ホンモノの文章力 ―自分を売り込む技術 (集英社新書)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087200560

感想・レビュー・書評

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  • 実践的にわかりやすい文章術。
    小論文・レポート
    自己推薦書・志望理由
    作文・エッセイ
    手紙・メール
    など、それぞれについて実践的なアドバイスを得られる。

  • 樋口先生の「差がつく読書」に感銘を受けて購入しました。悔やんでも悔やんでももう遅い!高校時代に出会いたかった本です。当時の私は受験科目に小論文があるだけで尻込みしていました。読書も現代文も古典も得意なんだから、ちょっとコツを覚えれば私だって、とは考えられなかったようです。

    東進で小論文を指導する樋口先生がおっしゃるには、小論文で点数を取るにもキチンと常套手段があるとのこと。その「型」をまず身につけて受験以外にも乱用しているうちに、ホンモノの文章力が養われていくのだそうです。あまたさぶらふ文章術の本の中でも、最も実践に即した1冊だと思います。

    *小論文・レポート・投書の書き方
    *自己推薦書・志望理由書の書き方
    *作文・エッセイの書き方
    *手紙・eメールの書き方

    小論文恐れるに足りず!頭の良さ、知識の豊富さ、判断力の的確さをアピールし、見せたい自分を自己演出せよ。「文才」や「自分の考え」は小論文には実は必要がなく、「型」をなぞりながら書くことによって「自分の考え」を作り出すレベルで充分通用すると。その型とは全くもってシンプルな四部構成。

    1. 問題提起 ── YES・NO で答えられる問題を提起する
    2. 意見提示 ── YES・NO どちらの立場を取るか示す
    3. 展開 ── YES・NO の根拠を示す
    4. 結論 ── もう一度全体を整理し YES・NO を述べる

    最もページが費やされている小論文の章では、基礎になる「型」を例文や上達のコツを取り上げながら地道に特訓し、エッセイの章では、ちょっと気の利いた比喩表現や小洒落た言い回しを駆使して印象に残る文章を指導しています。樋口先生は「差がつく読書」でも、情報や知識を得るための「実読」と、ただ楽しむためだけの「楽読」両方をこなすことを推奨されていました。例えば彼の日本文学推薦図書を見ても、谷崎潤一郎訳・源氏物語/ 東海道四谷怪談/ 東海道中膝栗毛/ 好色一代男、が並んでいるように、変にコムズカシくプレゼンせず、まずは楽しもうという姿勢に、私は大いに共感しています。

  • 大学入試や就活の小論文攻略法を記した本。文章を書くことで、考える力を養う、というスタンスでありつつも、書きやすくする型を紹介する。「確かに~だ。だが、~。」など。

    小論文と作文の違いは、小論文は意見を伝えるために書き、作文は気持ちを伝えるために書く、という点だと聞いて、感心・納得。小論文、志望理由書、作文、エッセイ、手紙、メールの6つの文章の書き方をそれぞれ教えてくれて、盛りだくさん、面白かった。

  • 小論文・エッセイの書き方が記されてる。

    はじめの一歩から
    しっかり書かれているため、
    何度も読み返したくなる。

    とにかく書く経験を積み、
    「型」にはめていく。

  • 『文章術のベストセラー100冊のポイントを1冊にまとめてみた』で紹介されていた本。
    樋口先生の本と知り、即買い。しばらく積読になっていましたが(すみません!)やはり、読んでよかった。樋口先生の軽妙な文章は、本当にわかりやすい。文章の書き方を専門にされているのだから、当然といえば当然だが、明解な切り口が読んでいても心地よい。特に小論文と作文の違いは、”なるほど~”を連発、腑に落ちた。
    自己推薦書、志望理由書の書き方は、受験生はもちろん、自分をどうやって表現するのか、相手を知った上でどういう戦略をたてればいいのか、社会人になってからも役立つ情報が満載だ。

  • 文章の基本のキから始まっている優しい指南書であると感じた。ぜひとも、中高生諸君には読んでいただきたい。大学の後輩から送られてくる滅茶苦茶な文章には読む気が失せる。


    さて、文章力すなわち会話力であると思った。文章を書くには話題が必要である。また、論理の破綻なく言葉を紡ぐ必要がある。そのためには、言葉の一つ一つに丁寧になる必要がある。接続詞、語彙、知識それらは、会話をするなかでは「相手に自分の脳内イメージを伝える」という点で必要不可欠であろう。


    文章を書くことが、自己を客観視するだけにとどまらず、他者との意見共有でも有用となれば、挑戦するほかないだろう。
    だからこそ、今もこうして文章を書くことに挑戦しているわけである。

  • たとえば歌舞伎のように?



     樋口さんが説くホンモノの文章力は、何となく歌舞伎みたいだなと思いました★

    ①「自己演出術」と同義でした。
    ②「型」を使うことのススメでした。初めはワンパターンでもいいし、引用、ものまねから入ってもいい。とにかく、自分が使う「型」を決めます。そのうち、用いる「型」を増やしていけば、それにしたがって表現の幅が広がっていく、というもの。

     思えば、学校の作文にせよ、会社の報告書にせよ、ウェブサイトやブログなどの個人的な発信にせよ(レビュージャパンでも?)、さまざまな演目で、一定、「こういうのが読みやすいな~」と感じる文章はあるものです。それが、望まれる「型」だということなのでしょうね。

     おおよそ「これくらいが標準だろう」という例を見つけて、あえてその「型」にはまったものを書き、自分の土台にする★ 土台ができた上に、自分なりの数行をのせられれば、自信を持って自己演出できる力がつく!
     ……ということのようでした。

     著者が小論文指導ゼミの先生だからか、練習問題が豊富で、参考書みたいな調子だったなぁ。「これを解くのか~」と思うと、何だか辛いリハビリみたいでした……★ しかし、とにかく実践的なのが本書の特徴。ちゃんとやり遂げると、文章に筋肉がつきそうです☆

     とは言え、一から十まで素直に実践するつもりにはなれなかった天邪鬼な私なのだ。たとえば、就職用の自己PRだけど、この本の模範回答はハッタリが強力すぎて、志望する会社に好印象を与えるとは思えないのです……。
     おとなしく言うことを聞く感じではなく、したたかに利用していきたいです。「本書は、読者に踏みつけにされるための一冊にほかならないのだから」とあとがきにあることだし★

     とまれ、自分なりに、得意の「型」、「必殺フレーズ」「決めセリフ」なんかのある書きかたを手に入れることで、ビシッとした文章になるのだなと解釈しました!

  • ○ある問題ついて論じるという形で、頭の良さ、知識の多さ、判断力の的確さをアピールするのが小論文。
    ○どんな問題が出されても、イエス・ノーを問う問題提起を作って、それについて論じれば小論文やレポートになる。
    ○「パターン」をうまく使って論理的思考をしている。
    ○小論文やレポートは、基本的にはⅠ~Ⅳの四段階からなる。
    Ⅰ 「問題提起」 イエス・ノーの問題提起をする。
    Ⅱ 意見提示 イエス・ノーのどちらの立場を取るかを示す。「確かに・・・、しかし~」というパターンで書くと書きやすい。
    Ⅲ 展開 イエス・ノーの根拠を示す。
    Ⅳ 結論 もう一度全体を整理し、イエスかノーかをはっきり述べる。
    注意点、第一に、Ⅱ意見提示で「確かに」の後に、説得力のありすぎないことを書く必要がある。説得力がありすぎると「しかし」で切り返せなくなってしまう。第二に、「確かに」の後と、「しかし」の後、そして、Ⅲ展開の内容をしっかりと対応させることだ。第三に、Ⅱ意見提示ですべてを書いてしまわないことだ。ここで書きすぎると、そこで終わってしまう。
    ○命令形が「れ」で終わる言葉に対しては「れる」、命令形が「ろ」で終わるものについては、「られる」と考えておく。
    ○まず、ノーの要素をしっかり考える。
    ○転用術とは、他人の考えをストックしておいて、ほかの問題が出されてもそのフレーズを使って考えを深める方法だ。
    ○得意な分野を作り、様々な問題を得意分野に持ち込んで料理する。
    ○新書などの手軽に読める本を読む。
    ○人づきあいが良い、というのは、大事な要素だ。とりわけ、チームで活動するような部門では、気を付けておく必要がある。
    ○作文の型
    Ⅰ予告 これから書こうとする出来事の「きっかけ」や、その出来事の「予告」を果たす。
    Ⅱエピソード 出来事を具体的に語る。全体の三分の一くらいで十分。
    Ⅲテーマ Ⅱで書いた内容から得た印象や考えなどを、できるだけ深く鋭く書く。
    Ⅳまとめ 全体のまとめ。多少の余韻のある締めの言葉が欲しい。
    ○書き手のわくわくするような気持ちや高ぶりを表現したいときには、短い文を畳みかけるように書く。現在形を使うと、臨場感が出る。
    ○美術展で好きな画家の展示が行われたときに、お気に入りの画の葉書を買いためておいて、それを出すと、もらう方もうれしいものだ。
    ○4行で葉書を書く場合の型
    Ⅰ挨拶を書く Ⅱ用件を伝える Ⅲ心のこもった言葉を添える Ⅳ終わりの挨拶を書く
    ○2行で書く場合 一行目に用件をズバリと書く。二行目に心のこもった一行を付け足す。
    ○メールでは具体的に「件名」を必ず書く。メールの書き方として左詰めが根付いてきている。
    ○ビジネスメールの場合は、文体を整えたり、つなぎの言葉を入れたりする必要はない。

  • 10.2.17
    丸善の対談で本人が自分が書いたなかでベストの本であるとおっしゃっていた。

    船橋競馬場前 105円で購入

  • 書き方の型もさることながら、最後の疑似体験と閉塞感の部分に胸が討たれた。文章を通して自己実現と安定が世に溢れることを切に願う。

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著者プロフィール

樋口 裕一(ヒグチ ユウイチ)
作家、小論文専門塾「白藍塾」塾長、多摩大学名誉教授
作家、小論文専門塾「白藍塾」主宰、多摩大学名誉教授
1951年大分県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。多摩大学名誉教授。小学生から社会人までを対象にした通信添削による作文・小論文の専門塾「白藍塾」塾長。
著書に250万部のベストセラーになった『頭がいい人、悪い人の話し方』(PHP新書)のほか、『小論文これだけ!』(東洋経済新報社)、『読むだけ小論文』(学研)、『ぶっつけ小論文』(文英堂)、『ホンモノの文章力』(集英社新書)、『人の心を動かす文章術』(草思社)、『音楽で人は輝く』(集英社新書)、『65歳 何もしない勇気』(幻冬舎)など多数。

「2022年 『小論文これだけ! 人文・文化・思想・芸術・歴史 深掘り編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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