宝石商リチャード氏の謎鑑定 邂逅の珊瑚 (集英社オレンジ文庫 宝石商リチャード氏の謎鑑定シリーズ)

  • 集英社 (2019年8月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784086802666

作品紹介・あらすじ

滞在していたスリランカでの戒厳令発令をうけ、日本に一時帰国することになった見習い宝石商の中田正義だが、
帰国前にある人物からのメールを受け取っていた。
メールの差出人は、連絡が取れずにいたヴィンセント。文面は「話をしましょう」。
戒厳令下の慌ただしい中でやりとりをすると、それはヴィンセントのアカウントを乗っ取った別人からのメッセージだった。
その人物の要望もあり、正義は日本滞在もそこそこに、ヴィンセントに会うために香港へと飛んだ。
かつてリチャードを裏切っていたはずなのに、なぜか正義を助けてくれるヴィンセントの真意とは?
そして、リチャードと再会した正義が思うこととは……?

大好評ジュエルミステリー第9弾!

みんなの感想まとめ

様々な国を舞台に展開される物語は、主人公が自らの正義や感情を探求する過程を描いています。特に、リチャードとの関係性が深まる中で、友情や愛情の複雑さが浮き彫りになり、心の成長が感じられます。日本という故...

感想・レビュー・書評

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  • 今回はシャウルさんの宗教のお話が印象的でした。

    あなたの知らない美は、未だこの世界のいたるところに溢れ、あなたに見出されるのを待っている。

    スリランカ、日本、アメリカ、香港と飛び回り、真相に辿り着くために行動する正義。

    リチャードともスリランカで再会。
    そしてオクタヴィアが引きこもりをやめてスリランカに向かっている。果たして和解はできるのでしょうか。

  • 宗教感や、リチャード周りの過去が明らかにされ、リチャードの過去の清算が少しずつされてきている途中。
    正義は、どんどん身軽に世界を飛び回ってるな。
    正義とリチャードの恋愛?友情?どいなりたいのか。

  • これが私の強めの幻覚なのかそうでないのかはっきりしないんだけど、というのは原作読む限り「もしかしてそうなんじゃ?」と思えてならないんだけどそもそも私がそういう目で見ているからそんなふうに考えてしまうんじゃないかというのが前提としてありまして、いやそのつまり、

    リチャードって正義くんのこと好きなんじゃないか?

    と思うのです。
    いやちょっとまって!! 好きなのはわかってる。リチャードにとっての「友人」は、夫婦間パートナー間に生じる気持ちとほぼほぼイコールであることも、だから正義くんのことを「友人」と呼ぶのはそういう、特別な意味での好きであると告白しているも同然(本人に自覚があるかはさておき)だと思うので、だからリチャードが正義くんのことを好きなのはすでにわかってる。

    その、正義くんがリチャードに告白して、リチャードがそれを自分のためを思って言ってくれたことだと理解して断った場面、あれがあの、あれなのよ。

    正義くんの告白を断る理由、突き詰めれば「あなたは私のことを 恋人にしたい という意味で好きなわけではないでしょう」だと思ったんですよ。
    もちろんリチャードも、正義くんが自分を好きなことをわかってる。だから彼が告白してきても「そう来ると思いました」みたいなリアクション。大事に思われていることは分かってる。

    リチャードは一番最初の「友人」であるデボラさんと結婚しようとして、それは彼女の傍に一生いたかったから。で、今は正義くんに対しても同じことを思っているはず。デボラさんとの再婚が現実的ではなくなったのは正義くんの存在が非常に大きいと思う。

    でもリチャードは正義くんに付き合ってくれとは言わないし、結婚も申し込まないし、正義くんから告白されてもどさくさで受け取ったりはしない。

    それはリチャードなりの「中田正義を大事にする」ということなんだと思う。いやもうリチャ氏はいっつもそう。

    正義くんが恋愛感情をもって告白してきたら受けたと思う。でもそうじゃないことは聡いリチャードなので分かってる。自分が一番正義くんの幸せを願っていることも、そのために誰よりも尽くせることもわかってる。だけどその提案が恋愛感情に基づいていないなら、交際という手段はとらない。もし付き合ったあと、正義くんに好きな人ができてしまったら? というのもそうだし、デボラさんの例もある。付き合わなくても傍にいられるのなら、わざわざ交際という形をとらなくてもいい。
    だからたぶん、リチャード自身のことも大事にしている結果なんだと思う。リチャード、自分の再婚の可能性について正義くんが取り乱さなかったら自分が取り乱してたってあれ、ほんと、ウウーッ!!!! ジェフがデボラさんのことを確認したときにちょっと怒ったふうだったのもほんと、ウウーッ!!!!

    正義くんが「リチャードを大事にしたいけど、どうやったら一番大切にできるのか考えてる。考えるのに飽きなかったらどうすればいい?」ってのに「考えるのに飽きなかったら2人で考えましょう」と返したやつ、あれが、あれがな、私にはな、年上が年下の可能性の芽を潰さないように見守るあれにしか見えなくってな、つまりその、リチャードには正義くんと寄り添う準備はもうできているんじゃないかな、あとは全部正義くん次第なんじゃないかなと思えてならなかったのだよ。だって8歳差なんだものな。

    ちょっともう胸がいっぱいだ。正義くん、正義くんだってリチャードのこと好きだと思う。いや好きなのはわかってんだけど!
    彼を邪魔しているのは「俺とリチャードが付き合うことで得するのは俺ばっかりだ」という気持ちだと思う。人工呼吸をし合うような間柄が理想だけど、自分ばっかり寄りかかってるような気持ちでいるんだと思う。
    だからリチャードと自分が付き合うことでリチャード側のメリットが発生するかもと思いついた途端「じゃあ告白するか」の流れになったんじゃないかと思う。でも正義くん、正義くんが思っている以上にリチャードには君が必要だし、でっかい存在だし、もう、ウッウッウッ……

    最初は2人がお互いを大事にしようとして空回りしていた感があったけれど、最近は大事だからこそ手探りでちょうどいい形を見つけようとしているようで、ほんと、いい着地点が見つかるといい。正直とてもものすごく付き合ってくれと何万回思ったか分からないけれど、2人がお互いを思いのまま大事にできる、そんな着地点が見つかるといいと思う。

    次巻が待たれる…! ファンブックもアニメも楽しみ。

  • 今回の物語の舞台は、香港!
    といっても、第二部が開始した頃から、各国各地域を回っているので、香港に止まらないのだが。
    世界を飛び回る、それは甘い憧れだが言葉の壁、文化の壁という中で決して見た目よりも甘くはないことも知る。
    だが、正義がぶつかったのは、日本だ。
    彼の母国。彼が育った国。故郷。
    日本人なら気づいているだろう、自分が生まれ育った国が、和を持って尊しと言いながらその和から外れるものには容赦しない国であることを。
    それでも、そこに自分の根がある。
    どこの国も内実は変わらない。

    そこまで行かなくても、日々の暮らしの中で、私たちはぶつかる。
    その時に、こんな言葉と出会えたら。
    「あなたの胸に輝く宝石の存在は、あなたが知っていればいいと。」(41頁)

    それから、リチャードと正義の間にも友情、愛情、尊敬、思慕、そんな複雑な感情を互いに相手に伝えるようになる。また、正義の淡い恋心の相手、谷本さんに対する思いの清算も。
    男女のエロスだけが愛ではない。
    けれども、アガペーと言われるとそれもまた違うような。
    触れたいと願うのは、体だけではなくて、あなたの心なんだ、そんなこともあるが、それは変なことじゃないでしょう?
    愛はグラデーション。
    美しい宝石の物語は、心という見えない宝物に姿を変え、語り続ける。
    次巻、物語は佳境へ!!

  • 朝登校して借りた本を学校にいる間に読破するという贅沢で罪悪感があることをしてしまった。用事があって途中までだなーと思っていたら、用事の時間を一時間程間違えていた…。恥ずかしい。でもまぁ、その一時間で残りのページを読めたから良かった。

    この本のシリーズを読んでいると、(他の本を出したらちょっとタブーかな?と思っていたけど、我慢できないから出します)「妖怪アパートの幽雅な日常」というシリーズの主人公に似ている主人公だなと思う。特殊な環境で、自分なりの正義や意思があり、世界を見て(まるで日本が不平等条約の改正のために使節団としていった人たちみたいな感じで)日本を世界を見ている視野の広さ、不器用か器用かわからない他人との距離、全てが似ている気がする。こんな人になりたいな〜と密かに思う。

    高校生で学校の中の社会からすれば凄く狭い人間関係にヒイヒイ言っている私なんて、こんな主人公と比較するとなんでもないような贅沢な悩みを持っているなってなる。自分なりの正義や意思があって、それを裏付ける世界を旅してきたりとかそういう特殊というはちょっと言い方が悪いけどそういう経歴を持つ大人に凄く憧れている。私もなりたい!!

    凄く第二部の中のクライマックスに近づいてきている気がする。もしかしたら、もうクライマックスかも知れないけど。
    次の巻をさっそく読もうと思います。

  • リチャードとヴィンスの間に昔何があったのか分かる1冊。
    きっと正義と一緒でヴィンスもリチャードの事が大好きだったのに遺言騒動のせいでヴィンスとの関係にヒビが入ってしまったのは本当に残念。
    正義の保護?を依頼されて来たシャウル師匠とのお茶のシーンは、とてもとても心に響く。美しい物を美しいと思う教…なんて素敵な心構え。
    自分もそういう気持ちは大事にしたい。
    リチャードの登場は少ないなぁと思っていたら最後の最後でぶち込まれる爆弾展開。
    もうリチャードと正義の相思相愛っぷりがスゴすぎる…
    早く次の巻が読みたい!

  • 宝石商シリーズ第9弾。謎多きスパイのヴィンスの過去と珊瑚について。
    オクタヴィアの話は薄め。

    スリランカの暴動にショックを受ける正義。
    治安悪化により、日本へ一時帰国することに。
    海外生活を経て日本に戻ると、そこには何もなかったかのような日常があり、自身の体験を共有できる人が少ないことに気づく正義。
    同級生は企業人として慣れない社会人生活を送り、海外でのびのびしている(ように見える)正義にやっかみの感情を向ける。
    養父が海外生活に理解がある人でよかったね。

    マリアンから情報をもらい、ヴィンスのいる香港へ向かう。
    香港は行った事ないけど、香港は関税がかからないから、宝石が集まる街だとテレビで言ってたな。
    ヴィンスが語るリチャードの人物像が腑に落ちない正義。ヴィンスは、リチャードは正義に会って変わったという。
    ヴィンスは劣等感や家族の問題でリチャードに与えることができなかったが、正義は自然とやってのけた。リチャードになんの含みもなく優しく接する「友達」みたいな感じ。
    正義は自分がリチャードに影響を与えた自覚はまるでないけれど、それこそが才能。運命の出会いというんだろうなぁ。


    裏表紙に「この世界にはさまざまな愛が溢れている。」とあるけど、まさにこの巻は愛の形についてがテーマだったように思う。
    ヴィンスのマリアンへのわかりにくい愛の示し方。
    石は好きだが性愛について食指が動かない谷本さん。
    リチャードを大切だと思う気持ちが、何に該当するか確信が持てない正義。
    元婚約者が離婚したと聞いたリチャードは、未練はあるが、過去の記憶と現在まで手に入れたものを手放す喪失との間で揺れる。
    単純ではない人間の感情と理性の混じった何かが、行動パターンを複雑にしている。

    グローバルな国籍と肩書と経歴の持ち主達が愛の形についてぐちゃぐちゃと悩んだり、覚悟したり、行動してみたりと、いろんな事をしているので、世界どころか家からも出ていないこの狭い環境の中だけど、世界を股にかけたような気になる。

  • ヴィンスくんとシャウルさんのお話がメイン。谷本さんも元気そうでよかった。

  • シリーズの中で1番好きになったかも。
    リチャードの登場は多くはないけれど、その存在をどのページにも感じてしまう書。
    シャウルさんのような人と学生時代に出会えていたら、もっと違った人生になったかもなぁ、と思ってやまない。

  • Audibleで聴了。
    (6年前に6巻まで本で読み、最近7巻からAudibleで聴き始めました。6巻までの内容はうろ覚えで、正義のストーカー事件(?)は全然思い出せません。Audibleのナレーターさんの声が良くて、読むよりAudibleがいいと思うシリーズの1つ。)

    シリーズ9巻。スリランカで戒厳令が出て、正義が一度日本へ。ただし、帰国前にNYに立ち寄り、日本から香港へも行き、割とすぐにスリランカに戻って、短期間に世界一周をしてしまいという展開。

    前巻から引っ掛かっていることだけれど、フランス語はたった2週間である程度まで会話できるような言語ではない、と思う。語学の才能があっても、英語とフランス語は違うし、そもそも英語であのレベルまで到達することすら難しいと思う。東京編の最初を読んで、心の中でつっこんでしまった。いろんな国のことや、宝石のことをリアルに描いているのに、リーチャードの全能感はともかく、正義はもう少し普通っぽいキャラだと思うので、ちょっと残念。

    谷本さんの存在はすっかり忘れていたけど、正義にはリチャード以外にちゃんと好きな人がいて、リチャードへの気持ちは恋心とは違って安心。(BLの創作物は苦手なので)普通の男友達では到底ありえない関係なのだろうけれど、物語の世界で、片方が世界一の美人と称される美貌の持ち主で、年齢や国籍も違うことを踏まえれば、こういう関係もあっていいのかな、と思いました。

    リチャード、ヴィンス、シャウルの過去も語られ、面白かった。

  • こんなに短期間に何ヵ国も渡航して調子が狂わないのだろうか? と心配になってしまった。
    谷本さん、岡山で教師になっていた。いい先生になりそうだな。
    リチャードの水煙草でジュースを飲む発想がすごい。まぁ、発案者はシャウルさんだけど。

  • 日本、香港、スリランカと舞台は移り、色々な人に再会する話。日本の飲み会はストレスフルだし、ヴィンスは何が不満なのかいまいち分からないし、最後のふたりのやりとりは面倒くさすぎて、何を読まされているのだろう?と思ってしまった。完全にキャラクター小説になっているけれど、キャラクターが好きになれない。

    宝石の話が読みたいのに、珊瑚がちょろっと出るくらい。香港の元スパイ達が逃げ延びたという調景嶺の話は面白かった。

    オクタヴィアの目的が気になるのでまだ読むと思うけど、第1章の面白さはどこへ…。

  • ヴィンス、シャウル、それぞれの過去の話が語られる。正義はアメリカ、香港、日本…と飛び回る。今回もめんどくさい2人だなと思った(笑)

  • 前と次の繋ぎのお話のようだね

  • 「一カ国目 日本」
    気まずい空気の中。
    全てを語っていれば違ったかもしれないが、歓迎出来ないのならば会わなくていいだろ。

    「二カ国目 香港+」
    伝えるべきことは。
    過保護な保護者にも思えるが、それだけ想うことの出来る大切な友人になれたのだろう。

    「三カ国目 スリランカ」
    戻るべき場所へと。
    冗談か本気かと問われれば答えはあるだろうが、二人の関係に名称など必要ないかもな。

  • 2023/05/24
    p234からが好きすぎる


    p246
    あなたの周辺にいる人間で、最もあなたのことを真剣に考え、かつ幸福にしたいと願っている人間が、私以外にいるとは思えません。

    好きすぎて二次創作に手が出せないしアニメも見れない。

  • 背ラベル:913.6-ツ-9

  • 前回よりも正義の移動が多い!タフだな
    マリアンさんのおかげでヴィンスさんのことが少しわかったような…やはりとても優しい人なのだろう
    日本での友人達の妬みはしんどいけれど、気持ちをわかってくれる人がいる有り難さよ
    しかし!正義とリチャードは本当に付き合わなくていいの?と思ってしまうくらい精神的な繋がり強くないか…(誤解されても仕方ない)

  • ヴィンスさんの人間像がまだ掴めない。彼の妻の発言は素敵!こんなふうに言えたらいいなと思う。「ヴィンスに、私のことを好きになってほしいとは言いません。大丈夫です。私が二人分好きになるから。(中略)私以上に彼のいいお嫁さんになれる人はこの世界のどこにもいないと思います。(中略)あなたのいるところなら、たとえ地獄の底だったとしても私にとっては天国より素敵な場所なの。絶対に幸せにしてあげるから、」

  • シリーズ9 保管中

    中田正義、スリランカ→アメリカ→日本→香港→日本
    →スリランカの怒涛の旅

    ヴィンスさんや、その妻、モニカにシャウルさんに、
    谷本さんにと、たくさんの人に会って
    それぞれのお話を聞けて楽し、嬉し


    そして最後に、弱ったリチャードともぐもぐ美味しいもの食べて、ハグして…

    満たされる一巻

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著者プロフィール

9月24日生まれ。神奈川県出身。『時泥棒と椿姫の夢』で2014年度ロマン賞を受賞。受賞作を改題・加筆改稿した『螺旋時空のラビリンス』で文庫デビュー。

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