宝石商リチャード氏の謎鑑定 ガラスの仮面舞踏会 (集英社オレンジ文庫)
- 集英社 (2023年10月19日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086805223
作品紹介・あらすじ
正義に連れられてみのる、良太、真鈴の3人は岡山へとやってきた。地元中学で教員をしている、正義の友人・谷本の案内で博物館を訪れるためだった。正義に惹かれている真鈴は、正義と谷本の関係が気になって? 中華街で中国人のクラスメイト、そしてヒロシと名乗る人物と体験した関帝誕。そして実家の裏のお屋敷で、リチャードと正義たちとの仮面舞踏会。母と会えないのは寂しさは募るが、正義とリチャードと過ごすたび、みのるの宝物は増えていく。みのるの世界が広がっていく…! 珠玉の夏の物語。
感想・レビュー・書評
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みのる視点が続いてるので、宝石や振り回される正義が出てこないのが少し寂しい。
次作は正義視点にもどるかな…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
5つの物語とエピローグからなる。
第3シリーズ2冊目、通算13冊目。
今回の主な舞台も横浜。
28歳になった中田正義に加え、中1の男の子二人、女の子一人が加わって、物語は思春期の心をも描いていく。
モデルをしている真鈴はクラスの中では浮いている。
それは仕事が忙しいからで、決して同級生を見下しているわけではないのだが、はっきり物を言う性格が彼女を苦しめているようだ。
一方、みのるはみのるで問題を抱えた母親に育てられたのと、生来の性格もあり、自分に自信がない。
大人からすればもどかしく、また、そんなことで、と思うこともあるが、彼、彼女らは中学1年生。
子供なのだ。
羨ましく、そして物語を安心して読み進められるのは、リチャードや正義をはじめとした信頼できる大人たちがそばにいるから。
子供たちは自分の力で気付いていく。
真鈴には、こうアドバイスする。
「あなたのことを相手が好いていようが、いまいが、そんなことは何も関係がない。
誰にも(中略)あなたに不本意な行動を強いる権利などない。
『嫌だ』と思ったことには毅然としてノーを告げましょう。
それがあなたを守ることに繋がります」(100頁)
みのるは、母が暴れるのが怖くて、自分のやりたいことを我慢していた。
けれど、顧みられなかった方の自分の心をそのまま出せる大人を得たことで、「自分」を取り戻していく。
大人とは、こういう人物でなくてはならないな。
手出ししすぎず、しかし受け入れ、道を共に探っていけるような。
そんな理想の大人であるためには、大人自信が自分に自信を持っていなければならないし、寛容で賢くなくてはならない。
搾取したり、思い通りにしようとしないこと、せめてそれぐらいはできる大人でありたい。 -
このみのる君視点で書かれるリチャードと正義の日常。
あんなドタバタしたり、距離を測りかねてた二人が阿吽の呼吸でバディとして、そしてリチャードの盾となるように正義が頑張ってる姿を見ると感動する。
そしてみのる君は本当にいい子だ…
最後の舞踏会の仮面を被って正義に抱きつくシーンややり取りは泣きそうになってしまった。
お母さんとも会いたいだろうし…でも別に正義が嫌なわけでもないし…
ちょっとシリアスな所も含みつつ、まさかのヒロシ!
そしてあの終わり!
続々リチャードの登場人物が集合してくるから続きが楽しみ。 -
シーグラスの話が今回の短編集の中で一番好き
みのるくんもどんどん大きくなって、正義とリチャードの関係もほんとに気になる笑‼︎
気になるところで終わったので続編は一年も待てないなぁ〜! -
これからは子供中心なんだろうか
いや、今回も面白かったけど -
今回もみのる視点で、短編形式で進んでいきます。中学生三人組から見た正義もリチャードもめちゃくちゃかっこいいな?!そしてかっこつけてもいるな?!笑。
ふたりの関係性を雰囲気でみのるは感じ取ってる気がする。あと知ってる人がちょいちょい出てくるのいいよね。楽しい。 -
終始みのるくん視点での物語
我慢の多いみのるくん、彼にとっての宝石が増えていくのはとてもうれしい
シーグラスのお話のふたり、とても素敵だった!
ヴィンスとオクタヴィアのやりとりも良い
相変わらずリチャードに対する正義の愛がすごい…真鈴の言葉をリチャードはどんな気持ちで聞いていたのか
次はまたトラブルからかな? -
面白いんだけど、中学生目線で描かれているので、何となく児童書を読んでいる気分になった。
宝石の雑学(?)好きだったんだけどなぁ… そのあたりがなくなって残念。 -
今やリチャードの職業が宝石商というだけで、全く別の話になってしまった。色々説明がなくて想像も難しいのですが、横浜の学校では中国人も普通にクラスに混ざってるんでしょうか。全話でもさらりと書かれてて、わからないまま読んでましたが、やっぱりわからない。ググれってことかな。
著者プロフィール
辻村七子の作品





