―森助教授VS理系大学生 臨機応答・変問自在 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 140
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087200881

作品紹介・あらすじ

ミステリィ作家であり、某国立大学工学部助教授である著者は、学生に質問をされることで出席をとり、その質問に自身が答えたプリントを配布するという授業を、何年間も続けている。理解度を評価するとともに、自主性や創造性などを高めるためである。授業内容に関連するもの以外に、たわいないものから、科学、雑学、人生相談など、学生の質問内容はヴァラエティ豊かだ。本書は、数万にのぼるそのQ&Aから、ユニークなもの・印象深いものを独断的に選び、その面白さの一端を紹介していく。

感想・レビュー・書評

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  • 大学生からの講義での質問に答えるだけの本。
    本作の続編は既読。
    まえがきが結構なボリュームがあって、内容も濃い。
    "小学校から高校までに学ぶことは勉強の仕方である"という内容は、自分がなんとなく思っていたことを的確に表現していて驚く。
    自分自身、大人になってからの方が、子供の頃より勉強していると思う。
    Q&Aは、ごく稀に面白いやりとりがあって和む。

  • 以前読んだときは、質問に対する回答の微妙なはぐらかしのような感じが面白く思ったのだが、再読してみると、はぐらかしているのではなく、質問者のその質問が何を問おうとしているのか、むしろ何を問うべきなのか、著者が「問い」を整えているような印象だった。「解答を得る」ことよりも大事なのは「問う」ことである、という著者の考えがよくわかる。まあそんなことより、著者が質問者の質問を理路整然と駆逐していくさまが心地よいのだった。

  • 本棚の隅で眠ってました。何故読んでいなかったのかな~?思い出せない。森助教授なら「何故思い出す必要があるのですか」と答える。

  •  森さんが助教授だった頃、学生を彼らからの質問で評価していたらしい、とても難しそうだし、大変そうだ。そのような配慮にどれぐらい手間がかかり、どれぐらい効果が得らたのか、そっちの方も気になる。

     確かに「試験で学生を評価する」という当たり前の方法は「学んだことを憶えているか否か」ということは確認できても、学生たちが社会に出てから出会う「自ら課題を発見する能力」を問うことはできないかもしれない。森博嗣さんはあえて面倒な方法をとることによって、学生たちに「本当に求められる能力とは」という問いを投げかけたのかもしれない。

     世の中の仕事も、生活して行くことも、人生とは、無数の選択肢から、自分がやりたいこと、やらなければならないこと、できることを選択し、それを実行していくという積み重ねだと思う。森博嗣さんは、生き抜くための力を持っているか否かを評価するべきだ。と思っていたのかもしれない。

     この本は、その質問と森さんの回答をまとめたもの。この評価方法に対する不満が噴出しているかのような質問や、大学生ってこんなに幼稚なの?と思ってしまうような質問が少なくない中で、森博嗣さんが「いい質問」と評するものも紛れていて面白い。特に最終章の「森自身に対する質問」の冒頭「教師が学生に関心を持たれることは重要かもしれない…教師は自分を演出しなければならない…」という記述があり、他人の評価を気にしていないはずの森さんのもう一つの側面が現れていて興味深い。

  • 学生からの質問に回答。ユニークでユーモア。自由というのか。
    「人は、どう答えるかではなく、何を問うかで評価される。(p15)」といっていたが、答えるほうもなかなかだと思わせる回答をなさっている。
    蔵書、電子書籍

  • 1番印象にの残った回答

    「何かに悩んでいる人は、解決策を知らないのではなく、最良の解決策を面倒でしたくないだけだ。」

    質問は、知人が繰り返しの日々に自己の存在について悩んでいるという旨

  • 「お金を出してこの本は買うだけの価値があるのか?」
    「それは君がどれくらい価値のある人間かによる。ちなみに、森だったら買わない」

    こんな感じで、学生たちのしょーもなくて、単位欲しさで捻り出したのだろうなと
    分かる質問と、それに限られたプリント内のスペースで森氏が答えた記録が本になった一冊。
    別に上記のような質問は本の中にありません。

    ファンブックとレビューした方もおられるが、まさにそのとおり。
    森氏の本を読んできている者ならニヤリとさせられる部分はある。
    S&Mシリーズに出てくるネタは、森氏の考えそのものなのだな、とか。
    そのあたりに興味のない、初めて森博嗣を読む方には絶対に勧めてはいけない。
    突っ慳貪な某大学の助教授の応えに、ムッとするだけで終わってしまうから。

  • 学生の質問に森博嗣さんが答えた一問一答が並んでいる本です。大学で成績をつけるために取り入れているのだそう。答え方にウィットがあると良いとはいっても、実際にウィットを入れられることは凄いことだと思います。
    「人生相談?」と「森自身に対する質問」の章のお答えが鮮やかだったのでいくつかメモしました。参考にします。

  • 671

  • 質問する力
    表現する力
    インプットの方が楽しいけど
    アウトプットすることが試される
    自分で考える
    今目の前にあることに
    何が欠けていて
    その欠けたものを補うために何を問うのか
    問題を感じ
    問題を問題だと認識する力
    問題さえ提示できれば
    解いてくれる方法も
    解いてくれる人もいる
    では、
    何を問うか?
    それをずっと続けていく
    なんでもないトレーニングを
    繰り返すことから慣れていく

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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