後宮の烏 3 (集英社オレンジ文庫)

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  • 集英社
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本棚登録 : 1497
感想 : 111
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086802673

作品紹介・あらすじ

「梟」が残した羽根に、自らの行く末を重ねる寿雪。
先代の戒めに反し夜明宮は孤独から遠ざかるも、寿雪自身は真に虚しさから逃れることが出来ずにいた。
烏妃の元には、今宵も訪問者が絶えない。泊鶴宮での怪異は、やがて烏漣娘娘への信仰を脅かす『八真教』へと通じて……?
他方、高峻は烏妃を「烏」から解放する一筋の光明を見出し、半信半疑ながらも寿雪と共にあることを決めた。
それぞれの過去が少しずつ明らかになり、真実はなおも遠い――。それでも確かに進んでいく、たとえ禁忌に触れることになろうとも……。

真の‟救い"は光であり、葛藤……。
数多の謎が繋がり、導く……歴史が再び動き出す――
シリーズ累計30万部突破!!
圧倒的中華幻想譚、待望の第三弾。

感想・レビュー・書評

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  • 「後宮の烏」シリーズ、3作目。
    中華風ファンタジー、世界観がさらに広がります。

    後宮の奥深く、漆黒の夜明宮に独り暮らす特殊な妃・烏妃。
    皇帝に侍ることのない烏妃は、呪いから祈祷、失せ物探しまで出来るという評判だった。
    実際には、呪いはやらないのだが。

    先代の烏妃から跡を継いで間もない寿雪は、まだうら若い少女で、神秘的なたたずまいで口数は少ないが、心は優しい。
    無邪気な侍女・九九(ジウジウ)は世話を焼きたくて仕方がない。
    護衛の温螢も、すっかり心酔している。
    高峻の側に仕える衛青は、近づくのが本来禁忌である寿雪を警戒し嫌っていたが、自分との意外なつながりに気づく。
    これにはこちらが驚きました。
    この後宮って…

    部屋の外にたたずむ幽霊。
    何かを持って現れる老僕。
    袖を引く小さな白い手。
    宮中で起きる怪異のひとつひとつを抑えたり解き放ったりする術を持つ烏妃・寿雪でした。
    だが、自らの宿命を変える力は持たない。
    この世界の成り立ちが少しずつ見えてくるにつれ、遠方で起きている新興宗教の動きがどう絡んでくるかも気になります。
    高峻は寿雪を苦しみから救いたいと願うようになるが…?

    繊細な筆致で描かれる大きな構図に導かれて、不思議な世界に入り込めます。

  • 主人公の夜明宮に住む寿雪は、純粋で心根の優しい一人の女の子なのだ。夏の王に対する冬の王という重荷を負いながらも、自分の殻から外へと踏み出そうとしている。それを促すのは、皇帝の高峻であり、周りに仕える者たちであり、皇帝の妃たちであり、夜ごとに願いに訪れる者たちなのだ。今回は、それに加えて賀州の沙那賣一族が関わってきて物語は大きく動き出しそうな気配である。いろいろな変事が起こってはらはらしながらも、読んでいて心が何となく暖かくなる。ひとことで言って寿雪が友を増やしていく物語だからだ。

  • ますます広がりを見せる烏ワールド。神々との繋がりも見えてきて、世界観の深みを感じる。

    "わたしは弱くなったーー"

    烏妃は一人でいるもの。誰の助けもいらない、侍女も宦官も置いてはならないという先代烏妃・麗娘の言いつけに背いていることに罪悪感を覚えながらも、もはや周りの何もかもを捨て去ることはできないと思う寿雪。いつのまにか、夜明宮には、侍女の九九、紅翹、護衛の温螢と淡海、宦官の少年・衣斯哈が集っている。

    "死んだ者の魂は、遠く東の海の果てにあるという幽宮に導かれ、たどり着く。そして魂は長いときを経て、幽宮から流れ出る河へと押し流される。河は夜空にある。海の民にとって、空は上にあるものではなく、海に横たわるものだ。河は、かなたの海から海へと渡された回廊だ。魂はそこを流れる星となってきらめき、その光は地上に降りそそぎ、新たな命になる。それが海の魚か、地上の草木か、人間となるかはわからない。"

    …輪廻を基にしているのだけど、なんとも不思議な死生観だ。
    この巻から新たに加わった地図によると、人の住まう島々の周りを取り囲むように『回廊星河』があり、神々の住まう楽宮と、幽宮があるようだ。河は夜空にあるというから、海を隔てた平面で考えてはいけないのかもしれない。

    烏妃は不思議な術をつかい、幽鬼となり彷徨う魂を救い、魂が迷わず海を渡れるように弔いをする。そんな烏妃を後宮の人たちが敬い慕うのは自然の理。
    夜明宮に頼み事を持ち込む者は後を絶えない。

    雨の日だけ現れるという幽鬼。内廷をよろよろと歩く忠義の老爺。袖を引く白い手。妃の晩霞の一族に代々伝わる宝珠…。
    力が弱くなり危機にあるという烏漣娘娘、反対に力を増している鼇の神。そして晩霞の故郷である賀州で広まっているという八真教と、その教祖である白雷は、これからどのように寿雪と繋がっていくのだろうか。

    そんな世界観の広がりも面白いのだけど、やっぱり登場人物がいいよね!!寿雪のことを疎ましく思っている高峻一筋の忠義の宦官・衛青と、寿雪との意外な繋がりには驚いた。まさかまさか。
    そして、言葉数は少ないけれど、完全に寿雪に心酔している護衛の温螢も気になる!

    終盤、高峻が寿雪に語りかける。

    "「そなたを殺すことなく、烏を解放する手段があるのかもしれない。私は、それを探したいと思う」"

    助けてほしい。その叫びが高峻には届いていた。次巻はさらに動きそうだ。

  • 「梟」が残した羽根に、自らの行く末を重ねる寿雪。
    先代の戒めに反し夜明宮は孤独から遠ざかるも、寿雪自身は真に虚しさから逃れることが出来ずにいた。
    烏妃の元には、今宵も訪問者が絶えない。泊鶴宮での怪異は、やがて烏漣娘娘への信仰を脅かす『八真教』へと通じて……?
    他方、高峻は烏妃を「烏」から解放する一筋の光明を見出し、半信半疑ながらも寿雪と共にあることを決めた。
    それぞれの過去が少しずつ明らかになり、真実はなおも遠い――。それでも確かに進んでいく、たとえ禁忌に触れることになろうとも……。

    真の”救い”は光であり、葛藤……。
    数多の謎が繋がり、導く……歴史が再び動き出す――


    かなり面白くて一気読みしてしまった。
    普段は酔っ払ってる夜はあまり読書をしたくならないのだが、ファンタジーってこともあってか?酔っていても割と読みやすく、読み進めてしまう(笑)
    お陰で、全然頭に入ってない(笑)

    梟に八真教、誰が何して、どうなったんだっけ??
    さっき読んだばかりのところがあやふやに(笑)

    新しい登場人物や、新しい島、そして政治的な話や、寿雪を狙う呪詛など、、、
    今回も様々な内容がてんこ盛り。

    1番意外だったのが、寿雪と衛青の関係。

    まだまだ続きが楽しみ(*^^*)

  • 今までは、烏妃特殊な能力と、それに伴う誰かの依頼が軸。
    今回は、国の歴史や、烏妃の存在といった、政治的だったり、スケールの大きな問題がメイン。

    これからどう話が動いていくのか、大きな変化の予兆を感じさせる巻。

    高峻、烏妃、それぞれに少しずつ味方が集まっている感じ。
    頼もしく感じると同時に、あまりに増えると、一抹の不安も。

    冒頭には、登場人物紹介、霄国地図、宮城内地図、そして世界図。
    視覚的に把握できるようになり、とても読みやすかった。

    特に世界地図は、世界観がよく伝わってくる。
    漠然と中華をイメージしていたけれど、かなりファンタジー色の強い世界。

  • 久しぶりに小説が面白い。
    「八真教」とは何?
    いろんな繋がりがわかってきたけど、まだまだ謎は多い。
    寿雪が幸せになってくれると嬉しいなぁ。

  • 世界観が確立し、1・2巻よりも洗練された文体で、さらに読みやすく。
    明かされた謎、深まる謎たちが、絡まり合いながら次巻へと誘う…

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    夜伽をしない烏妃(うひ)・寿雪のもとには、次第に人が集まりだしていた。

    自分と違う者たちと触れ合うことにより、自分の中にはなかった考えや思いを知る寿雪。

    しかし、それがよい結果をもたらすとは限らない…

    一方、烏漣娘娘の信仰をおびやかす八真教が絡む事件がひとつ、またひとつと起き…

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    中華風ファンタジー&ミステリーシリーズ・第3作。

    1、2巻は中華風の世界観を構築するためか、かなり難解な言葉が随所に見られましたが、今回はそうした難解語はほとんどなく、しかし世界観は既刊からしっかりとつながっていて、とても読みやすかったです。

    登場人物一覧や、地図なども巻頭に収録され、読み進めるのを助けてくれました。
    ただ、登場人物一覧には載っていない人物も数人おり、できれば小さな文字でもよいので、その人物たちも載せてもらえるとより読みやすかったなあと思いました。

    また、これは中華風であるが故しかたがないことかもしれませんが、登場人物が別名で呼ばれると、既出の人物と結びつかないときがありました。
    ただ、主要人物たちはもう頭に入っているので、既刊ほどの混乱はありませんでした。

    各話での事件の謎、3巻全体での謎は解ける展開ではあるものの、その背後にある謎はかえって深まり、ものすごく続きが気になる終わり方でした。
    イラストの香魚子さんによる寿雪がとても美しく、既刊感想でも書いていますが、寿雪以外の登場人物ビジュアルも載せていただければとても嬉しいです。

  • 今回一番の驚きは衛青と寿雪の意外な関係が発覚!?でしたね…まだまだ衛青の胸の内にだけありますが。
    反目し合う2人がまさかの似た者同士…なんか2人共嫉妬が止まらないし
    今回も烏妃様の幽鬼招魂譚でありながらも新キャラやら、暗躍する人たちのストーリーも裏ではちゃんと展開されていて、読み手としてはとても良い。大筋は外れないのに話が進む展開は好きです。
    少し高峻と寿雪の絡みが少なく感じたけど。
    とりあえず一段落してもまだまだサナメの動きも不穏なようです。
    そして烏も寿雪も救う手立てはあるのか。冬の王がいなくなったらどうなるのか?
    先が気になります

  • 前巻の凄惨な戦いからどうなるのかと思ったら、さらに世界が広がった。
    これから長編シリーズとなっていくための布石なんだろうか。
    叶わないとわかっていても焦がれて尽くし側に寄り添う人物がツボなので、忠犬のようになってきた温螢推し。
    新しく登場した淡海とのバランスも良く、いいコンビになっていきそう。

  • 3巻目にして初めて地図がついたので何度も見返しながら読む。夜明宮意外に離れ小島じゃないんだな、とか色々面白い。新護衛の淡海がまた今までとは違う性格で寿雪の周りを彩り日常パートがますますほっこりする。しかし地方有力者の娘鶴妃の侍女に起きた呪詛事件をきっかけに彼女の周りはまたきな臭くなる。謎の新興宗教教祖白雷達はどう関わってくるのか。宗教が崇める神が寿雪に与える影響は?事件をきっかけに仲良くなっな鶴妃晩霞は味方になるのか?前巻の梟もまた意味深な出番あったしあの人とあの人に意外な繫がりが発覚して次にどう展開するのか楽しみ。あとますます食べ物お茶が美味そうで困る。

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著者プロフィール

作家

「2022年 『京都くれなゐ荘奇譚(二) 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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