軽井沢探偵譚 平成元年連続殺人事件 (集英社オレンジ文庫)

  • 集英社 (2024年8月20日発売)
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  • 本 ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086805742

作品紹介・あらすじ

時は1989年。昭和から平成に元号が移り変わったその冬の日、しがないサラリーマンの佐久間隼人に一本の電話がかかってきた。そこで伝えられたのは、金城一也なる大富豪の死と、隼人がその孫にあたり、莫大な遺産の相続権を有するという衝撃の事実で──!?
遺言状の開封に立ち会うべく、金城家の一族が集う軽井沢の豪邸を訪れた隼人は、一也の姪である薫という女性に、どこかで会ったような既視感を覚える。実は薫の正体は、隼人の高校の同級生であり、依頼を受け替え玉として女装した探偵・村井太一だった。
そして開封された遺言状の内容が「姪である薫が一族の中から選んだ結婚相手に、遺産の全額を譲る」というものだったため、一族の男たちは薫を巡って騒乱状態に陥る。
そんな最中、薫(村井)が用意したワインを飲んだ孫の一人が服毒死しているのが見つかる。遺体のそばには「ちはやふる」と書かれた紙が落ちており、薫(村井)と隼人は不可解な殺人事件の調査に乗り出すが、犠牲者は次々と増えていき……?
昭和の気配が色濃く残る軽井沢で起こる、和歌に見立てた連続殺人。美女(女装)探偵×モーレツ商社マンが謎を追うバディミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • 時代は、平成が始まった80年代。
    有名企業に入れたものの、実力無さを感じ悶々と日々を送っていた、新人商社マンの主人公。全く関わりのなかった祖父の死をきっかけに、遺産相続争いに巻き込まれる中で立て続けに起こる殺人事件を、高校の同級生と共に暴いていくミステリー。

    ミステリー小説で気になってたというのもありますが、完全にジャケ買いです。ネオレトロな感じの装丁、舞台が軽井沢に惹かれました。(別荘内での事件なので、軽井沢感はほとんど無し)

    帯には「女装青年探偵とモーレツ商社マン」とありますが、これ女装設定必要なのかな?と思いながら読み進めてましたが、これも犯人の罠の一つであったとは。見破られない女装できるなんて、どんだけ美男子なの笑

    全て解決した後、主人公とその同級生は探偵としてバディを組むという、この後も物語りが続いていきそうな感じでした。
    エピローグで、あ、シャーロックホームズ感あるな。と思って、ホームズといえば、変装の達人…。だから女装という変装の要素はこの物語に必要…?

    めちゃめちゃ酷い事件性、推理者が天才、ドラマチックな展開、とかそういうのはなかったですけど、シャーロックホームズネタ見つけられて勝手に満足(´∀`)

  • 時は1989年。昭和から平成に元号が移り変わったその冬の日、しがないサラリーマンの佐久間隼人に一本の電話がかかってきた。そこで伝えられたのは、金城一也なる大富豪の死と、隼人がその孫にあたり、莫大な遺産の相続権を有するという衝撃の事実で──!?
    遺言状の開封に立ち会うべく、金城家の一族が集う軽井沢の豪邸を訪れた隼人は、一也の姪である薫という女性に、どこかで会ったような既視感を覚える。実は薫の正体は、隼人の高校の同級生であり、依頼を受け替え玉として女装した探偵・村井太一だった。
    そして開封された遺言状の内容が「姪である薫が一族の中から選んだ結婚相手に、遺産の全額を譲る」というものだったため、一族の男たちは薫を巡って騒乱状態に陥る。
    そんな最中、薫(村井)が用意したワインを飲んだ孫の一人が服毒死しているのが見つかる。遺体のそばには「ちはやふる」と書かれた紙が落ちており、薫(村井)と隼人は不可解な殺人事件の調査に乗り出すが、犠牲者は次々と増えていき……?
    昭和の気配が色濃く残る軽井沢で起こる、和歌に見立てた連続殺人。美女(女装)探偵×モーレツ商社マンが謎を追うバディミステリ!


    平成になったばかりの時代の話と聞いて、少しワクワクして読んだ。あの時代ってなんか好き。まだ携帯電話もスマホもWi-FiもSNSもない時代。一体、どうやって過ごしていたのか忘却の彼方にあるあの時代が読めるのかとワクワクした。しかし、あまり平成初期感をかんじることはなく、淡々と事件が進んでいくのは悲しかった。いや、サクサク進んでいいとは思うけど、なんか物足りない!平成初期を感じたのは、最初の本当に最初の平成になるときだけだよ。平成初期はあまり作中からかんじないし、この時代に電話をスピーカーにできたのかな?とかこの時代にペットボトルの水(たぶん500ml)ってあった?とか細かいことを疑問に思ってしまった。


    まぁ、そんなことはどっちでも良く、話の内容としてはサクサク進んでいく。遺言書で、晩年の自身の世話をしてくれた姪と結婚した者に財産を譲るというもの。金田一シリーズじゃんと思い、主人公の隼人くんも薄っすら思い、話は進んでいくと思いきや、いきなりその花婿候補の1人が死んだ。あっけなく死んで、びっくりしてる間に、どんどん死んでいく。え、マジで犯人は誰なの?って思った。そして、トリックは?と気になって夢中になってしまった。


    犯人はまさかな人だったけど、こりゃ仕方ないのかなと思った。殺された孫3人には罪はないが、病死した祖父は殺されて当然な人だったし、正直な話、あのまま犯人を死なせてあげた方が良かったんじゃないかなと思った。これから行われる裁判で、犯人が経験した地獄の日々を晒させることを考えると死なせてあげたほうが良かったのかな…と。


    これから隼人くんがどう人生を歩むのかは分からないけど、村井くんとの経験で人生を豊かにして欲しい。しかし、これから起こるバブル崩壊やリーマンショックを考えると村井くんと一緒に仕事をした方がいいのかも?



    2025.3.16 読了

  • しょっちゅうアイコンタクトしててそんなすんなり意思疎通できる?!と思いつつサクサク読むにはちょうど良かったかと(^^)

    次回作もあれば2人でまた活躍してるところ読みたいです!

  • 読みやすくて面白かった

    軽井沢に旅行に行く予定だったので、読んでみた

    あまり軽井沢らしい情景はなかった…
    ほとんど別荘内のできごと

    この人かな~って思ってた人が犯人だったけど、
    動機は途中まで想像できなかった…
    よくある「そんなやついる?」っておもえる世界に生きてこれて、私は恵まれてるなと改めて思った

    悲しい物語
    けど、村井くんと隼人くんのコラボ、また見たいな

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著者プロフィール

12月20日生まれ、射手座、B型。2002年、『罪なくちづけ』でデビュー。BLや女性向け小説など幅広く執筆し、「たくらみ」シリーズ、『忘れない男』に始まる「警視庁特殊能力係」シリーズなど、人気シリーズを多数持つ。

「2023年 『先輩と僕 総務部社内公安課 FILE 2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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