「わからない」という方法 (集英社新書)

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  • 集英社
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レビュー : 82
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087200850

感想・レビュー・書評

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  • わからないことは恥知らずである。
    日本人は元来、恥の文化があり、分からないということは恥であるとされてきた。であるので分からないことを分からないままでいることが多い。日本人は分からないけどやるという文脈である。しかし、変人、外人は分からないからやるである。
    分からないことを分かるには地を這う方法と天から行く方法がある。
    例えば編み物の場合、一目見ても分からないものはだめ。女ではないという偏見が出来ている。そこで筆者が一つ一つ写真などを用いて説明する編み物本がとてもウケる。

  • フォトリーディング後、高速を交えて熟読。
    「桃尻娘」と言う小説を書いた作家の、自分の幅を広げる方法についての書。「わからない」と言う事を原動力に進む事を示している。

    著者を知っている人はもっと楽しめたのだろう。なるほどと納得する部分も多くあったが、著者を知らないので「セーターの本」について半分くらいを割いて説明されてもちょっと戸惑ってしまう。

    その他には「エコールドパリ」のなんたるかを知らずにそれをドラマ化するに至った話や、「枕草子」を桃尻語訳(現代少女訳)した話。

    それぞれの中に著者の世界観があって面白かった。ただ、著者を知っている人向けなのでは?と思わされた。

    星は三つ。

  • さっぱりわからない。

    この本は「わからない」ことを肯定的に捉えて、行動を起こす原動力にすることについて述べた本である。
    それは良くわかる。
    理系(に限らないのだろうが)の美談には、必ずその手のエピソードが含まれる。
    時には偉大な発明・発見に繋がることもある。

    だが、この本に登場する「わからない」エピソードは、筆者の「男性向けセーターの本を書いたこと」「エコールドパリをドラマ化したこと」「枕草子を翻訳したこと」が、なぜそのエピソードに繋がるのかがどうもわからない。しかも本の6〜7割はセータ本の話である。はっきり言って筆者のエッセイである。

    ただ、それらエピソードを通じて、「わからない」を利用して、一見まとまらなさそうな話をまとめる方法を述べている。
    筆者によれば、企画がまとまらないのは、「全体像が見えないから」である。
    情報が少なかったり、自分が知らない分野では、企画を組み立てる材料がない。だから全体像が見えてこない。
    そのため、企画をまとめるにあたり「わかる」状態にしなくてはいけない。
    だが、情報が無い、材料が無い状態を「わからない」状態と定義づけてやれば、ひとまとまりになる。全体像が見えてくる。
    「わからない」を「わかる」ためのスタート地点にすれば、地図を描けるのである。

    「わからない」ことは恥ではない、むしろ情報を簡単に手に入れられるこの時代、積極的に「わからない」を活用しよう、な姿勢の1冊。

  • 【動機】新古書店で見かけて買い、『「読み」の整理学』や『 人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか』から連想して読んだ。
    【内容】わからないということにどう向き合って仕事にしてきたか、ねっとりじっとり書かれている。
    【感想】「わかる」と「できる」と「する」をつなぐ言葉に悩む自分への応援に感じた。脳を中間管理職に喩える発想に驚いた(p.107)。

  • 生徒が、初めにマスターするのは、教師という「他人のやり方」なのである。それが「基本のマスター」であって、学ぶ側の人間は「他人のやり方」を、自分の特性に見合ったものとして変えて行かなければならない。「自分とは違う他人のやり方から自分に見合った個性的なものへの転換」なのである。「学ぶ」とは、教える側の持つ「生き方」の強制なのである。「その生き方がいやだ」と思わせてしまったら、その教育は崩壊する。ただそれだけのことである。学ぶ側は、手っ取り早くノウハウだけを学びたい。

  • 当たり前だけど、ただ分からないといえばいい、という主張でなく、分かると勘違いもしくは分かったふりなどはせずに、分からない部分を確実に自覚しながら、それを分かるための手段を考える内容。丸暗記は確かに非常に非生産的な行為で、その都度自分の血肉にする=身体が覚える、ってのがあるべき姿だと思う。それをしてこなかった後悔ってのもかなりあるし。作者はそれを実践してきたからこそ、体が頭がいい、って言えるのですね。

  • 【概要】
    「わからないからやらない」は「わからない=恥」という認識や,一度「わかった」ゴールに辿り着いた経験から面倒臭さを感じているから.

    しかし,「わからない」時,人はそれまでの肩書き・虚栄心を捨て,何事かに立ち向かわなければならない.「わからない」を方法にするとは,何も有効な方法がなく「仕方なし」の状態であって,つまり,「覚悟する」ということである.

    「わからない→わかる」というプロセスは「わからない」を掘り起こし,「できない自分」を探し,「至るべきゴール」を明確かつ具体的に把握すること.決して「わかる・できる」を拾い集めることではない.

    しかし,脳は「知っているができない」レベルまで来ると「わからない・できない自分」を排除しようとする.

    「わかる・できる自分」は身体が「自分のやるべきことはいかなることか」を理解することである.脳は身体を「無能」呼ばわりするが,それは「わかる・できる自分」になるには時間がかかるためであるので,脳がするべきことは「自分の無能を認めて許す」ことである.

    【感想】
    本書はわからない問題をどのように分割し,解決していくか,といったハウツー本ではなかったという意味で期待はずれだった.

    ただ,「わからない」に対する私の今までの姿勢が間違っていたとわかり,
    「わからない→わかる」のプロセスは「自分がどうわからないのか?」頭に問うことで方向性を定め,「行動できるかどうか(目標設定やアウトプット)」まで落としこむことだと解釈した.

    私のせいで,とても当たり前の主張に落ちてしまったが,「脳に頼らず身体の知性に頼る」考え方や,「わからない」という覚悟や挫折は自分で切り開くしか無いという現実を受け入れることは筆者のおかげて楽観主義に受け入れられ,新鮮だった.
    しかし,筆者も認めた「くどさ」のため,とても読みづらく,大変だった.

  • エッセイ

  • 「多才」なひとはその才能数だけ挫折を知っているという。

    そう、たくさんのことにチャレンジするのは、移り気なのではなく自分自身を手さぐりで探求し続けているから。いい評価をもらおうがけなされようが本人の意志にはあまり関係ない。

    しかしまぁー新書は読みにくい。ホットであることやサプライズであることが売りだから(と私は思っている)、文章は洗練されていなくて読みにくいことばかりだし内容もザラザラしてる。ひとつ言いたいことが見いだせただけでもめっけもんかも。

    それに著者の、自己・他己評価がしつこ過ぎて目ざわりなレベル。たとえ話はとてもわかりにくい。140字にまとめる習慣のついてる現代人には、好まれるタイプの読み物ではないだろう。

    タイトルにのような「方法」が見つかるわけではない。この著者が「わからない」を口癖としていることだけはわかったが…

  • タイトルに惹かれて購入.

    教育に携わりたい身としては「わかる」や「わからない」といった言葉に対して鋭敏でありたいと思うし,こういう本は読んで損はないなと感じた.別に教育云々が書いてあるわけではないが.

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著者プロフィール

橋本治
1948年3月25日 - 2019年1月29日
東京生まれの作家。東京大学文学部国文学科卒業。イラストレーターを経て、1977年に小説『桃尻娘』を発表、以後文筆業を中心とする。同作は第29回小説現代新人賞佳作となり、映画・ドラマ化もされた。1996年『宗教なんかこわくない!』にて第9回新潮学芸賞、2002年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』にて第1回小林秀雄賞、2005年『蝶のゆくえ』にて第18回柴田錬三郎賞、2008年『双調 平家物語』にて第62回毎日出版文化賞、2018年『草薙の剣』で第71回野間文芸賞をそれぞれ受賞。
編み物にも通じており、1989年『男の編み物(ニット)、橋本治の手トリ足トリ』を刊行。自身の編んだセーターを着てCMに出演したこともあり、オールラウンドに活躍を続けた。

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