韓国のデジタル・デモクラシー (集英社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087203011

作品紹介・あらすじ

韓国では現在、世界でも稀有なデジタル・デモクラシーの実践が試みられている。「オーマイニュース」をはじめとするインターネット新聞や「ソプライズ」のような政治批評サイトは、二〇〇三年の廬武鉉政権の誕生や〇四年の大統領弾劾政局に多大な影響を与え、その勢いは、いまや主流メディアであるテレビや大手新聞にも劣らないといわれている。本書は、ネティズン(ネット市民)による電子民主主義文化が隣国で花開いた背景を解き明かしながら、民主化運動の歴史と現在を描いたものである。韓国政治とメディアの「今」を理解するための、コンパクトな一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 盧武鉉大統領が登場した頃のネット勢力。オバマ登場のときと似た熱と希望が語られる。
    日本との違いとしては、民主化そのものの達成が遅く、また日本のように外部からの圧力ではなく国民自身が民主化を求める動きがあったことにより、民主化自体とデジタルデモクラシーが直結してる点だという。ネット実名制の導入や、放送の方が新聞よりも媒体として信頼されているという指摘も、この背景から理解できる。
    この本は2000年代前半までの状況を描く。盧武鉉への対抗馬として朴槿恵の名前が出てくるが、実際盧が大統領の座を追われて自殺し、さらに朴が罷免という現状にあって、当時のネティズン(いま40-50代?)は何を思うのか。

  • [ 内容 ]
    韓国では現在、世界でも稀有なデジタル・デモクラシーの実践が試みられている。
    「オーマイニュース」をはじめとするインターネット新聞や「ソプライズ」のような政治批評サイトは、二〇〇三年の廬武鉉政権の誕生や〇四年の大統領弾劾政局に多大な影響を与え、その勢いは、いまや主流メディアであるテレビや大手新聞にも劣らないといわれている。
    本書は、ネティズン(ネット市民)による電子民主主義文化が隣国で花開いた背景を解き明かしながら、民主化運動の歴史と現在を描いたものである。
    韓国政治とメディアの「今」を理解するための、コンパクトな一冊。

    [ 目次 ]
    序章 韓国政治でいま何が起きているのか
    第1章 電子民主主義前史―軍部独裁から権威主義的民主主義へ(一九六〇年代~九〇年代)
    第2章 インターネットと大統領選挙―言論権力vsインターネット権力(二〇〇二年)
    第3章 市民社会の変容―新政権発足下の保守勢力(二〇〇三~〇四年)
    第4章 弾劾政局と復活する市民パワー―激化する新聞と放送の対立(二〇〇四年)
    第5章 オンライン・デモクラシー―韓国政治の現在と未来
    終章 インターネットは権力か

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    [ 参考となる書評 ]

  • 韓国の国政選挙では必ずといってよいほど登場する北風という北朝鮮変数がある。
    メディアモブというのがはやっている。
    2002年の大統領選挙ではインターネット新聞(オーマイニュース等)が活躍した。
    韓国人はネット好き。うわさ好き。

  • 盧武鉉大統領はどのように誕生したのか、そこにインターネットはどのように関わっていたか。じつは私、なんにも知らなかったので、本書を読んで「へぇー」と思うこと多々でした。韓国では、三大新聞に代表される既存メディアと、インターネットに代表される新興メディアの対立構図が、ここまで「政治的」になっているんですね、ほんと知らんかった。インターネットによる公共圏の構築や政治参加の構想ってのは、「デジタル・デバイド」の問題を含んでいるだけに万能薬ではありませんが、それでもある程度本気で考えてみてもいいかもしれませんね、日本でも。(20070809)

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著者プロフィール

北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院教授。専門はメディア文化論、日韓関係論。著書に『〈ポスト帝国〉の東アジア』(青土社)、『「反日」と「嫌韓」の同時代史』(勉誠出版)、『コリアン・ネットワーク』(北海道大学出版会)など。

「2024年 『グローバルな物語の時代と歴史表象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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