海外短編のテクニック (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 54
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087202588

作品紹介・あらすじ

長編小説が、人生という一本の木を、根から幹、枝から梢、花も葉もすべて描く営みであるならば、短編小説は、一本の枝を切り、切り口を示して生き方全体をうかがわせる試み。あらゆる技を駆使した作品はおもしろさも多彩だ。日本の短編の名手が、海外短編から厳選して、メリメの名作『カルメン』から現在活躍中のインド系女性作家ラヒリの『停電の夜に』まで、バラエティに富んだ作品を俎上に載せ、実作者の立場になって想像し、分析し、ときには妄想までして(!?)そのテクニックをたどる。カフカの作品は長編もあるけれど短編『変身』ひとつを読めばOK、という大胆発言も。

感想・レビュー・書評

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  • 海外の短編作家について、その生涯を軽く紹介した上で様々な短編技法を見ていく一冊。技巧を見る、というのは何となく「手品の種本」を読んでいるような趣がある。実際に読むと、また違った感想も浮かんできそうだ。

  • 160130 中央図書館
    阿刀田のコメントは、切れ味良く分かりやすい。確かに短編小説のパターン・ランゲージのようなものはあるな。

  • 13/07/22 外国ものの紹介。スレッサーを読んでみたい。

  •  先に、阿刀田高の『チェーホフを楽しむために』(「小説新潮」連載05年)を読んだ感想として、次のことを結論として記した。
    「阿刀田の語りを簡単に結論づければ、チェーホフの真価は短編小説よりやはり戯曲ですね、ということになる。逆に言えばチェーホフは四大戯曲で世界の文豪になれた、小説だけではさて、ということだろう。」

     これは、(第8話 <三人姉妹><桜の園>の兄と弟)の最後の阿刀田の結論を要約したものだ。
    また例えば、第5話「短編小説の名品たち」で、阿刀田はチェーホフの短編小説を語り、最後にこう書いている「このエッセイはずっとチェーホフの小説について述べてきたが、次はいよいよチェーホフ城の本丸、戯曲のほうへ視点を変えて綴ろうと思う」
    これは短編よりやはり戯曲ですよ、と言っていることだろう。

     更に付け加えると、阿刀田は『短編小説のレシピ』(集英社新書/02年「朝日カルチャーセンター」での講義をまとめた)では、中島敦はじめ新田次郎,志賀直哉,R・ダール,A・ポー,漱石,そして自作を上げているがチェーホフの短編には言及していない。

     チェーホフが出て来るのは、その後『海外短編のテクニック』(集英社新書04.9)に一章が立てられているのが初めて(?)かも知れない。そしてこの時期には、阿刀田は次のように書いている。(第四章 チェーホフ<イオーヌイチ><犬を連れた奥さん>そして、その他の短編)

     「日本でチェーホフと言えば劇作家としての誉れが高いけれど、この多彩な作家にあえて一枚だけレッテルを貼るとすれば、むしろ短編小説の名手のほうだろう」と。
     ここで言いたいのは、阿刀田のチェーホフ評価の揺らぎをあげつらうことではなく、むしろチェーホフという作家の<解りにくくさえある多彩な>面が、逆に阿刀田の評価を、その時々に替えさせているものとして見ることが出来る、ということだ。            

  • 実際に書く人が短編小説を読むと、こうなる、
    という、書いている人・書きたい人には、
    大変、ためになる本です。

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著者プロフィール

阿刀田 高(あとうだ たかし)
1935年東京生まれ。早稲田大学第一文学部フランス文学科に入学し、結核を病む。大学卒業後は国立国会図書館に司書として勤務。『ころし文句』を長崎寛と著し、これがデビュー作となる。兼業しながら著作を刊行していたが、『ブラックユーモア入門』がベストセラーとなり、作家一本に。
1978年『冷蔵庫より愛をこめて』が直木賞候補。1979年『来訪者』で第32回日本推理作家協会賞、1979年『ナポレオン狂』で第81回直木賞、1995年『新トロイア物語』で第29回吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。2003年紫綬褒章を受章。2018年文化功労者に。
古典に親しんでいたことから『ギリシア神話を知っていますか』などのエッセイも著名。
2007年から日本ペンクラブ会長。直木賞、新田次郎文学賞、小説すばる新人賞選考委員、講談社『小説現代』のショートショート・コンテスト選考をそれぞれ務める。

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