後宮の烏 2 (集英社オレンジ文庫)

著者 :
  • 集英社
4.10
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本棚登録 : 775
レビュー : 86
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086802253

作品紹介・あらすじ

シリーズ累計15万部突破!
圧倒的中華幻想譚、衝撃のシリーズ第2巻!

後宮の奥深く、妃でありながら夜伽をすることのない、
「烏妃」(うひ)と呼ばれる特別な妃が住んでいる。
漆黒の殿舎のなかでひっそりと暮らし、外に出てくることはめったにない。
彼女は不思議な術を使い、憎い相手の呪殺から招魂、祈祷、失せ物さがしまで、
なんでも引き受けてくれるともっぱらな噂だった。

後宮で生きながら、けして帝のお渡りのない妃。
そして、けして帝の前でひざまずくことのない妃。
――それが烏妃だった。
しかし、それが意味するところを知る者は、ほとんどいない。

当代の烏妃として生きる寿雪は、先代の言いつけに背き、
侍女を傍に置いたことに深く戸惑っていた。
烏妃とは、なにも望まず、ひとを遠ざけ、ただひとりでいるものだからだ。

そんな彼女のもとに、今夜も「頼み事」のために訪ねてくる人がいる。
ある少年宦官は、自分と同じ年頃の宦官の幽鬼が現れるという。
入水して死んだ、かつて仕えていた妃の幽鬼を弔ってほしいと老宮女はいう。
古い布作面には男の幽鬼が取り憑いている、という気味の悪い話もある。

そしてある夜、後宮で起きた凄惨な事件は、
寿雪が知る由もなかった驚愕の真実をもたらすことになる、がーー。
烏妃をしばる烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)とは何か?
烏漣娘娘がおそれる「梟」(ふくろう)とは一体誰なのか?

烏妃の孤独と運命を知ることとなった皇帝・高峻はーー。

感想・レビュー・書評

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  • 夜伽をしない特別な烏妃・寿雪を主人公にした連作短編集。

    侍女は置かず、婢女もひとりのみで生きよ。
    先代にきつく言われていながら、次第に集まってくる人々を拒絶しきれない寿雪。

    慕われることに慣れない、不器用な寿雪と周りの関係性が、ほほえましかった。

    寿雪と高峻の、ぎこちないながらも相手を思いやるようになっていく姿にも、ほっこり。

    烏妃にすがってまで叶えたい人々の思いには、今回もぐっとくる。

    程よいファンタジー具合。

    烏妃とは?
    烏漣娘娘とは?
    という謎は、思いのほか奥が深く、まだまだ続きがありそうな終わり方。

  • 冬の王,後宮のの烏妃の寿雪のもとに願い事をするために様々な王宮の人間がやってくる。寿雪は夜の宮を出て、その願いを何とか叶えてやろうとする。心優しいのだ。その中で、温蛍という宦官と心通わせ、衣斯哈という宦官を自分の下に置く。寿雪の世界は、確実に広がっていく。寿雪の中にいる烏、烏漣娘娘の兄が現れ、ここからもさらに物語は大きく動き出していきそうである。夏の王、高峻との友情も深まっていき、冬の王、夏の王のかたくなな心は次第に溶け出していく。本当に心優しい物語だと思う。1巻からの物語の進展が好ましい。

  • 前作の幽鬼は悲恋が多かったが、今作は妬みや執着が多かった。幽鬼の幽から鬼になる要素も出てきてそれらしくなってきている。
    前作だけでもまとまっているが、続きが出たことで烏妃の秘密や敵らしいものも出てきて世界観が徐々に広がっていくのも面白い。
    高峻側の事情も、大きな敵がいなくなって気力を支えていたものがなくなり、柵だけが深くなって孤独感が増していく。
    後宮ものではありながら、今のところ高峻の妃たちは権力争いや寵を競う様が出てこない。むしろ他に想う者がいるなど高峻の方を向いていない者ばかりなのが気になるところ。だから余計に孤独に見えるのだろうか。

    寿雪と高峻は孤独と痛みで繋がっている。だからこそ魚泳のことは切なかった。
    魚泳のその後を知る高峻の優しさ、知らない寿雪の純粋さが際立つ。けれど寿雪は知らせてもらえなかったことにものすごく傷つき怒るだろう。きっと高峻はそのことに気付かない。

    魚泳は長年の憤りを変えることは出来なかったのだろう。あちらで麗娘に怒られればいい。凄く喜びそうだけど。そしてあちら側へ渡れているかもわからないが。
    新しく冬官になった千里がいいキャラクター。寿雪たちの理解者になってくれるといい。

    寿雪と高峻が今後どうなっていくのか、烏妃という存在がどうなっていくのかますます楽しみだ。

  • なんというか、一巻よりさらに良かった。
    特にラストの数ページには感動した。

    前巻で寿雪と高俊の関係に一つの安定を得て、今巻では話の軸は二人の関係から、新たに登場した烏妃の天敵との対決に移ったように見えた。でも本当は……

    今巻では烏妃のさらなる秘密が明らかになってくるのだけど、運命はどこまでも彼女に優しくないのだな。

    後半のじゃく妃の悲惨な事件から梟との対決までのクライマックスには手に汗握った。
    でも個人的ハイライトは、ラストで高峻が烏妃の心遣いを知って涙する場面。
    二人の仲がさらに深まった瞬間だ。
    いいよね、これ。

    不穏な影を残しつつ、二人の関係がどうなっていくのか。次巻が待ち遠しい。

  • 自分にとってはちょっとした言葉や行動が、相手にとっては救いとなることもあります。
    自分にもそんな存在が居てくれたらと思ったのと同時に、自分は誰かにとってそのような存在になれるのかと自問しました。

  • 烏妃の秘密が少しずつ明らかになっていく。
    そして寿雪の心が柔らかくなっていくにつれて、深まる苦悩。
    辛い(T ^ T)

  • 友達になった高峻と寿雪ですが、あいも変わらず邪険にされる高峻…
    いや、でも寿雪の寂しさをわかっているのです!
    例え寿雪に"邪険にされると通いつめるような癖でもあるのか?"と問われようとも!
    そんな感じで仲良く?なる2人ですが、やはりこの2人が仲良くなると色々問題もあるようで、寿雪はみんなに囲まれていても孤独なとこがあります。
    さらに敵?の梟まで周りをうろちょろ…
    正体もわからないし、なんだか嫌な感じするし!みたいな寿雪もまた身の内に烏がいたりして大変です。
    高峻も外戚が面倒そうです。さて、いつになったら高峻は自分のことを語るのでしょうか?
    まだまだ親友になれない2人です。

  • ひと言で言えば
    毎回、後宮の何処かに現れる幽鬼を
    烏妃がなんとかするという話なのだが
    それぞれの事情や立場や感情が絡みあって
    飽きがこないし
    その都度二人が互いを思いやる気持ちが
    育まれていくのがいいね

    今回は烏と烏妃の関係や因縁など
    核心に迫ってきているので
    またまた今後の展開が楽しみ

  • この世にもう身体はないのにあちらの世界にいけない者たちが章ごとに出てくる物語だけど、物語の中心にあるのは主人公の寿雪と彼女をめぐるあれこれかな。

    前巻よりも彼女の健気さや周りの人たちの個性が鮮やかに浮かび上がってきてるよう。

    まだまだ、読者には謎の部分が多いけど、これから、彼女が運命と感じ縛られているものから、解き放たれていくところが見たいかな。

    それから、こういう物語ではお約束だけど、まわりの男性がそれぞれに素敵。

  • 烏妃の中の化物とは、烏と梟とは。一人で生きる定めの烏妃 寿雪が人に囲まれて感じること、帝との関係。
    舞台背景が少しずつ明らかになるが、まだその先の真相がありそうだし、寿雪のこれからの成長と運命も気になる。
    19-109

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著者プロフィール

白川 紺子(しらかわ こうこ) 
三重県出身の小説家。主に女性向け小説をフィールドにしている。同志社大学文学部卒業。2011年、「サカナ日和」で第154回「Cobalt短編小説新人賞」入選。2012年、「嘘つきな五月女王(メイ・クイーン)」でロマン大賞を受賞。同作を改題・改稿した『嘘つきなレディ ~五月祭(メイ・デイ)の求婚~』で、2013年にデビュー。
代表作に、『リリー骨董店の白雪姫』シリーズ、『下鴨アンティーク』シリーズなどがある。

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