「わからない」という方法 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 734
レビュー : 82
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087200850

作品紹介・あらすじ

「わからない」ことが「恥」だった二十世紀は過ぎ去った!小説から編み物の本、古典の現代語訳から劇作・演出まで、ありとあらゆるジャンルで活躍する著者が、「なぜあなたはそんなにもいろんなことに手をだすのか?」という問いに対し、ついに答えた、「だってわからないから」。-かくして思考のダイナモは超高速で回転を始める。「自分は、どう、わからないか」「わかる、とは、どういうことなのか」…。そしてここに、「わからない」をあえて方法にする、目のくらむような知的冒険クルーズの本が成立したのである。

感想・レビュー・書評

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  • これおもしろかったなー。知性する身体。思えば、簡単なノウハウにしがみついて、なんでもググってわかった気になれる現代において、1つのことをひたすらやることで、身体的に「わかった!」となることが少なくなっている気もする。
    ひたすら繰り返すこと。経験と身体と友人ね。時間をかけるということにもっと積極的な意義を与えるべきなのだろう。わからないままに。それは頭で思考するというより、身体でこうかな?こうかな?って思考することに似ている。
    身体は時間がかかる。物事のパターンを手に入れる場合にも、物事を記憶するにも。でも手に入れた自分なりの方法は一生物だろうな。それが下地なのだろう。

    同じことを何度も何度も繰り返すが必要だな。

  • 哲学めいた内容。前半は手編みのセーターの編み方の本をだしたことを引き合いに出している。後半は少し難しくなっている。

  • おもしろかった。わからないからやる。普通、わからないからやりたくないと尻込みしてしまうが、だからこそやってみるというのはすごいなぁと感心した。自分にはそんな下地はないが、わからないけどやる、から、わからないからやるという意識に転換できればいいなぁと思い。やるしかないのだから

  • わからない人が抱える「何がわからないかがわからない」という点をうまく使って、何もかもをスポンジのように吸収してしまう方法論。
    気づきを得るためには、常にアンテナをピンと張る必要がある。加えて、これまでの蓄積とリンクさせれば、飛躍させることができる。
    知性する身体という擬タイトルに痺れた。

  • 本を読むというのは著者との対話に近いが、橋本治のように網目のつくりかたを図解するように”くどく”考えながら書き進める文章を読むのはより対話をしている気にさせる。

    だから、著者が旅立ってしまってから読みかえすというのは何とも言えない感慨がある。

    「なんでも簡単に”そうか、わかった”と言えるような便利な”正解”はもうない」というのが本書で何度も主張されることである。

    だから、これはこうなんだとこの手の読書ログにありがちなサマリー的なものは「なんだ君はなーんにもよんでないじゃないか」と言われてしまうだろう。

    もしかして『知性の身体』と題されるかもしれなかった本書を「こういう本です」と書き記すのはとても難しい。

    ただ本書を読んだという経験が身体に染みわたっていつか花を咲かせることもあるだろうと思うし、久しぶりに読み返して見てつぼみくらいは芽生えたこともあったなと思い返したりした。

  • 【由来】
    ・calilcで「日本という方法」を検索したら関連本として出てきた。タイトルが「無知の技法」と似ていたので興味を持った。

    【期待したもの】
    ・「無知の技法」で唖然としたようなことが、すでにここに要約されていたら痛快だな、って程度なのでさらっと読めば事足りる。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • 「わからない」という方法 (集英社新書)

  • 語り口がまどろっこしい。くどい。この語り口がこの本の魅力なんだろうと思う。そこを楽しめるかどうかで好き嫌いが分かれそう。「くどい」っていうのは著者自身も言っているけど、くどいと思ってしまう私は「そんなことわかってるよ」と思っているわけで、自分がわかっていることを前提にしている可能性が高い。私はこの本を簡単にわかろうとしているのかもしれない。20世紀的に答えがあると思って読んでいる可能性がある。

    前半は抽象的な話が多くて流し読み。後半の古文漢文絡みの話は興味持てなかったのでほとんど流し見。ちゃんと読んだのかよ?って話になるけど、正直ちゃんと読んでない。だけど編み物の本を書いた話はおもしろかった。まさか「生き方の強制」とか「活字離れ」に繋げてくるとは思わなかった。「教える」ということの中には、単なるノウハウだけでなく生き方の強制を含んでいる、という話は納得。「教える」、「習得する」という概念の理解が耕された気がする。

    「わからないという方法」は、根本敬が言うところの「でもやるんだよ!」にかなり近いのではないか。著者は「わからないからやる」のはバカのやることだと書いているけど、同様に「無意味・無駄・無理だけどやる」のもバカのやることだと思う。そこには社会とか世間の視点はない。だけどやらざるを得ない。なぜなら、その人にとってそれが生きるということだから。

  •  すぐ「わからん」という奴はただの卑怯者だとずーっと思い続けてきたが、本書を読み、改めようと・・・。氏独特の思想と思考が非常に身に染みた。氏のレベルを大きく下げると自分の発想に近い気がした。よってそこは都合良く解釈し、今の傾向をブラッシュアップしたい。ただし、深さが全然足りないので、時間をかける。これがつらい。すぐ次に行ったり、結論を求めてしまう。そうではないということを本書は指示している、と捉えた。何度も読み、深めよう。

  •  内田樹の「私の身体は頭がいい」つながりで読んでみた。本人が言うように確かに話がくどいが、結論はオイラの期待を裏切らないものだったのでホッとした。でも、まさか最後のページでまとめてくるとは思わなかった。下手したら結論はあとがきになるところだったのではないだろうか。身体と経験と友人。なるほどである。
     脳味噌を過大評価しちゃいけないね。情報収集は全部身体がしてるんだし、現場のことは身体がいちばんよくわかっているというのは面白い。職場を例えにしたところも納得だ。
     桃尻娘シリーズをきっかけにファンになったけど、もう30年くらい前のことだ。テレビドラマにもなっていたけど、もう一度観たいなぁ。ビデオに残して残しておかなかったのがとても残念。相築あきこが可愛かったんだよなぁ。

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著者プロフィール

橋本治
1948年3月25日 - 2019年1月29日
東京生まれの作家。東京大学文学部国文学科卒業。イラストレーターを経て、1977年に小説『桃尻娘』を発表、以後文筆業を中心とする。同作は第29回小説現代新人賞佳作となり、映画・ドラマ化もされた。1996年『宗教なんかこわくない!』にて第9回新潮学芸賞、2002年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』にて第1回小林秀雄賞、2005年『蝶のゆくえ』にて第18回柴田錬三郎賞、2008年『双調 平家物語』にて第62回毎日出版文化賞、2018年『草薙の剣』で第71回野間文芸賞をそれぞれ受賞。
編み物にも通じており、1989年『男の編み物(ニット)、橋本治の手トリ足トリ』を刊行。自身の編んだセーターを着てCMに出演したこともあり、オールラウンドに活躍を続けた。

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