これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 4 (集英社オレンジ文庫)
- 集英社 (2018年6月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086801959
作品紹介・あらすじ
何でも率直に物を言う新入社員・麻吹美華が経理部に入り、気苦労が耐えない沙名子。私生活では付き合い始めた太陽との関係に戸惑い気味。そんな中、沙名子は社員同士の不倫を目撃してしまい……?
感想・レビュー・書評
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<経理部の森若さん>シリーズ第4作。
外資系会社を渡り歩いてきた(良い言い方をすれば)麻吹美華が、平穏なはずだった天天コーポレーションでの森若の日々を掻き乱す。
美華の言うことは一々ごもっとも、ド正論で反論のしようもないのだが『正しければ勝つわけではない』のだ。
言い方もあるだろうし、森若が言うように癖の強い社員の多いこの会社ではそれぞれの社員には『対処するボタンが違う』のだろうし。
だがこの我の強い美華も段々と軟化してきてそれなりに対処の方法を変えてきたように思えてホッとする。
ドラマのときもだったが、個人的にはこの美華、結構好きだ。
それともう一つ印象的だった話、ドラマでも結構好きだったが石鹸作りにかけては社内一、石鹸製造一筋のおじさんと真逆の危なっかしい新人女性社員。
こういう話は良い。調べて見てがっかりするよりはずっと良い。
だが『たっちゃん、アイちゃんという呼び方、なんだか妙な感じがする』という森若の心の声に思わず突っ込みたくなる。いやいや、経理部のあなた達も『勇さん』だの『太陽さん』だの、部長自ら『真夕』だの言ってますから!
この会社は中堅老舗メーカーということもあるのだろうが、慣例とか慣習とか、色んななぁなぁが横行し過ぎな気がする。
石鹸作りのおじさんの話はなかなか言えなかったことが拗れて…というのは分からなくはないが、そういうことが積もり積もって気付いたらもうどうにもならなくなってしまうということにならないだろうか。今作は何とかそこから前向きに変わってくれて良かったが、前作ではそれが積もり積もって結局あの方は退職することになった訳だし。
秘書課のマリナの経費精算の杜撰さ、広報課の皆瀬の費用の高額さ、稟議書の科目が実情と合ってないことを長年放置、データで出来ることを頑なにアナログで処理。大丈夫か、この会社。
ドラマ通りの展開なら、だからこそ大変なことになってしまうわけだが。
おまけに社内不倫。いい加減にしろよ。いや、そっちは仕事に支障がないならどうでも良いが。
一方で森若と太陽のプライベートな関係も徐々に親密になっている。太陽の八方美人ゆえの危うさが発生するのだが、いざとなると機転が利くのにはホッとした。
しかしなぁ、呼び捨てはどうもしっくりこないなぁ。ドラマじゃ最後までさん付けだったからか。何か生々しい。おまけに他人の不倫現場まで撮影してしまうなんて、森若はどうしてしまったのか。
森若のモットー、『イーブン』とは何なのか。
給料以上のことはしない、責任も持たない。給料分、平社員分の責任しか持たない。
これまでは肯定的に見てきた森若の仕事スタイルだが、今回はどうもそれが裏目に出た気がする。
結局森若が『イーブン』で収めたためにマリナは再び助長し、それを今度は美華にうまいこと押し付けようとしている。何だかなぁ。
このマリナの話は続編で再び出てくるのか、そしてその時森若はどう動くのか動かないのか。
太陽が気楽に言うように、みんなが幸せなら良いのだけれど。
エピローグの真夕視点の話がほのぼのしてて癒やされる。真夕の鎌本スルーテクニックも冴えてきて、思わず笑ってしまう。実は真夕が一番出来る社員なんじゃないか、とすら思ってしまう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
経理部に新たな社員が入り、展開が面白くなってきました。
森若さんと太陽くん、沙名子と太陽ってお互いに呼び捨てに会話してた。ついに正式に付き合いはじめたっ!!!
お互い癖はあるものの、ついつい応援したくなる。森若さん!!太陽くん!!頑張れって…
真夕ちゃんのエピローグもほんわかしてていいな。 -
森若さんシリーズ第四段。気付けばしっかりハマりました。
今回はちょっと大きめな展開があり、ストレスにやられる森若さんが可哀想だったり、すこし意外な行動におぉっ!となってみたり楽しめます。
太陽くんのちょっと天然な行動もよし。
中途のタイガーみたいな厄介なのもたまにいるけど、ただイラつくだけでなく長所や特徴を掴みとって良いように誘導していくところはぜひ自分も積極的に取り入れていきたいです。
ずるい奴 vs. 正義漢 な戦い、ぜひ美華さんを応援したいです。どうなる。 -
ホノボノ&ちょっとした緊張が合間って面白かった。家にあった4巻を最初に読んだので、主人公の沙名子と太陽がどのようにして仲良くなっていったのかがよく分からない。
また、過去のエピソードも散りばめられているが、ここもよくわからない。ただ4巻からでも十分楽しく読めました。 -
4巻まで読んできて、この巻が1番好きかな。
何でかと言うと美華さんが結構好き!
嫌な人なんじゃなくて、言葉がストレートで人間関係がやや難なだけで面白いし、自分もそうかも〜と思ってしまう。
外資から来たって看板のせいでいらん嫉妬にも見舞われるんだろうな。仕事できるし損だね。
一方で森若達に抱いていたイメージと違うところが出てきて少し困惑。
マリナの件、伏線を匂わせて美華に調査させてたけど、森若ってそんな感じだったっけ?!
不倫を撮影してしまうのも、らしくない。
最近の風潮?不倫、ここでもですかって感じ。
小説だけど、突然まわりに不倫が見つかり、撮影しちゃうなんて。
あと、部長が真夕って呼び捨てにするのに違和感。
まあ全体的には楽しめたので次も期待! -
美華さんの攻撃的な態度が、胸が苦しくなるので、真夕ちゃんの朗らかさに癒やされる。
この本の女性の中で、一番世渡り上手なのは、真夕ちゃんなんじゃないかなー。事を荒立てず、でも言いたいときには、小さな声で本音を出して、ストレスを溜めない。
先輩からも同輩からも可愛がられる妹キャラ。
媚びてるわけじゃないから、嫌味もない。
沙名子さんのクールで仕事ができる感じもいいけれど、真夕ちゃんが可愛くて仕方ない今日このごろ。 -
経理部に新しく新入社員の麻吹美華が入る。
公平性をモットーに、言いたいことを言うあけすけな性格にしばらく戸惑う人々。
太陽と付き合い始めた森若さんは、自分のペースを崩さずつつがなくマイペースに生活したいものの、
なかなか思うように行かずどうしたものか。
そして不倫現場発見と、穏やかな日々とは少し離れていきそうだ。
人の扱い方というのはなかなか難しいものがあるけれど、
この人にはこの言い方をすれば受け入れてもらえるなど、
お互いにとって気持ちの良い人間関係作りが出来れば、
多少難点があったとしてもうまく回っていくものだ。
森若さんと美華はなんだかんだ思考タイプが似ているし、
森若さんの数少ない友人として長く付き合っていって欲しいものである。
しかし、太陽、ちょっと誰に対しても甘すぎるぞ…。 -
相変わらず面白いです。恋人に対してどう接していくか、悩んでいる主人公がかわいい。
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テレビドラマの放映が始まって読んでみました。
職業柄 かつ性格的に 良いと思います!