物理学の世紀 ―アインシュタインの夢は報われるか (集英社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087200058

作品紹介・あらすじ

我々が享受する様々な科学の恩恵は、その根幹をたどればいつも物理学に到達する。二十世紀物理学の驚異的な発展は、人類社会に絶大な影響を与えてきた。アインシュタインの相対論は時間と空間の概念を一変させ、ミクロな世界での現象を追究する量子力学は、物質とエネルギーの理解に新たな地平を拓いた。物理学は、二十世紀にまさに知の王者として君臨し、諸々の分野の進展をも促し続けてきたのである。本書はその物理学の歴史を、次々と浮上し続けた課題の連鎖を通して、第一人者が概観する。そして、依然つきることのない疑問の数々が、科学が未だ終焉しないことを物語ってゆく。

感想・レビュー・書評

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  • 2003.5.15 ~ 18 読了

  • 20世紀は物理学の時代と言われた。とくに、20世紀前半は「物理帝国主義」などと言い、すべての科学は「物理学のものの見方」を見習うようにとまで言われていた。また、アインシュタインの相対性理論やボーア、ハイゼンベルグらの量子力学は思想界全般にも非常に大きな影響を与えている。原爆もコンピュータもここから生まれる。20世紀後半の科学技術の進展は量子力学の発見なしにはあり得なかった。しかし、今は「物理学の時代」は終わったと言われる。21世紀は「生物学の時代」である。とくに脳の研究がさらに進められることであろう。本書では、20世紀物理学の発展から衰退までを、1つはアメリカ物理学会による全く個人的でない文章により、そしてもう1つは著者自身の思い入れも入れて語られている。著者は日本の物理学界(とくに宇宙物理)の中心的存在でもある。ビッグサイエンス(お金のかかる実験などをさす)となってしまった物理学と社会との関係、アメリカでの科学者と科学哲学者の論争(サイエンスウォー)などについての記述も実感がこもっていておもしろい。今世紀物理学全般、また科学者がどのようなものの見方をするのか、などを知るのに役立つだろう。  

  • [ 内容 ]
    我々が享受する様々な科学の恩恵は、その根幹をたどればいつも物理学に到達する。
    二十世紀物理学の驚異的な発展は、人類社会に絶大な影響を与えてきた。
    アインシュタインの相対論は時間と空間の概念を一変させ、ミクロな世界での現象を追究する量子力学は、物質とエネルギーの理解に新たな地平を拓いた。
    物理学は、二十世紀にまさに知の王者として君臨し、諸々の分野の進展をも促し続けてきたのである。
    本書はその物理学の歴史を、次々と浮上し続けた課題の連鎖を通して、第一人者が概観する。
    そして、依然つきることのない疑問の数々が、科学が未だ終焉しないことを物語ってゆく。

    [ 目次 ]
    第1章 物理学の世紀―百年のうねり(第一期―X線から量子力学まで;第二期―原爆からクォークまで;第三期―コンピューターと量子力学)
    第2章 原子の言葉―創造(ケルビンの「二つの暗雲」;思いがけない発見;特殊相対論 ほか)
    第3章 物理帝国―展開(原子と周期律表;物性物理;場の量子論 ほか)
    第4章 物理のデザイン―成熟(アインシュタイン生誕百年;三つのスーパー;理学と工学 ほか)

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著者プロフィール

1938年、山形県生まれ。1960年京都大学理学部卒業。京都大学教授を経て、現在同大学名誉教授。専攻は一般相対論、宇宙物理学。トミマツ・サトウ解の発見など多くの業績をあげた。著書に『アインシュタインの反乱と量子コンピュータ』(京都大学学術出版会)、『孤独になったアインシュタイン』(岩波書店)、『量子力学は世界を記述できるか』(青土社)など。

「2017年 『佐藤文隆先生の量子論 干渉実験・量子もつれ・解釈問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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