天才アラーキー 写真ノ方法 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087200904

作品紹介・あらすじ

天才写真家に、写真の撮り方、見方を教わってみよう!身近な人や町、仏像からヌード、愛するものをどう撮るか、発表するか。アラーキーがその写真術のすべてを明かす。カメラやフィルムの選び方、そして「写真とは生きること」「写真術とは人間関係のテクニック」などの写真哲学が、アラーキー自身によって、最新作の撮影現場から、そして秘蔵の未公開写真ファイルをひもときながら熱く語られる。60歳を越えてますます爆走するアーチストの、創作の内側を覗くことができる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • この本を手にした当時は、両親の影響で私は一眼レフに夢中で、アラーキーのファンでもあった。(今もアラーキー好きです)
    アラーキー語録満載で、人柄も分かる楽しい1冊。
    アラーキーなりの被写体への接し方や、シャッターを切る上での心意気が収められている。

    「人間は過去を背負って生きてんの。写真は過去を引きずって現在を撮るんだから。過去を引きずってない写真はダメなの。」
    「被写体っつうのは、最初からすでに物語をもってるんだ。」

    ↑↑↑に少しでも心惹かれたら是非。
    いつまでも無邪気で純粋な荒木経惟を味わえる。

  • p.2023/12/4

  • 「人に好かれるっていうのは写真家になるための最大の要素かもしれない」

    アラーキーの軽妙な話からは、ハッとさせられる言葉がたくさんある。

  • 天才アラーキー 写真ノ方法
    (和書)2009年08月08日 20:59
    2001 集英社 荒木 経惟


    カメラ小僧との違いが判った。なかなか面白い内容だった。写真って撮るのは簡単だけど究めるにはいろいろあるんだなって思った。

  • カメラの「機能」や「性能」について、やたらに詳しい人が多い。

    そったらこと言ってるヒマがあったらもっと撮れや! と突っ込みたくなるが、そう言っているオレ自体、つまらんウンチク系なんだけどさぁ…。

    そういう意味で、この本、たいへん勉強になる。
    (要するに「写真の勉強」なんかするな、と言っているのだが)

    前に読んだ「写真ノ時間」より半年ほど前に出た本で、基本的な哲学は(もちろん)重なるが、もうちょっとだけ真面目でまとまりがよい。

    ある意味、「写真」のバイブルだな。

  • うーん、話し起こしを本にしている感じで感覚的な表現が続くため、頭に残りにくい。良い話をしてる気がするんだけど、もう少し掘り下げてほしかったなぁというのが正直なところ。

  • 無理やり、アラーキーさんの天才的な感覚を自分の「企画」という仕事に結びつけて考えてみる。

    プロの仕事の身体感覚は、他の分野に応用できることが多い。天才アラーキーの暗黙知から学んだこと↓

    ▼フレームワークにも言えること
    "フレーミングなんかよりむしろ、コトとか現象を優先しなくちゃダメ"

    ▼企画をするときの人間感覚
    "ノスタルジーとかセンチメンタルとか言うけど、それがなかったら人間じゃないから"

    ▼制約があるからこそ良い企画が生まれる
    "不自由、不便とか、そういう状況のほうがかえっていいんですよ。制約の中でやることの面白さ、制約の中の自由、そういうようなことも楽しめるんじゃないかって。"

    ▼自分が浸透していく
    "撮影している最中はカメラがどうのこうのっていう意識がなくなっているのよ。自分がもうカメラに入ってっから。自分の身体の中にカメラが入っているのか、自分がカメラなのか"


    ▼企画に酔ってはいけない
    "酔ってちゃダメですよ。でもね、酔いだからね、集中っつうのは。集中っつうのは陶酔なんだよ。そんで、陶酔する自分も見ている自分がいないとダメですよ、写真はさあ。"

  • 「GANJIN」観て見たい。
    クルマド・ギンザ、撮ってみたい。何でも真似ね。

  • 写真は全くわからないので、写真家さんが何を考え、どうやって撮っているのか…天才アラーキーの頭の中はどうなっているのか…気になって読みました。写真における影=未練、だから情感を切るためにストロボをバシッとやる…とか、完成させてしまうのが嫌だからわざとフレームから外す…とかとか、(もう巨匠ともなるといち考えないのでしょうけど、)そうやって理由あっての画づくりをしていらっしゃるのだなあと感動。天才カメラマンの頭の中を、少し覗けた気がしました。

  • 唯一自分の中で人並みに自分を表現できそうなもの、
    それが「写真」ではないかと思っている。
    しかし、その写真でさえ、まだまだデジイチをデフォルト設定で
    使っているようなペーペーである。

    この本の著者・荒木経惟のように奇抜ではないが、
    一流カメラマンと呼ばれる人は、何を信条としてカメラを構えているか、汲み取りたいと思ったわけである。

    結論からいうと場数を踏むしかないかな。
    あとは自分の好きなもの、
    欲望の先に被写体を設定してつきつめていいんだと理解する。

    自分の好きな映画や音楽、匂い、風土が写真が伝わってくるような写真が撮りたい。
    人が見て、自分が撮ったとわかるような写真が。

    【ココメモポイント】
    ・方法論っていうのはね、現場に行ってからでてくるの。
     思いつきっつうか、そういうをどんどんやっていくほうがいいんだ
     P.16

    ・画面のシャッターチャンスじゃなくてさぁ、どんなことにもシャッターチャンスというものがあって、それが大切だってこと。
     P.22

    ・時間が消えていっちゃうものなのよ。はかないっていうか、すぐ消えてく。(略)
     そこがいちばん官能的だし、もう感じるんだ。
     生と死を同時に感じる時間。
     P.30

    ・他力本願っていうのは、他人と組んでやるっていうことですよ。
     ひとりでやるとダメだね、そんなの面白くないよ。
     P.118

    ・人に好かれる、親近感を持たれるっていうのは、
    実は写真家になるための最大の要素かもしれないなー。
     P.132

    ・被写体が女性だったら、たった1枚の写真で彼女の人生を狂わせたいのよ、あたしは。
     P.211

    ・撮るときのエネルギーと撮ったのを見せるときのエネルギーとは同じ
     P.255

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著者プロフィール

写真家。1940年5月25日、東京都台東区三ノ輪生まれ。1964年『さっちん』で第1回太陽賞を受賞。1971年『センチメンタルな旅』(私家版)を出版。「天才アラーキー」「写狂人」「写狂老人」などを名乗り『愛しのチロ』(平凡社)、『センチメンタルな旅・冬の旅』(新潮社)、『人妻エロス』(双葉社)、『往生写集』(平凡社)、『顔』(KADOKAWA)など、現在までに500冊近い著書を刊行。

「2015年 『楽園は、モノクローム。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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