- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087200256
作品紹介・あらすじ
チャンバラから北野武まで。映画史は名作だけでは語れない。クロサワやオズだけではなく、ゴジラも、裕ちゃんも、アニメもすべて取り込んだ、一世紀にわたる日本映画の物語。
感想・レビュー・書評
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YIa
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新 書 S||778.21||Yom
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詳しいのは理解できますが、知識はあっても智恵は感じないというところですか。
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映画は非常に面白い芸術作品であり、様々な楽しみ方が出来る。
私にとって、モノクロの日本映画は非常に迫力があり、勉強になる作品です。 -
所在:展示架
資料ID:10400543
請求記号:778.21||Y81||25 -
本書に以下のやうな記術があります。
「日本人による映画撮影は、一八九八年に東京の小西写真館に勤める浅野四郎が、『化け地蔵』と『死人の蘇生』なる短編を撮ったことをもって、嚆矢とする」
といふ訳で、2000年に発行された本書のタイトルは、『日本映画史100年』となつてゐます。
初版からすでに9年が経過してゐますが、日本映画の歴史を概観する意味では、今日読んでも何ら問題はありません。実際今でも入手は極めて容易であります。 「第11章 インディーズの全盛へ 1991~2000」が最終章ですが、読者は自分なりのその後「第12章 2001~」を付け加へても良いでせう。
私もわりかし日本映画は好きな方で(といつても1950-60年代が中心、本と同様に古いものを漁る)、先日も松林宗恵監督の追悼上映と称して、自宅で『連合艦隊』『潜水艦イー57降伏せず』を観ました。潜水艦映画はどうして面白いのでせうね。池部良も良い。松林監督は実際にはサラリーマン映画などの作品数が多いのですが、戦争映画の監督といふ印象がありますね。
ついでにテレビ特撮番組『帰ってきたウルトラマン』第49・50話も観る。これも松林監督。どこかで読んだ話ですが、松林監督の子供が小さい頃、自分を映画監督と認識してくれなかつたのが、ウルトラマンの監督をした途端に、監督として認めてくれたさうです。子供は正直であります。
49話に出てくる村上不二夫の娘役の子が可愛いのですが、彼女はその後活躍したのでせうか。気になるところであります。
さて閑話休題。といつてもこれからも閑話ですが。
全体に私見を抑へた記述ですが、「日活の快進撃」の場面では次のやうに述べてゐます。
「さて、いよいよ日活について語るときが到来した。率直にいってわたしは、この瞬間のために本書のこれまでの部分を執筆してきたような気がしている」
おお。いかに熱く語るかと思つたら、わずか3ページほどでほとんど事実を列挙するだけに留まつてゐました。抑制してゐますね。私も日活映画については語りたいが、またの機会にしませう。
日本映画史を俯瞰してみますと、100年は案外短いものです。しかしその間の変遷ぶりについてはすさまじい。今後はいかなる道程を示すのか。皆で見守らうではありませんか。
ではまた。
http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-45.html -
この本については、2007年3月18日に登場させておきながらついに今まで何も書かずじまいだったことを、ほんの先ほど気がつきました。
もちろん、四方田犬彦教授の愛弟子を自称する私のことですから、すでに本書を空で話せるほど読み込んでいて、教授の海外講演などの留守の際には代わって講義できるくらいにしてあります。
この本は、今まで日本映画を概観する書物すらないという情況に業を煮やして、彼が精魂込めて書きおろしたこの百年間の日本映画の歴史が総網羅されています。
一読すればすぐわかりますが、単なる映画の歴史というだけではなく、ここには優れてこの百年の文化・思想・世相・政治・風俗が十二分に分析されていて、おそらく他の誰も真似のできない独創的な書物になっています。
ところで実は今回、愛読する「web週刊読書人」の7月23日号の編集者コラム「風来」で・・・・・、
「文化資源学会主催の研究会で、大島渚監督『日本映画の百年』を見る
▼リュミエール兄弟が映画を発明して百年の年にあたる1995年、英国映画協会が世界各国の代表的な映画監督に依頼し、それぞれの国の映画の百年の歴史を52分間の映画にまとめる企画をした
▼フランスはジャン=リュック・ゴダール(アンヌ=マリー・ミエヴィルとの共同監督)、日本では大島渚が選ばれ、大島作品はテレビ朝日で、95年に一度だけ放映されている。その後、DVD化されることはなかった(一時期ニコニコ動画にアップされていたが、現在は閲覧不可)。スチール写真だけの紹介が120タイトル、映像作品は26本。「日本の映画の歴史であり、日本の現代史を描きたかった」(大島)という
▼冒頭は、伊藤大輔『忠治旅日記』にはじまる。1927年製作の無声映画。断片フィルムしか残されておらず、90年代初頭までは、「幻の名作」とされてきた
▼他のムービー作品を紹介する。山中貞雄『人情紙風船』山本嘉次郎『ハワイ・マレー沖海戦』稲垣浩『無法松の一生』黒澤明『わが青春に悔なし』小津安二郎『早春』大島渚『儀式』今村昌平『日本昆虫記』寺山修司『書を捨て町へ出よう』小川伸介『日本解放戦線 三里塚』土本典昭『パルチザン前史』深作欣二『仁義なき戦い』山田洋次『男はつらいよ』森田芳光『家族ゲーム』相米慎二『台風クラブ』松岡錠司『きらきらひかる』北野武『ソナチネ』崔洋一『月はどっちに出ている』。最後はマキノ雅弘『地雷也』におわる
▼字数が尽きてしまいました。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ…。」
という文章に出会って、はたと思い当たったのでした。
そうです、なんとその16年前のTV放送を、中学生の私は前編ビデオテープに録画していたのを思い出したのでした。
それがこのところ、3,000本以上になるVHSもほとんど見る機会もないので、時折思い出したようにテープを引きちぎってゴミとして出していましたので、もしかしてと血相を変えたのです。
もうないかもしれないと慌てて探したら、ありました、ちゃんと捨ててはいけない保存用という箱に入れてとってありました。
大急ぎでこの貴重な映像を、すべてDVDとブルーレイにしたのはいうまでもありません。
ここには、四方田犬彦に先んじること5年も前に、映画監督・映画人としてではありますが、大島渚が心と思想を込めて、映画誕生100年を記念して日本映画について熱く語っている声と姿が映っています。 -
ゼミの研究テーマに関する参考文献として読んだ。
映画史の入門書としては非常によく書かれているのではないかと。
いい分量で、いい深さで映画史の事件や流れをまとめていて、すごく読み易かった。
2000年代の映画を研究している私にとっては、それについての言及はほとんど皆無に等しいので、直接的に何かを得れたというよりも、大まかな映画の流れを汲み取った上で現代日本映画を研究する礎を作れたかな?という感じ。
ピンク映画が日本映画史にもたらした恩恵や貢献度の高さに驚いた。
映画好きとして、読んでいてとても楽しい一冊でした。 -
日本映画史の入門書。
筆者は一般読者のために書いた本であると述べているが、一般読者に対してならもっと細かく脚注を付けるべきであると思ったのが率直な感想。
映画史に名を残すような人であっても、映画をあまり知らない人にとっては名前だけ出てきてもさっぱりわからないので。 -
日本映画を大系的に把握するために買った。まさにこういう本が欲しかったから期待通り。
けどまだ読みきっていない。知らない映画のことを書かれてても頭に入って来ないし、やっぱり映画は実際に見てなんぼだと思うので、一通り名作映画を見終わってから読み直すことにしようと思う。
後ろの索引も素晴らしい。