戻った正義とリチャード。大学3年生となった正義だが、ある日常連の乙村が店を訪れ、片想いの女性からもらったという桜色のカメオを見せる。そのカメオには謎が……? 第5弾。
感想・レビュー・書評
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リチャードの過去がまた少しずつ、出会いから、幼少期の盗難など、重たいけど、前向きな形で解決していってるので、よかった。
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本作ではリチャードの過去があらわになる。
師との出会い、母親や家庭教師など、実家の話など…優しさであったり、考えられないくらいの苦しみであったり、それらが今のリチャードを形作っていることがよくわかる。
人は皆過去を元に作られていく。
優しさも賢さもそしてそれを総括した「美しさ」も。
「挑むシトルリン」は叶わない恋の物語だ。
いうことは簡単だが言わないことはその何十倍も苦しく、自分を律しなければならない。
そして、自分が思うほど相手は自分を思ってはくれないこともある。
だが、相手が生きる世界を、相手が大切にしている世界を愛することはできる。
愛とは、人間とは、なんと複雑なのだろう!
「ジルコンの尊厳」では、「美とは『ある』ものではないのです。『見つける』ものなのですよ」(206頁)
「祝福のペリドット」では、
「自分が今まで何をしてきたのかと厳しく考える時には誰しも、己がうつろに思えるものだが、実際には自分で思っているよりもいろいろなものが入っているし、逆に考えれば、まだまだ詰め込む余地があるということでもあると。」(282~283頁)
とこの本は伝えてくる。
美の基準であったり、自分自身の評価であったり、そう言ったものはなかなか高くは評価できず、低い評価のままになりがちだ。
そんな苦しみを少し和らげてくれる。
少しずつ少しずつ、本は私を救ってくれる。
薄皮一枚ずつが積もって、以前よりずっと苦しまなくなった。
たくさんの言葉に触れること、それは必ず自分の救いになる。 -
スリランカの過去話がとても良かった。シリーズここまで読んできた中で1番好きかも。シャウルさんのことすごく好きになった。続いての智恵子さんの話もとても良かった。
ところでシリーズ通してなのですが、本の右上にタイトルが載ってるけど、これ、それぞれの章タイトルにして貰えないかなぁ。ふと、今回の宝石なんだっけ?って思って、目次に戻るのが地味にストレス。 -
シリーズ5
リチャードとシャウルさんの出会いのお話
こっちも4巻に負けず劣らずヘビーな内容
子どもの時のキュートなリチャード坊ちゃん登場!
とはいえ、智恵子さんに会えて良かった♪
そしていつものお約束の、正義のボケもw
人の強さとか、優しさとか
たくさんの気持ちも受け取ったなぁ
就活に悩む若者にも読ませたいw
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リチャードと正義の掛け合いがこの巻も面白くてぐんぐん読める。リチャードがだんだん素直になっていってる。この巻のある場面で谷本さんが好きになった。ダンディなゴルゴ。
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今回はリチャードの過去の話がほとんど。完璧人間のような彼がまだ未熟だった頃を知れて良かった。
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きゃー♡表紙から何コレ!今までの決め決めリチャードじゃなくて、寝起きのような無防備な姿は!ズキュンです。本編も相変わらずスイーツ顔負けの正義の天然甘々がましましです。特に披露宴後のww。でも、インドの女の子の話は辛かったな。ざまぁ展開はスッとしたけど。色々と皆が幸せオチは読んでいていいもんです。
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リチャードの過去についてのお話、とても複雑でしたが興味深かったです。
正義とリチャードの関係もさらに良い感じになっていてよかった。 -
リチャの年齢と大体の過去が出揃ったな
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「挑むシトリン」
運んでもらいたい。
知り合いであれば分かるが、赤の他人にあそこまで親切に出来る人は中々いないだろな。
「サードニクスの横顔」
隠していた想いは。
全て憶測でしか話す事は出来ないが、答え探しよりも誰かに聞いて欲しかったのかもな。
「ジルコンの尊厳」
ダメ男の過去とは。
偶然出会っていなければ、いつまでも詐欺まがいな事をして逃亡を続けていただろうな。
「祝福のペリドット」
会う事は出来ない。
世間は狭いというが、こんな風に間接的に再会する事があるだなんて思わなかっただろ。
「聖夜のアンダリュサイト」
甘いものが次々と。
いくら好きだと言っても限度があるだろうが、受け取ったからには処分できないもんな。
著者プロフィール
辻村七子の作品





