ピル (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 30
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087201246

作品紹介・あらすじ

九九年九月、アメリカに遅れること約四〇年。日本で経口避妊薬=ピルが発売された。世界各国で避妊法の主流をなすピルが、日本で承認・発売されるまでに、なぜこれほどまで長い時間が必要だったのか。そもそもピルという薬剤は、どういう仕組みで避妊を可能にするものなのか。ピル誕生までの歴史、わが国におけるピルの扱い、副作用問題、早期承認に向けた著者の取り組みをふまえ、今後ピルが日本でどのような広がりをみせるのかを考察する。本書はピルへの誤解や不安を解決し、正しく理解するための「大人のピル読本」である。

感想・レビュー・書評

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  •  ピルの普及啓蒙活動を行う医師の新書。

     ピルのメカニズムや承認までの流れなど幅広く書かれている。
     避妊の決定権を女性が持ったり、生理をコントロールするなど、ピルの普及は女性の権利と大きく関わっていることを学んだ。

  •  これほど社会から誤解され、その有用性に関わらず疎外されてきた薬品を私は知らない。ピル導入にあたっての日本の役人の事なかれ主義に閉口する。彼らの所業によって、どれだけ日本社会が社会的利益を損ねてきたことか。そういった役人の存在を許し、甘えてしまっている我々日本国民にも責任がある。是非読むべし。

  • ずいぶん昔に読んだ。
    (この本の内容じゃなかったかもしれないが)日本人は副作用ばかり恐れて、「副効用」には全然目を向けない。
    もっと広い視野でバランス感覚を身につけたほうがいい、と思った。

  • 日本でのOC承認のために尽力した医師が書いた本。女性ホルモンって山芋から取れるものなのか,と驚いたりした。他にも,ピルがどうやって研究されてきたかの流れが書いてある。
    低容量ピル承認にはかなり時間がかかったのに,最終的にはバイアグラ承認の後追いといったような形で承認されたというのは知っていたが,詳しい経緯などをこの本で知ることができた。高容量ピルの副作用に悩み服用を中断した女性が,ピルというものに対してネガティブな印象を持っており,承認に強く反対したというエピソードは,興味深かった。
    2011年現在,周りでもOCを使っているという人をちらほらみかけるようになり,この医師や他の医師の尽力によるものなのだな,と思う。

    ただ,重箱の隅ではあるけど,『しかし,多くの女性はブランドもののバッグを購入する際には「高い」とは言わないのに,なぜピルを高いというのか,疑問を感じずにはいられません。』という記述はどうなの……と思った。

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著者プロフィール

北村邦夫

婦人科医。日本家族計画協会クリニック所長。低容量ピルの認可、青少年の性教育、子宮頸がんワクチン研究などに尽力。「性の語り部」として、新聞・雑誌・テレビなどで活躍中。『婦人公論』『快楽』へも登場いただいている。

「2021年 『新版 ティーンズ・ボディーブック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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