ジョイスを読む ―二十世紀最大の言葉の魔術師 (集英社新書)

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  • 集英社
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本棚登録 : 58
感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087202434

感想・レビュー・書評

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  • 『フィネガンズ・ウェイク』は難解というよりは難読で、ふつうには読めません。ただ、理解することを放棄すれば、読むことはできます。しかし、理解しようとするととたんに読めなくなります。

    読書において、読むことと理解することは、ほとんど同時に行なわれるものですが、『フィネガンズ・・・』ではそれが真っ向から否定されてしまいます。そのように小説を解体するということは、すなわち読書という行為そのものをも解体することですから、『フィネガンズ・・・』を読むということは、いわゆる読書とは別の体験なのかもしれません。

    そんなことをやらかしたジェイムズ・ジョイスが、どんなひととなりであったかを知るには手頃な入門書です。あらすじを読めば、わかった気にさえなります。でも、それはガイドブックを読んで観光名所を訪れ、記念撮影して帰ってくることと同じで、確認作業にすぎません。その先にあるなにかを見つけるまでは、『フィネガンズ・・・』を巡る旅を終えることはできないような気がします。


    個人的には、以前から眼帯をつけた肖像を見かけて気になっていましたが、同じ緑内障を患っていたと知って親近感を抱きました。作家への興味なんてまあ、そんなもんなんだよ。

  • [ 内容 ]
    二十世紀西欧を代表するアイルランドの作家ジェイムズ・ジョイスは、現代文学の前衛として、新しい文体を創り出し、小説形式の革新を図って表現の可能性を追求した。
    ジョイス以後の作家はみな彼の影響を受けていると言ってもいいだろう。
    貧困、重い眼病と深酒、娘の狂気などに苦しみながら、大陸を放浪しつつも常にダブリンを舞台に、精力的に小説を書き続けた。
    そこに描かれた宗教、植民地支配、民族主義、ユダヤ人問題、文芸、愛と性などは、なお今日の問題として重要である。
    本書では、ジョイスの生涯と主要四作品、猥褻裁判を含めた文学的評価を簡潔に紹介し解説する。
    「難解」といったイメージを覆す、なにより「ジョイスを楽しむ」入門書。

    [ 目次 ]
    第1章 ジョイスの生涯(ダブリンの時代(一八八二‐一九〇二) ダブリン脱出(一九〇二‐一九〇四) 『ダブリンの市民』と『若い芸術家の肖像』の時代(一九〇四‐一九一四) ほか)
    第2章 作品解説(『ダブリンの市民』;『若い芸術家の肖像』;『ユリシーズ』 ほか)
    第3章 ジョイスの文学的評価(ジョイスに対する初期の反応;猥褻裁判;名声の確立)

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