京都岡崎、月白さんとこ 人嫌いの絵師とふたりぼっちの姉妹 (集英社オレンジ文庫)
- 集英社 (2020年9月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086803434
作品紹介・あらすじ
優しかった父が死んで、身よりを失った女子高生の茜と妹のすみれは、親戚筋の久我家に住まわせてもらうこととなった。
久我家は京都東山の麓、岡崎の広い敷地に「月白邸」と呼ばれる大きな日本家屋を構えており、二人はそこで、家主で若き日本画家の精鋭・青藍と、彼の友人で陽だまりのように明るい絵具商の青年・陽時に出会う。
人間嫌いで変人という噂の青藍は、酒浸りの破綻した生活を送っており、茜たちに対する態度も剣呑としたものだった。
戸惑いつつも茜は、上七軒で父が営んでいた喫茶店で出していた食事を、青藍と陽時に振る舞うようになり・・・。
そして、亡き父の遺した掛け軸を見つめる青藍のまなざしの優しさに気づいた茜は・・・?
月白邸に集う人々の、じんわり優しい心の再生物語。
感想・レビュー・書評
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京都ってことはあまり関係ないけどこういう話が結構好きな私。望月麻衣さんの話もそうだけど、この手の女子高生がイラつくんだけど、放っておけない爺さんです(私のこと)。結構テンポよく進んだね
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心温まるお話でした。
人嫌いだけど、優しい青藍さん!ずっと一緒だといいのに。 -
誰かに傷つけられた者同士が家族のように暮らす話です。
「家族」に救われることもあれば傷つけられることもある。
非常にめんどくさい関係。 -
良かったんだけど、なんか色々早い気がする。
一緒に住んで1ヶ月で、すごい青藍を知ったふうだったり情が湧いたり、なんか、早い。
結婚式に腕時計を外すとかて手土産とか、妹の為にとか茜の優等生ぶりが華につく。
母親代わりだったからしっかりしてるんだろうけど、ちょっと出来過ぎかなぁ。 -
優しくていいお話でした…みんな見えない何かに傷つけられている…
表紙の青藍さん、ちょっとイメージと違うかなぁ -
茜ちゃんもすみれちゃんもぜひとも幸せになってほしい。
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茜の思考が後ろ向きなので、穏やかな生活の中で自己肯定感を強めて言って欲しい。青藍も陽時もとても優しく、決めるところではちゃんと大人として接してくれているので安心する。等身大の人間らしく、皆それぞれに駄目なところもあるけど、家族として過ごしているのが暖かで嬉しい。
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父を失って、幼いすみれを必死に守ろうとする茜。青藍と生活するようになっても、その居心地よさに慣れないようにしているのが悲しい。不器用な茜と青藍の気持ちがすれ違っているのはもどかしいし。それでも少しずつ、家族になっていく3人は、見ていて幸せな気持ちになれた。青藍と陽時が甘い「おじさん達」になって、それを茜が窘めるのも、気を許しているのが伝わってきて、嬉しくなった。