両さんと歩く下町 ―「こち亀」の扉絵で綴る東京情景 (集英社新書)
- 集英社 (2004年11月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087202656
作品紹介・あらすじ
横丁、踏切り、川端、橋、神社…。『こち亀』の愛称で親しまれる週刊少年ジャンプの人気連載『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の扉を飾った、普段着の下町風景。葛飾区亀有で生まれ育ち、昭和30年代からの下町の変遷を見つづけてきた作者が、『こち亀』の舞台となった街を再訪し、その地への思いと取っておきの話を綴っていく。作者自選のペン画集にして極私的下町ガイド、そしてメイキング・オブ『こち亀』の三つの顔を持った画期的新書。山田洋次監督との初対談「葛飾に愛をこめて」を特別収録。
感想・レビュー・書評
-
こち亀が「下町文化遺産」というべきものに相応しいことを、当著作で確立したように思う。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
[目次]
第1歩 亀有回想
第2歩 千住、浅草、行き帰り
第3歩 隅田川界隈
第4歩 上野七変化
第5歩 超神田寿司の神田へ
山田洋次×秋本治特別対談 葛飾に愛をこめて
-- -
2018/7/19積読だったがついに読んだ。「こちカメ」のファンはもっと面白いかも。左側がお馴染みの下町の絵で良かった。★4
-
下町情緒を感じさせる本。挿絵も両さんたちキャラが書かれているものの、ち密である。秋本氏は葛飾区の生まれ。両津は浅草生まれという設定らしい。
-
読書録「両さんと歩く下町」4
著者 秋本治
出版 集英社
P22より引用
“そういう懐かしい時代や風景をもちろん今の子供たちは知りま
せんが、『こち亀』のなかに描くことで知ってもらえるだろうし、
興味をもってもらうこともできるかもしれない。”
目次から抜粋引用
“亀有回想
千住、浅草、行き帰り
隅田川界隈
上野七変化
超神田寿司の神田へ”
「こち亀」でおなじみの著者による、「こち亀」の扉絵に登場
した下町を案内して周る一冊。
亀有から神田まで、著者の思い出と共に記されています。
山田洋次氏との対談あり。
上記の引用は、昭和30年代に育った人の風景について書かれた
後の一文。経済的に豊かで便利な都市生活は、誰かの思い出の場
所を犠牲にして成り立っているのかもしれません。
今年も大学受験をし、春に上京される方も多いでしょう。その
中に『こち亀』ファンがおられるなら、この一冊を手に街歩きを
するのも楽しいかも知れません。巻末に簡易な地図もありますの
で、便利ではないでしょうか。
扉絵を数多く載せるためでしょうか、紙の質が良いように思い
ます。ページをめくる指触りが滑らかでした。
ーーーーー -
こち亀作者による下町歩きのエッセイ。作者が子供時代に、また大人になってから自分の足で歩いた街並みが、そのまま両さんの世界になっているんだなと知った。下町の風景を残そうと密かに力を入れていた扉絵は貴重な資料になるだろう。
-
近くに両さんがいる世界。
-
新卒と同時に本所吾妻橋に6年程住んでいた。行ったことがある場所も無い場所も何故かノスタルジックに感じるのが下町の良いところなのではないか。若い頃は都会に憧れたが、40歳に手が届きそうな今は下町の郷愁こそに落ち着きを感じる。また探訪したい。
-
この数年、東京の街歩きを趣味としているが、昨年くらいから下町を好んで歩くようになった。まだ亀有や柴又には行ったことがないが、扉絵を見て行きたくなった。
いつまでも昔の(不便な)街並みを残して欲しい、というのは外野の我儘に過ぎないことは理解しているが、やはりいつまでもこういう風景を残して欲しいと思う。 -
私自身は「こち亀」のファンで子供の頃から、ジャンプだけはずっと買っていました。本書の中にも有りましたが、勝鬨橋が開かなくなってから、一度両さんが空けた事を述懐する両さんのシーンが今でも心に留まっています。私は東京にはあまり縁がなく、浅草寺、アメ横付近の観光程度の経験しかありませんが、本書によってより深い東京下町風景が見えたように思います。今はコロナ禍で観光にも行けませんが、収束の後には本書を携え自分の足で見て廻りたいと思いました。