- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086804004
作品紹介・あらすじ
寿雪の銀髪が、衆目にさらされた。その銀髪こそが、前王朝の血を引く証だった。高峻が策をもって隠してきた寿雪の秘密がしられてしまったのだ。
同時に、柳寿雪は化け物を退治した美しき巫婆だという評判も城下に広がり始めていた。だが寿雪本人の魂は何処かへとってしまい、その肉体に宿り動かしているのは“烏"だった。
そして騒動のさなか、衣斯哈の行方も不明となり、白雷と隠娘もともに姿を消していた。寿雪の命を守れるかどうかの瀬戸際に立っている――そう考え冷たい汗をにじませる高峻。
状況は緊迫の度合いを高めていく中、寿雪の魂を呼び戻すためには血縁者の存在が不可欠だという情報がもたらされるが……?
物語は新たな局面へ。圧倒的中華幻想譚、緊迫の第6巻!
感想・レビュー・書評
-
全市の図書館で1冊しかないので、リクエストの順番が回ってくる頃には、前巻のことを忘れてしまっているんだよねえ。烏漣娘娘の半身を探し出して寿雪の体から解放するために結界を解いて、寿雪がその半身を探しに行かなければならない。そのための儀式でいきなり白骨たちが襲ってきて、寿雪の魂は、回廊星河に飛ばされてしまう。しかも、銀髪が露になり、前王朝の血を引くものだということが分かってしまう。とまあ、こう書いても、5巻まで読んでいない人にとっては、何のことやらだね。このシリーズの世界観はなかなか分かりにくい所がある。続けて読まないからそうなるのか。寿雪をいろいろな意味で救い支えるために、いろいろな人物が動くというところがみそなのかなあ。今回も、それぞれの人物の思いが描かれていて読ませる。海底火山が噴火して、鼇の神と烏漣娘娘の戦いが再発するのか。でも、いったい何のために戦うんだっけ?
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
かなり時間を空けてからの6巻。
この前どの場面だったかなぁ?
結構なクライマックスだったような。。。
ゆっくり思い出していくと、5巻の最後の場面が、言葉ではなく頭の中で情景として思い浮かんできた。
この巻ではそれほど大きな事件もなく、淡々と物語が進んでいく。
うーん、最終巻まで一気読みしたい。。。
先が気になる。
寿雪の銀髪が、衆目にさらされた。その銀髪こそが、前王朝の血を引く証だった。高峻が策をもって隠してきた寿雪の秘密がしられてしまったのだ。同時に、柳寿雪は化け物を退治した美しき巫婆だという評判も城下に広がり始めていた。だが寿雪本人の魂は何処かへと去ってしまい、その肉体に宿り動かしているのは“烏”だった…。 -
白銀の髪を大衆に見られ、心も飛ばされてしまった、寿雪。
魂を呼び戻すには、血縁者が必要だが……。
最初は窮地に陥った感だけれど、一般に知られてしまったことで、隠していたことの歪みが正される。
さまざまなことが良い方向へ動き、結果的オーライといった感じ。
孤独でいることをやめ、少しずつ生まれた人とのかかわりが、大きな味方となっていく。
これまでの、人とのつながりが活きてくる展開で、心あたたまる。
神々のいさかいと、世界への影響など、スケールはますます大きく。
寿雪だけでなく、今まで縁の生まれたキャラたちそれぞれが、大きく動き出す。
さらなる展開の始まりといった巻。 -
あのエッグいハリウッド的アポカリプトなラストシーンの5巻の続き。烏に飛ばされた寿雪を戻す経緯と、烏の半身探し。なんとなく、今回はめちゃさくっと読めたというか、内容が薄いというか、面白かったけど、ちょっと事象の説明ばっかりで、心情的な描写がすくなくて軽いというか、、。これから先が楽しみですねぇ。
-
2021年8月集英社オレンジ文庫刊。書き下ろし。シリーズ6作目。前作のラストで寿雪の出自が人々に知れ困ったことになったということが今作で初めて理解できました。しかしその銀髪問題はごまかされたような展開で、いろいろとあったわりには、動きの少ない回です。ラスト付近でようやく烏の半身探しが動き出し、えーっ、もう見つかった?いやいや寿雪が邂逅するまでもう少し時がかかるんじゃないかな。というところで、次巻が待ち遠しいです。
-
寿雪の銀髪を早く映像で見てみたいと思う。
アニメ化決定!ヤッタァ。 -
大きな謎の破片が、少しずつ集まってきた…
物語の「承」部分が高まりつつある第6巻!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
烏妃(うひ)である寿雪は、その身に神である烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)を封じ込めている器でもある。
それ故、寿雪には制約と苦痛が課せられており、また初代烏妃の結界により、宮城から出ることは叶わなかった…
烏漣娘娘の半身を取り戻せば、寿雪の中から烏漣娘娘が消える可能性があると知り、皇帝・高峻らは結界を破る儀式を行い、半身を探すために寿雪を解放しようとする。
しかし、結界が破れた先にあったのは、おぞましい真実だった。
それと同時に、寿雪の秘密であった銀髪も人目にさらされ、さらには寿雪の魂はどこかへと消え去ってしまった…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いままでは不思議な術を使う寿雪が、後宮内の摩訶不思議な困りごとを頼まれて(というか巻き込まれて)解決する連作短編のような装いでしたが、6巻では寿雪自身の魂がとこかへいってしまったこともあり、連作短編の背後にあった大きな謎のほうが、本編全体を通じて進行していく感じに変化しました。
寿雪の魂を戻すくだりは思っていたよりもあっさりしていて、すこし拍子抜けしてしまいましたが、初代烏妃・香薔(こうしょう)の怨念というか、想い人に恋い焦がれすぎるが故、その想いが怨念となった様がおぞましく、ぞっとしました。
そしてそれを「愛」と信じて疑わない香薔の姿に、哀れを感じました。
6巻のなかで、一番衝撃的だったお話は、なんといっても最後に収録された「血の鎖」でしょう。
このお話は、サナメ家(サナメという漢字変換諦めててすいません)の当主とその長男、次男、母の乳母だった老婆が主な登場人物ですが、その話の始まりと終わりの、空気感が180度変わってしまう様が見事であり、衝撃でした。
かなりきつい真実も明らかになり、その衝撃的な展開は、正直、前半の寿雪の魂を取り戻すくだりをふっとばしかねない勢いでした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いままで、静かにいろんな場所に置かれていた、謎を秘めた破片たちが、この6巻では少しずつくっつき合い、形をなそうとしている感じでした。
物語全体に流れている大きな謎自体が、そのパズルを埋めようと動き出した感じがして、どきどきするとともに、これ以上の心締めつけられる真実が明らかになる可能性を考えると、続きは読みたいけれども、その先を知りたい気持ちと知りたくない気持ちが互いに心のなかで足踏みしています。
年約2冊ペース、だいたい8カ月間隔で刊行されているようなので、次回は2022年春頃かな?と勝手におもっています。(やっぱり次巻、読んじゃう感じ) -
完結に向けて、物事がどんどん進み、見えていたものの裏側が明らかになって、次巻でどう完結するのか、楽しみ。