乱世を生きる ―市場原理は嘘かもしれない (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 325
レビュー : 43
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087203189

感想・レビュー・書評

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  • 20170131読了。今後5才の息子に「我慢しなさい」と言うときに、引用した箇所を思い出すことになるのか。読み終わって数日経って、強く記憶に残っているのは「我慢」の箇所。

  • 「勝ち組」「負け組」という二分法が、経済的な勝利だけを唯一の指標とする考え方を前提としていると著者は指摘し、その前提の外側の世界があるということを疑うことさえしない怠惰な知性を批判しています。

    著者は、「経済」という語が「経世斉民」に由来することを指摘して、「生きることが幸福でありたいという感情。これこそが経済という人間行為の本質ではなかろうか」と述べています。とはいえ、竹中平蔵でさえ「エコノミー」がギリシア語の「オイコノミア」に由来する語だということに触れつつ、経済学がほんらい人びとの幸福の実現をめざす学問だということを語っており、著者の指摘にそれほど目新しいものはないように思います。

    もし、現在の経済より理想的な状況を描き出すことができるのだとすれば、じっさいにその方向へと舵を切ってソフト・ランディングを実現するための具体的な方法を見いだすことが、本当の問題なのではないかと思うのですが。

  • 著者は何が書きたいかわからないまま書きはじめたらしい。正直、著者は頭が良すぎるのか言いたいことがよくわからないことも多々ある。ひとつ、歴史は繰り返すのでなくシステムを作り変えることでここまで来た。「正➡反➡合」であり経済も社会も同じシステムがずっとうまく行くようなことはない、というのはためになった。

  • 誰向けに、何のために書いたのだろうか。そういうことを考えさせられる一冊。

  • [ 内容 ]
    従うべき理論がなくなって、どう生きて行けばいいか分からなくなった日本人は、「勝ったか、負けたか」の結果で判断するしかなくなった―本書は、こんな “腑に落ちる”話から始まります。
    そして、「生きることが幸福でありたいという感情。
    これこそが経済という人間行為の本質ではなかろうか」と、一筋の光明に向かって、力強く語り始めます。
    乱世の時代に対する、著者からの「解」がぎっしり詰まってます。

    [ 目次 ]
    第1章 乱世と勝ち組(「勝ち組・負け組」の原理 「乱世」を考える)
    第2章 たった一つの価値観に抗する(隠されたトリック 「勝ち組」という基準を持ち出した人達 ほか)
    第3章 悲しき経済(経済とはなにか 誰かが考えてくれる経済 ほか)
    第4章 どう生きてったらいいんだろう?(なんにも出来ない構造 どう生きてったらいいんだろう? ほか)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 実際に読んでみると、掴み所のない本だった。

    何しろ、著者自身がまともな構想もないままに
    書き始め、思いのままにわずか2週間で書き上げてしまった本なのだ。

    しかも、著者は東大の文学部卒のバリバリの文型人間。
    著書は何度も大学の入試問題に出題されてたりする。
    そんな人が『勝ち組負け組』を論じるから、
    全く一筋縄ではいかない。
    一つ一つの文章は平易なんだけど、
    結論ありきでなく、著者自身が考えながら書いているような文章なので、
    話は二転三転し、結局この人はどういう立場で何を一番言いたかったのか
    と言うのがよくわからなかった。

    とはいえ、『わからない』を連発するには、
    経済の本質的な部分をよく洞察しているし、
    全く数字を使わない(使えなかったのかもしれないが)説明の割には、
    説得力もあった。
    経済とは何か。今の経済を動かしているのは何か。
    恐らく、この人のようなアプローチは他にはあるまい。

  • 桃尻語訳の人ってゆうイメージが強かったけど、

    意外とマルチな知識人やったんやね。

    賢い人です。

  • 橋本治はレトリックで攻めてくる人だと思う。レトリックの展開から本質をえぐる。意外と誰でもが気づきそうで、なかなか気づかないことをさらっと述べる。で、驚く。頷く。理解する。そうだったのか、と。(06/8/11)

  • わかったような、わかんないような。

  • 経済の仕組みを解説したところが特によかった。題名ほど過激なことが書かれているわけじゃないけど、少しずれた視点がおもしろいなーって。

著者プロフィール

橋本治
1948年3月25日 - 2019年1月29日
東京生まれの作家。東京大学文学部国文学科卒業。イラストレーターを経て、1977年に小説『桃尻娘』を発表、以後文筆業を中心とする。同作は第29回小説現代新人賞佳作となり、映画・ドラマ化もされた。1996年『宗教なんかこわくない!』にて第9回新潮学芸賞、2002年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』にて第1回小林秀雄賞、2005年『蝶のゆくえ』にて第18回柴田錬三郎賞、2008年『双調 平家物語』にて第62回毎日出版文化賞、2018年『草薙の剣』で第71回野間文芸賞をそれぞれ受賞。
編み物にも通じており、1989年『男の編み物(ニット)、橋本治の手トリ足トリ』を刊行。自身の編んだセーターを着てCMに出演したこともあり、オールラウンドに活躍を続けた。

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