宝石商リチャード氏の謎鑑定 転生のタンザナイト (集英社オレンジ文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086801690

作品紹介・あらすじ

将来の進路を思い悩む正義の前に、離婚して姿を消していた父親が現れた。金に困ってつきまとう父親に、正義は店やリチャードに迷惑をかけないようにと、「エトランジェ」を辞めようとするが? 第一部完!

感想・レビュー・書評

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  • 中田のお父さんカッコよすぎ!!
    いいお父さん。泣けるお話。

  • 実の父と決別ができてよかった。
    中田のお父さんも素敵。
    就職はあっさり終わってた。

  • 第一部、完・結!
    大丈夫、第二部はすでに始まっている。

    正義の苦しい過去と彼の毒親が登場する。
    正義はどれだけ苦しんできたんだろう。
    彼は法律上は大人であっても、まだ学生、また「子供」なのだ。
    正義の父親はDV親父でギャンブラー、父親であることだけを傘に、金を実の息子からせびる。
    正義は大好きな大切な人たちを苦しめたくなくて、心配をかけさせたくなくて、何もいわなかった。
    だけど隠すのが下手だから、バレてしまうのだ。
    それで良いんだよ、頼ってよ。

    次の言葉は、虐待サバイバーたちに当てた著者からのメッセージと思う。

    「人間は、日々、思い悩み、苦しむものですが、あなたは明るい道を選び続けた。
    楽なほうでもなく、捨て鉢な時に衝動的に選びたくなるほうでもなく、明るい方を。
    私はそれをとても尊いことだと思います。
    頑張ってきたのですね」(261頁)

    あなたは頑張ってきた、生きてるだけで尊いのだ、そう伝えてくる言葉は、
    言葉だけでは救われないこともあるけれど、どこかで誰かの救いになってくれることを祈るような言葉だと感じる。

    本シリーズは、ジュエリーという美しいものを通じて、同じくらい美しい、人との出会いや想いを感じられる。
    押し付けがましくなく、過剰に何かを礼賛することもなく綴られる物語は、
    読者の心を磨き、美しいものへと仕上げていく。

  • 表紙を見た私「ついに結婚するのか……?」

    ●コンクパール
    ミルクマン中田に笑っていたらすごい目にあった。
    具体的に言うと「あなたと食事をして帰りたい」のくだり、あれ本当、ずるいと思う。正義くんと食事をとっても平気なよう予定を入れていないだとかの辺りからそわそわしてたんだけど、まさか一度流れた食事の話を引き戻してくるとは思わなかった。壁を殴ったあたりで私は一度本を閉じた。胸がいっぱいになった。。。そしてその様子を目の当たりにしてキレる子どもを思い出す中田正義よ…。ここのリチャード視点が読みたくてたまらない。

    ●スピネル
    フットマン正義! 出喰わすリチャード! 待っていた展開がちゃんと用意されるの、最高すぎてにやけた。そしてすごく好きなのが、ヤラセ会話なんだけれども、「あなたの言葉はその都度私の顔を撫でては去ってゆくいたずらな風のようなもの」「あなたが喜んでいることをとんちんかんな語彙で教えてくれる」の辺りのセリフ。お愛想とはいえリチャードの優しさがそよそよ漂うようないいセリフだった…。あやめさんと板垣さんの2人の関係性もよかったな。

    ●パライバ・トルマリン
    ついに天使と天使のご対面! 怪盗パライバのエピソードも、そのあとのリチャードと谷本さんのやりとりも、よいなあ…じんわり…。
    そしてすごく心にきたのが谷本さんの「自分のことをエトランジェだと思っている人にとても優しくしてくれるお店」というセリフ。リチャードが、自分は異邦人だから、という理由でつけた店名に、あたたかい意味を宿してくれた。うっ正義くん…人を見る目がありすぎる…。谷本さんをお見送りして、戻ってからのリチャードと正義くんのやりとりもよかったです。恋ではなかったけど、正義くんと谷本さんのあいだにも確かに通じ合うものがあったんだよな。大事な人なんだよなあ。
    …といういい話で終わると思いきや、ですね。いやフラグが立ってはいましたが…。

    ●タンザナイト
    ああーううー。幼いころのトラウマって大きくなっても蘇ると厄介なんですよね。しかも本人が目の前に現れるわけだし…ホームセンターで包丁を用意するくだり、ひやひやした。正義くんいつも人をばびゅんと助けに行くのに、いざ自分が窮地に陥ると一人でなんとかしようとする。というか、人を助けるということも一人でやっているし、たぶん誰かを頼るというのができないんだと思う。
    シャウルさんとのメールで、「こういう言葉を返してくれる人もいる」と正義くんが泣きそうになるシーンにぐっときた。なんだかすごくリアルで胸に迫った…。
    ジェフリーさんがストーカーでよかった! って思ったのはまあまあまあ置いておいて、やっぱりさ、びっくりするよね。「あなたを帰したくない」だよ。「何階?」だよ。断るかと思ったじゃないんだよ状況的にそんなん言う感じじゃなかったじゃんありがとね!!! 
    そして一室での怒涛の愛のムチ……。ラピスラズリで正義くんがぶつけた叫びに返歌するかのような言葉たち。包丁まで持ち出して崖っぷちで耐えた正義くんのことを、ああいうふうに救い上げてくれて嬉しかった。リチャードが、正義くんが思っている以上に正義くんのことを理解して、見守っていてくれて嬉しかった。そしてそのことが、きちんと正義くんに伝わってよかった。
    解決方法も鮮やか…。正義くんは自分が思っているよりずっと大事にされているのだよ。

    ●シンハライト
    これさあ~~~これさあ!!! どう受け止めたらいい…?
    第三者視点により明らかになる正義くんの顔面偏差値、血縁のある身内はおそらく一人しか持たないはずの正義くんの「親戚」の話、出てこない彼のフルネーム、同居、付き合っている人はいないが好きな人はいる…………。
    う、うーん。すごくすごく勝手な妄想を展開すると、付き合ってないけど結婚しており姓が変わったのでフルネームが出てこない。親戚はクレアモントの血筋の方の話で、褒め殺しの達人は正義くんのことではない。
    うーん……しっくりこない! 気になりすぎる…。フルネーム出てこないのは単なるミスリードという気もするし。

  • 第一部最終巻。今回は正義の過去が明らかになり、自分の中に渦巻いていた葛藤をさらけ出す。
    正義の進路についての決着がサラッと終わってしまい、少し残念だった。

  • キャラ総出演で、まさに第1部完結に相応しい終わり方です。名前だけの人もいましたが、それでもちゃんと存在感があるのが素晴らしい。
    批判を覚悟で言わせてもらえれば、CASE1〜3は、どこかページ稼ぎ的な気がした。確かにCASE4への伏線がいくつかあったが、一つ一つの話としては、深みが無かった。CASE1に関して言えば、一冊分くらいのストーリーができるぐらいのテーマ。CASE3は、馬鹿馬鹿しいとしか言えない。CASE4に、もっと重点を置いても良かったかも。
    シリーズを通して、登場する女性達のほとんどは、不躾で品がなく、精神年齢の低い人が多いように感じる。男性を美化し過ぎています。それに結局、リチャードと正義の2人は煮えくりかえらないままで終わっている。
    それでも、セリフや描写は活き活きとしているので、読んで損はない。

  • リチャードじゃなくて正義だったんかい!ってなりました。
    最後の知人じゃなくて親戚の話っていうのが気になって仕方がない…

    ずっとBLになりそうでならないという展開だからどうなんだろう
    第二部も楽しみです

  • 第一部終了。

    でもエピローグによると2年後もこんな感じなんですね。

    リチャードさん、外食ではミネラルウォーターしか頼まないのかと思っていたが、ホテルのバーでノンアルコールカクテルを頼んでいた。

    陸の宝珠がたべたくなった。

  • そこかしこで正義ったら毎日がプロポーズ、みたいな?(〃▽〃)もうyouたち早く結婚しちゃいなよっ。リチャードもリーチャードで既に正義ご両親にはご挨拶済みだったみたいだし(n*´ω`*n)。相手に迷惑かけたくない正義の気持ちも凄く分かるけど、打ち明けられて頼られたら、信頼されているんだなという満足感と力が湧き出てくるもんだよね。

  • アニメここまで。

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著者プロフィール

9月24日生まれ。神奈川県出身。『時泥棒と椿姫の夢』で2014年度ロマン賞を受賞。受賞作を改題・加筆改稿した『螺旋時空のラビリンス』で文庫デビュー。

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