下鴨アンティーク アリスの宝箱 (集英社オレンジ文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 410
レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086801911

作品紹介・あらすじ

求愛の返事が聞けないまま婚約者を亡くしたと語る老人に出会った幸。「香水瓶を返して」と言う女性が訪れた日から、身辺に彼女の幻影を見るようになった春野。全6編収録。シリーズ最終巻。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ最終巻。

    本編の後日談といいますか、番外編のような内容です。
    個人的にスピンオフ・番外編が好きという事もあって、本書の6篇も楽しく読ませて頂きました。本当、サブタイトルにある“宝箱”のようですね。
    本編の頃から、“野々宮家ルーツ話”がお気に入りだったので、本書では「白帝の匂い袋」が印象的でした。内容はちょいとホラー入っていて、哀しい部分もあったのですが、何より鈴さんと季秋さんがお互いを想う姿に、心が温かくなりました。
    ブローチ目線の「額の花」も素敵な話でした。“物“の意思をくみ取り大切に受け継いでいく事。これぞ、アンティークって感じですよね。
    そして、「鶯の落し文」「山吹の面影」等で、良鷹が幸ちゃんの“お父さん”している様子が微笑ましかったです。
    シリーズはこれにて終了ですが、成長した幸ちゃんをメインにした新シリーズなど出たらいいかも。と期待しながら本を閉じた次第です。

  • 面白かった。本当に面白かった。「面白かった」では足りない読了感がある。ずっとこのシリーズを読んできてよかったなあと思った。最初は、レーベルと表紙や装丁のかわいらしさに惹かれて手にしただけやったの。

    著者の文章が好きやなあ…。
    このシリーズは数年かけて読んだけど、これほど文章を好きと思ったのはここ最近になってからかも。
    今の私は、著者の作風と文章を求めているんやろうな。

    とにかく丁寧な世界観に、こんなふうに生きたいなと思う。
    広くない世界でもその世界を丁寧に生きていればこんなに幸せなんやなあと思った。

    情報過多で、すぐ他人と比較できる世の中は、それはそれで進化していけるのかもしれへんけど、そろそろわたしも、そういう進化より自分の身の回りの物事を愛でたいなと思うようになってきた(のかもしれない)。

    身の回りの物事を愛でることは進化をやめることではないし、新しいものを取り入れることをやめることでもないわけやし…。

    今回の話は、シリーズ最終巻というだけあって、これまで以上に鹿乃ちゃんの周囲の面々を主軸にした話やった。とくに良鷹さんかな。たしかに、若隠居みたいな彼はちょっと救われない(?)ところがなくもない。大人としては、良鷹さんみたいな役どころはめっちゃ好きやけども。笑

    そんな彼にも幸ちゃんという新しい出会いがあって、新しい世界が広がっていくんやねえ。
    身の回りの物事を大切にしているから、新しい出会いがあって世界が広がっても根っこは変わらないんやねえ。

    そういうのが、いいなと思えた。

    著者の別タイトルも予約しよう。わたしも長い時間をかけて、ゆっくり追っていきたいかもしれない。

    やわらかい内容とやわらかいひとたち。物語に対しても作中もぜんぶ「まじめ」な筆致なのに、どこかほんのりとアダルトな気配も感じた。

    そういうところも、なんだか、ドキドキしたね。笑

  • 白帝〜の野々宮家の人達もみんな良い人。あの時代に鈴のことを温かく迎えて、偏見もない。樹下の奥様も、冷たいようで本当はひたすら鈴のことを思って苦しみは全て自分が引き受けて強い人。良鷹あんなにグータラソファに寝てたのが、幸のためにすっかり活動的に。虎の帯は慧に随分といけずなことを(笑)幸の不思議な力は個人のものなのか、そういう家系の子なのか、知りたかった。幸の成長と良鷹をもっと読みたいのでまた書いてくれないかなぁ。

  • 故人の着物やアクセサリーなどの来歴を追うファンタジー。
    作者さんには申し訳ないけれど、シリーズを最初から読まなくても何とかなる。

    物に宿る人の想いを追う、と言えば、つい先ごろ読んだ『図書館のキリギリス』も同趣。
    「特殊能力」を持つ登場人物が出てくるのも同じ。

    なのに、この作品は割とすんなり受け入れられたのは、選択的無関心というか、ハナからファンタジーと割り切れるからか?

    相変わらず。表紙が美しい。
    着物の描写も、アンティークの装身具の描写も。
    そして鹿乃や幸といった美少女のかわいらしさ。
    この少女趣味は、いまどき珍しいこのフリルふりふり全開な感じは、貴重なのではないだろうか?

  • アリスと紫式部、回転木馬とレモンパイ、祖母の恋文、神無月のマイ・フェア・レディ、雪花の約束、暁の恋、白鳥と紫式部、アリスの宝石箱
    シリーズ全巻読了。
    ファンタジー寄りのミステリーは、レトロな少女マンガテイストで子供向けと思ったが着物や帯の様子を思い描きながら読むのは楽しかった。
    装丁が好みでした。

  • シリーズ最終巻で番外編。
    「鶯の落し文」「青時雨の客人」「額の花」
    「白帝の匂い袋」「一陽来復」「山吹の面影」の6編を収録。
    宝箱というだけあって、番外編らしく色んなお話が楽しめました。
    そしてさりげない蘊蓄もしつこくなくて好みです。
    なんて楽しいシリーズだったのでしょう♪
    こういう不思議は大好きです(p^_^q)

  • 正直特別文章や登場人物を好きになる感じではないのだけど、最終巻まで読んじゃった。物語りの設定が好きなのかな。倉にある着物や帯に込められた気持ちやエピソードを紐解くと、いつも大抵温かいものが心に残るとこ、それとやっぱり京都の描写が懐かしくて場所を思い描きながら読めたことが良かったのかも。自分が着物着るの好きなこともあって、着物に起こる現象を比較的鮮やかに想像できた分楽しめたのかなと思う。

  • 続き……かと思いきや、本当に番外編みたいな感じで、まあ続きなんだけど、鹿乃ちゃん目線が全然なくて寂しい……。

    ●鶯の落し文
    主に幸目線。
    本当にこの子は不思議な力を持ってるみたいだけど……。
    野々宮の後継者になれそう(笑)。

    ●青時雨の客人
    春野目線。
    割と恐い話だった……。
    小さな額の傷へのコンプレックス、いくら妹から見て気にし過ぎと思っても、親があんな風に言っていたら自信を失うのも当たり前というか……。
    神経質な姉と無邪気な妹の対比が傍から見てると恐い。

    ●額の花
    これは割と面白い、芙二子から野々宮家の女性に代々受け継がれるブローチ目線。
    ラストで最初の持ち主とつながるところが何とも良い。

    ●白帝の匂い袋
    芙二子の祖父母たちの馴れ初め。
    てことは、鹿乃と良鷹から見ると……高祖父母というやつか!?
    ここまで遡ると、野々宮家の人々は相当に強い力を持っていたんだなあ。

    ●一陽来復
    慧目線の短いお話。
    二人のいちゃラブが可愛い。
    しかしついに、ファーストキス描かれなかったのね……。

    ●山吹の面影
    主に良鷹目線。
    相変わらずミステリー要素多め。
    幸の不思議な力が発揮され、狐におにぎりをあげて落ち着かせてしまうのがすごい。

    まだまだいくらでも続きが書けそうな設定なのに、もったいない感じだけど、このくらいでスッキリ終わってちょうどいいのかな。

  • もう少し主人公パートが読みたかったけど、物足りないくらいがちょうどいいのかも。代わりに兄パートとか層は厚い。

  • 良鷹と幸ちゃんの部分を読んでると、鹿乃が小さ時もこうしていつも2人で居て2人で乗り越えて来たんだろうなって。慧ちゃんのデレ具合が素晴らしく、虎の帯で牽制されてる慧ちゃんも素晴らしい(笑)

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著者プロフィール

作家

「2021年 『京都くれなゐ荘奇譚 呪われよと恋は言う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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