ヤバいぜっ! デジタル日本 ―ハイブリッド・スタイルのススメ (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 85
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087203455

作品紹介・あらすじ

ヤバいとはvery badとvary coolのWミーニング。世界各地を飛び回る著者が、情報最先端の事象を紹介しつつ日本人の知らない日本と日本人を論じる。世界から取り残されてしまったIT戦略をこのままにしていいのか?国家ブランド戦略をきちんと立てなくていいのか?日本が世界に広めたハイブリッド車のように、異なる要素を組み合わせて新しいスタイルを創ろう、それこそが日本人の得意分野で、世界から「クールでヤバい」と評価されるはずじゃないか?日本への憂慮と愛が溢れる、元気の出る本。今後10年間のデジタル社会の変化を予言する書でもある。

感想・レビュー・書評

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  • 高城剛さんが2006年に書いたITや文化の未来を書いた本。iPhoneやツイッターなどのSNSニコニコ動画のようなものが出てくると予言している。高城さんの言っていることは大体当たるので預言書のつもりで読めばいいんだなと理解。「本当に大切なものは、インターネットに流れたりしない」という言葉が一番心に刺さった。

  • 日本がITで覇権を取れなかった背景がわかる本。この本が書かれた2006年時点で既に勝負の行方は決まっていた。

  • 38889

  • 『情報の呼吸法』推薦本。

  • 新書

  • サブタイトルに「ハイブリッド・スタイルのススメ」とあり、ノマド的な生き方・働き方について著者がみずからの考えを語った本だと思って手に取ったのですが、日本の産業や社会のあり方についての提言といった内容の本でした。帯に書かれている「映像作家&DJ/高城剛のNIPPON改造講座」ということばのほうが、本書の内容をよく表わしているように思います。

    ただ、日本の進むべき新たな方向性をさぐり、提言をおこなうという内容にしては、既存の社会構造・産業構造についての正確な分析を踏まえていないところが気になってしまいます。そのため、著者のような先端的なセンスの持ち主にとってはインスピレーションをもたらしてくれる本として読めるのでしょうが、そうでないわたくしのような読者にとっては単なる思いつきをならべているだけのように思えてしまいます。

  • この頃はまだ面白い話が多かった。

  • ・時代はハイブリッド。技術で言うなら「あわせる技術」がもっとも重要
    ・なぜ未来のビジョンを創造できるのか。それはだれよりもテクノロジーを駆使し、だれよりもテクノロジーに出費し、だれよりもテクノロジーを愛し、誰よりも世界中を移動し、だれよりも最先端の表現を見続けてきたからに他ならない
    ・未来を予見する能力はない。すべては体験と体感である。
    ・ライフスタイルを変えるしか無い
    ・誰もが「カット&ペースト」のネタを探している。このネタの発掘と、どう「カット&ペースト」するか、のスタイルこそが最も重要である。そのスタイルを「マッシュ・アップ」と呼ぶ
    ・なぜ自由でないのか。それはコピーはすべて悪いことであるという前提に立っているからに他ならない
    ・今日の日本経済を支えている産業の自動車もテレビもオリジナルは日本にない。コピーは日本人の得意技であったはずだ。日本人はコピー能力がずば抜けて高い国民性である。
    ・コピーはさらなる進化を生むのだと僕は考える。我々の太古からの偉大な話はコピーされて伝わってきた。良いものはコピーして当たりまえ
    ・次世代記録メディアはコピーしやすいほうが勝つ
    ・現代は大ヒットコンテンツよりも、彼氏からのメールのほうが素晴らしい
    ・人々は質を求めているのではなく新しい環境の提案を求めている。環境とはスタイル。視聴スタイルや視聴の方法が変われば人々は新しく、便利で楽しいと思う
    ・景気が良くない時代に、エンターテインメントはいつも活躍する。不景気や戦争とエンターテインメントは常に密接な関係にある
    ・日本の良い所はスピードだったはずである。高度経済成長の大変化に人々はついてくることができた。30年前の日本映画を改めて見ていただきたい。そこにある風景はまったく別の国である。アメリカも、英国も、ここまで激変していない。すなわち近代日本の最大の特徴はスピードだったはず
    ・成功の秘訣は、プロジェクトリーダーがよそ者であること。これがポイントである。これができない地域は、まず成功することが難しい
    ・サッカーもクリエイティビティも場数が勝敗を決める
    ・地域ブランディングの成功の秘訣は金だけでなく、同時に適切な人を出すことであり、その人はより客観的な視点を持つよそ者でなくてはならない
    ・個人誘致
    ・ブランド形成の5ステップ
    ①まずは良い所、ダメな所をきちんと評価する
    ②約束(ハブUK、など)
    ③伝える
    ④全体に浸透させる。個人パワーの集合
    ⑤優位性
    ・商品やコミュニケーションのわずかな差が、その商品の勝敗を決める。その僅かな差は時代感である。その時代感を商品にフィッティングさせ、市場に落としこむのがクリエイティブ・ディレクターの仕事
    ・もっとも大切なのは変化し続けること。
    ・クリエイティブ力が上がったら、コミュニケーション力を上げることが大切。愛艇に伝わったかどうかを考える。
    ・ライフスタイルをハイブリッド化する。肩書もハイブリッドにする
    ・東京には歴史がない。その役目は京都が持っているので、東京には必要がない。だから、東京はいまだけの街だ。すなわち、流行に生きていれば良い。名物もいらない。何もとらわれない。東京こそが万博なのである。歴史は京都で、一度見たら終わり。ディズニーランドの成功がリピーターにあるように、リピーターをいかにとらえられるか、が観光立国のポイント。浮遊都市東京は常に新しいスタイルを提案し続けるのだ。
    ・ハイブリッド日本人
    ①ひとつのことにとらわれず、可能であるふたつのことを並行して進めるやわらかい発想
    ②組み合わせ可能なものを探す、または上手い職業の人を評価し、まねる
    ③実際になにかを組み合わせると楽しいだろう、ということを自分なりにためす
    ④マルチメディアスペシャリストを目指し、2つ以上の分野でスペシャリストになるためにはどうすればよいか徹底的に挑戦すること
    ⑤生活時間帯を見直し、住む時間を見直し、職業を見直し、自分なりのバランスポイントを早急に探しだすこと
    →結果
    ①地震やテロ、経済危機に直面しても、現在の仕事以外の収入可能性がある
    ②自分の可能性や楽しみが倍増する
    ③生活をかえることで、発想が全く新しくなる
    ・僕にとって挑戦は日常なのだ
    ・自由であるからこそ自分に厳しく、だれよりも人にやさしくなければならない
    ・クリエイティブは自由であり、場所も人も選ばない。母の茶道は、僕にそのことを教えてくれたのだと思う
    ・なぜ旅にでるのか?それはとにかくヤバイ人や、ヤバイものに出会いたいと思っている事が挙げられる。知っているだけではダメで、その人や作品に会いに行く。そしてアタマの中がぶっ飛ばされて、その刺激と勢いで帰って作品作りをする。
    ・僕のお小遣いの使い道の95%は、テクノロジーとコンテンツだ。
    ・僕の仕事はテクノロジーを駆使したコンテンツ作りだ。いっぱいInputすると、アウトプットも上がる。アイデアに困ったらいっぱいInputすればよい。とにかくあちこちに行く、自分の目でいろいろ見る。色々な人達と真剣にかつ楽しくはなす。そしてとにかく作る。駄作も沢山できる、ただひたすら作るのである
    ・優秀なクリエイターは優秀なビジネスマンでなければならない

  • 前半は著作権や放送通信融合等制度、仕組みや考えが技術の進歩についていけずギャップがあるところに対し斬新な視点で切り込んであり、結構色々な示唆を受けた。
    後半部は何が言いたいのかよく分からなくなってきた。
    新書一冊はある程度のページ数が最低必要という事情があるのかも知れないが、少し残念。

  • これからは「スタイル」、つまり既存の何かと何かを組み合わせて新しい何かを生み出す時代。
    &携帯電話という文明の利器をこれほどクールに使いこなせる国は世界広しと言えども日本くらいなのである。
    今こそ、日本人にしか生み出せないハイブリッドなカルチャーを世界に輸出せよ!
    といった趣旨のことを高城HMCが熱く語る。

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著者プロフィール

高城 剛(たかしろ つよし)
1964年東京都葛飾区柴又生まれ。
日本大学芸術学部在学中に、「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。自身も数多くのメディアに登場し、NIKE、NTT、パナソニック、ソニー・プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。2008年より、拠点を欧州へ移し活動。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。著書に『世界はすでに破綻しているのか?』『空飛ぶロボットは黒猫の夢を見るか?』『カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだっ!?』(集英社)、『ヤバいぜっ! デジタル日本』『オーガニック革命』(集英社新書)、『2035年の世界』(PHP研究所)、『人生を変える南の島々』『LIFE PACKING2.1 未来を生きるためのモノと知恵』(パブラボ)などがある。

「2017年 『不老超寿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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