契約結婚はじめました。 3 ~椿屋敷の偽夫婦~ (集英社オレンジ文庫)

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  • 集英社
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086801966

作品紹介・あらすじ

〈椿屋敷〉と呼ばれる古屋敷に住む香澄と柊一は、ワケありの“偽装夫婦"。が、偽装とは言い切れない感情が生まれつつある。そんな折、香澄の元・許婚の晶紀が、椿屋敷の裏のアパートに引っ越してきて……?

感想・レビュー・書評

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  • あれ?前作・前々作に比べて、ナレーションがとても自然!
    恋心が動き合い、すれ違うさまは、やっぱりおもしろい!

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    お互いの事情のために、形ばかりの結婚をした柊一と香澄だったが、心の中にはお互いを思いやる気持ちが芽生えつつあった。

    そんなとき、香澄の元・許婚である晶紀が、椿屋敷の裏手アパートに引っ越してきた!

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    登場人物たちの関係性もすっかり頭に入り、スーイスイと読み進められました。

    この物語は“椿屋敷”そのものが語り手なのですが、1・2作目に比べて本作はナレーションが物語の邪魔をしなくなり、とても読みやすくなっていました。
    そして目に見えて恋心が芽生えつつありながら、けれどそれを明かすことなく暮らしている2人に、読み手の心がムズムズキュンキュンでした。

    きっと物語は、おさまるところにおさまるのだろうな…と予想はついてしまいながらも、“どんな風に”おさまるのかは興味がありますので、第4巻も楽しみに開いてみようと思います。

  • シリーズ3作目。やっぱりバレちゃったよね。すみれさんとお母さんの観察力はごまかせない。元許嫁の晶紀さんもすみれ荘に住んだりして。この結婚生活どうなるのかな。

  • シリーズ3冊目。
     読み始めた当初は、「椿がらみの事ばかりで、飽きたり中だるみになってしまわないかな」と思っていたのですが、実際に読んでみると、椿どうこうよりも「人と人との繋がり」を中心に据えたストーリー作りがしっかりなされているからか、全く飽きません。

     最近、巷でお勧めされていたり、売れていたりする本は結構ダークでシリアスで……という、いわゆるイヤミス感漂う作品がナチュラルに混在しているので警戒しているのですが、この本に関しては「楽しいことばかりではないけれど、苦しいことばかりでもない」というメッセージが込められているような感じです。
     読んでいてしんどい気持ちにならないし、ほっこりする出来事や、思わず笑顔になるようなエピソードもあったりして、心配せずに読み進めることができます。

     私もそれとなく近い経験があって、「金魚は忘れない」がこのお話の中では一番印象に残りました。スピカの話も、いろいろと考えさせられるものがあって、メインの椿屋敷だけでなく、すみれ荘の番外編(?)があるから椿の話自体が活きてくるのだろうなと思います。

     恋愛小説が苦手な私でも読み進めることができている、稀有な小説です(笑)
     とりあえず今はシリーズ最後まで完走したいなと思っています。

    ※2024/1/24日 18:04まで、レビューではなく「読書メモ」の方が公開されていました(当方のミスです)。そのため、文章差し替えを致しました。
    (以前のレビューに「いいね」下さった方、申し訳ありません)

  • 契約結婚シリーズ3巻目。
    作中に謎が出てくるのだが、その謎にまつわる椿の描写が綺麗で、ちょっと古風な生活の雰囲気も好きだ。
    なんだか京都っぽいような雰囲気を感じる。
    どこでそうみせているのだろう?

  • 題には偽夫婦とあるけれど、穏やかでお互いに思い遣って素敵な関係に思えます。

    秘花
    火宅の恋
    金魚は忘れない
    すみれ荘にて-君はスピカ-
    ふたたび、椿屋敷

  • 三角関係勃発!
    柊一さんの気持ちが固まっただけ進んだか。

  • 椿屋敷と呼ばれる古い家屋に暮らす偽装夫婦ふたりの恋物語を描いたシリーズ、三作目にあたる。

    前作から続くもどかしいうえにきゅんきゅんするような可愛らしい恋模様は、隣のすみれ荘に恋敵が引っ越してきたこともあり話がひとつ進んだような印象を受ける。

    この作品、時代設定は現代なんだと思うけれど夫婦ふたりのやりとりにはスマホやLINEといったものが全く登場せず、会話もふたりの交流もなんとも古風で独特の雰囲気があって、そのせいか普通だったらあり得ないだろうな、という設定もなぜかすんなり受け入れられてしまうから不思議だ。

  • 2023.4.24 読了。
    椿屋敷シリーズ第3弾。
    香澄と秀一の訳あり偽装夫婦の関係も、お互いの感情が徐々に変化を見せはじめた矢先、香澄の元・許嫁の晶紀がすみれ荘に引っ越してきて事態は複雑になる。そんな中ひょんなことからすみれさんにも偽装夫婦だということがバレてしまい……
    椿屋敷やすみれ荘といった家目線で語られる人間模様。

    今作はすみれ荘の出番が多く、すみれ荘の住人もたくさん出てきて「すみれ荘に住みたい!」と思ってしまった。
    全体的に優しい恋の物語として進んでいるなぁ〜と感じた。それは過去の恋愛だったり、今の恋愛だったり。

    江ノ島の水族館でクラゲが見られる、と行ったら新江ノ島水族館をイメージせざるを得ないが行ったこともあるので親近感が持てる。すみれさんが行った時はまだ「新」じゃなかった時代かなぁ〜と想像したりするのもちょっと楽しかった。

  • お兄ちゃんが攻めてきた。
    だからか、香澄が先にマジモードになるかと思ったら柊一さんがマジモードになった。

    檀と絢も好きだき、廣田の話は結構好きだった。

    2022.3.20
    41

  • ワケあって結婚した偽装夫婦の香澄と柊一。二人が暮らす一軒家<椿屋敷>の視点で語られる、あたたかい物語。偽装から始まったものの、一緒に暮らすうちに周囲に感じ取れるくらいに(当人たちを除く)お互いを想いあうようになっている二人。かわいらしくてほっこりしてによによする。家視点で語られる物語が新鮮だなとこのシリーズを読んで思っていたが、人物たちが家にいない間の出来事を読むことができない(柊一が、腹をくくって香澄を誘って「デート」と言って出かけるのだけど、その出かけている間の描写は全くない)のがすごくもどかしい。二人が偽装結婚することになった経緯・事情とその時の二人の気持ちがようやくきちんと明かされる巻でもある。

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著者プロフィール

三重県出身。同志社大学文学部卒。雑誌「Cobalt」短編新人賞に入選の後、2012年度ロマン大賞受賞。主な著書に『下鴨アンティーク』『契約結婚始めました』「後宮の烏」シリーズ(集英社オレンジ文庫)『三日月邸花図鑑』『九重家献立暦』(講談社タイガ)などがある。

「2023年 『海神の娘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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