上司は思いつきでものを言う (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 1267
感想 : 128
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087202403

作品紹介・あらすじ

この本はサラリーマン社会の閉塞を嘆じるものではありません。「上司は思いつきでものを言う」ということが、なぜ起こってきたのかを、儒教の伝来まで遡り、とてもスリリングに解剖していく本です。日本の男たちが、なぜ戦国時代と幕末維新の時代ものが好きなのか。こんな「なぜ」も見えてきます。そして、では日本はどうするのか-「現場」の声を聞く能力の復活に向けて、上司のみなさんにも、上司でないみなさんにも、懇切丁寧な今後の道中案内の書であります。

感想・レビュー・書評

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  • 著者、橋本治さんの作品、ブクログ登録は2冊目になります。

    橋本治さん、どのような方か、ウィキペディアで再確認しておきます。

    ---引用開始

    橋本 治(はしもと おさむ、男性、1948年(昭和23年)3月25日 - 2019年(平成31年)1月29日)は、日本の小説家、評論家、随筆家。

    ---引用終了

    で、70歳にて亡くなっています。


    本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    この本はサラリーマン社会の閉塞を嘆じるものではありません。「上司は思いつきでものを言う」ということが、なぜ起こってきたのかを、儒教の伝来まで遡り、とてもスリリングに解剖していく本です。日本の男たちが、なぜ戦国時代と幕末維新の時代ものが好きなのか。こんな「なぜ」も見えてきます。そして、では日本はどうするのか-「現場」の声を聞く能力の復活に向けて、上司のみなさんにも、上司でないみなさんにも、懇切丁寧な今後の道中案内の書であります。

    ---引用終了

    本作は、著者が56歳位の時に書かれた作品になります。
    タイトルに惹かれて手にした作品ですが、よくわからない内容でした。

  • ずっと かかえていた
    もやもやしたものが
    あっ そうか!
    と コトンと胸に落ちる ことがある

    橋本治さんの
    著作を読んでいると
    その幸運に満たされる
    ことが よくある

    本書も その一冊です

  • ややこしいことをさらにややこしく語る手法は好きですね。これで着地できる著者はかなりの文章上手だと思います。

    「儒教というものは現代では完全になくなった」と思っていましたが、まったくそんなことはなく、意識すらできないかのようなレベルにまで内面化しているのだな、というのがわかります。そういうあることすらわからない呪いとか洗脳的なことって、周りに相当数あると思うのですが、そのうちの一つを認識させてくれる本です。「あるんだ」とわかるだけでも違うんじゃないかなあ。

  • 本所自体が思いつきで書かれているような印象で、理路が整然じゃないので読みにくい。またデータや調査があるわけではないので鵜呑みにするのもアレ。
    たまにハッとするようなことが書いてあるんだけどいかんせん読み続けるのがしんどくてもったいないような気がした。
     上司をバカにせず、馬鹿な可能性を踏まえて、提案する。バカな上司には慈悲の心を持つ。上司は何か言わずにはいられない。思いつきを言われたらそうですかと話を聞く。新しい提案は今までを否定する文脈を持つ。みたいなことが面白かったです。

  • この不景気(賃金引き上げがない、税金が増える、諸物価が高くなる)状況では、まさに上司は「思いつきで物を言う」が散漫するはずだ。現代、55歳以上は日本の景気が良い時に育ち、何もしなくとも(語弊があるかもしれないが)会社を大きくできた。だが、昨今の「利潤追求」「コスト削減」が支流で、「不況」経験のない上司にアイデア等を求めても出るはずがないと悟ることだ。だから、奇抜で意外性を突いたアイデアを提言するのも一手かもしれない。

  • サラリーマンが言う愚痴の代表格である「上司が思いつきでものを言い、自分たちは振り回されている」というところに着目して書かれた本。面白いです。

    面白すぎて第一章など数秒で読んでしまったのではないかと思うほどでした(そんなわけはないのですが)。
    何がこんなに面白いのだろう? と考えてみて思い至ったのは、語り口でしょうか。(良い意味で言っているのですが)まるで落語を聞いているかのように、”文章”という感覚なくするすると読み進めることが出来る本なのです。

    内容はいろいろなところへ二転三転しながら、日本のサラリーマンを取り巻く状況や今に至る歴史など、様々な角度から「サラリーマンというもの」を見ています。
    当の本人なら気づけないようなことでも、作家という第三者視点から見ているから良く気付けるというものなのでしょうか。

    個人的に特に面白いなと思ったのは、埴輪の会社を例に語るくだりです。埴輪の会社というととても突飛なことのように感じるのですが、内容を見てみるとありがちというのか、まさにサラリーマンの直面している苦悩(のうちのひとつ)を切り抜いてみた感じで、実際の状況を例にとるよりも分かりやすかったです。

    この本のタイトルを見て、「じゃあその上司をどうしたらいいのか?」という本だと勘違いしてしまう人がいるといけないので言っておきたいのですが、上司は変えられません(笑) でも、この本を読めばその背景がより分かりやすくなって、自分の置かれている立場が明確になってくると思います。場合によってはやるべきことも見えてくるかもしれません。

    久しぶりに夢中になって読んだ新書でした。

  • 話が深く、能力のない私には理解できない文章だったかもしれない。読者が理解する能力がないかもしれないことをもう少し考えて書いてもらいたかったかな。
    上司が思いつきでものをいうときは呆れるといいというが、あくまでそれは部下が絶対的に正しいという前提だろうな。全て思いつきではないし、検討外れなことをいうのが上司というわけではないだろう。上司に期待して、上司ならおれの考えわかるだろうという態度で物事を進めるとこういうことが起こるのだろうな。上司は上司の役割があり、担当からすればおそらくお客さまなんだろうから、上司が判断しやすいように説明する必要はあるんだろうな。んー、よくわからなくなってきた。とりあえず、変な上司の言うことは真に受けず呆れて、あとは自分自身の徳を積むことかな。難しい一冊だったけど、スラスラ読めた。

  • 身近にいる「思いつきでものを言う人」を分析したいと思って買った本。
    本の内容からいってその人にはまったくあてはまらなかったが、働く職場のことを考えながら読むと、非常に面白かった。

  • 難しい相手様と関わるようになったので、読んでみた。勉強になった。読みやすかった。
    上司の話⇨会社の話⇨社会の話⇨官僚と民間の話⇨歴史を振り返り儒教へ
    と展開していける作者がすごい。

  • 上司も会社というピラミッドのなかの一員。

    さいごのほうの現場の意見を吸い上げたからこそ日本は発展したってのにちちょっとだけ救いを感じた。

    が、会社という組織で働き続けることに絶望。

    そうさんありがとうございました。

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著者プロフィール

1948年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。小説、戯曲、舞台演出、評論、古典の現代語訳ほか、ジャンルを越えて活躍。著書に『桃尻娘』(小説現代新人賞佳作)、『宗教なんかこわくない!』(新潮学芸賞)、『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』(小林秀雄賞)、『蝶のゆくえ』(柴田錬三郎賞)、『双調平家物語』(毎日出版文化賞)、『窯変源氏物語』、『巡礼』、『リア家の人々』、『BAcBAHその他』『あなたの苦手な彼女について』『人はなぜ「美しい」がわかるのか』『ちゃんと話すための敬語の本』他多数。

「2019年 『思いつきで世界は進む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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