戦争の克服 (集英社新書)

  • 集英社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087203479

作品紹介・あらすじ

誰かを殺したくはないし、殺されたくもない。多くの人々はそう思っている。しかし、それでも戦争が起きる。戦争をなくすことは果たして可能なのか?対談思想書の名手・怪人モリスが投げかけた人類史上最大級の難問に、当代随一の哲学者・鵜飼哲と国際法学者・阿部浩己は、いかに答えたか-。近代以後の戦争史、現在のアメリカ単独主義の世界と日本の情勢分析、国際法の危機と可能性、そして、戦争抑止に向けた見取り図等を、最新の学問動向を踏まえてわかりやすく論じた、新世紀の戦争学入門書。

感想・レビュー・書評

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  • アメリカの強大な権威がある現代において戦争を失くすことはとても難しいと知った。同時にそのような状況でも民衆裁判など平和に向けた動きが少しずつ芽吹いてきており、私自身も平和を希求しなにができるか常に考えることが大切なのだと重い知らされた。

  • 38889

  • この本は戦争の悲惨さはみんな知っているのに、どうして戦争はなくならないんだろう、
    戦争はなくすことはできるんだろうか、という問いかけをまとめた3人の対談集。
     森巣氏の投げかけに、哲学者の鵜飼氏と国際法学者の阿部氏は戦争の起源や戦争論の歴史、国際法の変遷をまとめながら、今の世の中おかしいのでは?と誰もが一度はなんとなく感じていることを明快に議論しています。

    あちこちに心にとどめておきたいことが満載されていたけれど、
    その中でも特に印象に残ったこと。それは森須さんのひとこと。
    「要するに、私は殺す側の人間になりたくないのですよ。
    勝手に誰かが自分に代わって殺人をしていることにも耐えられない。・・・」

    憲法ってどんな性格のものなのかということをもう一度確認させられました。

  • 戦争と正義が直結しているという考え方。ナチスが悪いから叩きのめす。
    どんなにテロリストを殺そうとも、アメリカと停戦条約を結ぶ主体は存在しない。テロ戦争の宗教的な側面。フランスでは、対テロ戦争は三十年戦争。
    冷戦構造を維持する経済負担に耐えられなくなったソ連。
    冷戦が終結したときに、正しい帝国としてアメリカが登場してきた。
    アメリカは1つの国であると同時に、アメリカそのものがすでに世界。
    需要を生むために戦争を起こす。イラク戦争はまさにそうだった。
    今のペンタゴンは合理的に想定しうるすべての国が敵国だと言っているから、どこの国も敵になりうる。
    予防戦争を予防する枠組みも出てくる。
    同化しようとすれば同化できない人たちは排除される。

  • [ 内容 ]
    誰かを殺したくはないし、殺されたくもない。
    多くの人々はそう思っている。
    しかし、それでも戦争が起きる。
    戦争をなくすことは果たして可能なのか?
    対談思想書の名手・怪人モリスが投げかけた人類史上最大級の難問に、当代随一の哲学者・鵜飼哲と国際法学者・阿部浩己は、いかに答えたか-。
    近代以後の戦争史、現在のアメリカ単独主義の世界と日本の情勢分析、国際法の危機と可能性、そして、戦争抑止に向けた見取り図等を、最新の学問動向を踏まえてわかりやすく論じた、新世紀の戦争学入門書。

    [ 目次 ]
    第1部 戦争を理解する-オーストラリアの博奕打ち、哲学者・鵜飼哲に会いに行く(アメリカ単独主義 近代における戦争の歴史?宗教戦争から「対テロ」戦争まで
    戦争に接近する日本)
    第2部 岐路に立つ国際法-オーストラリアの博奕打ち、国際法学者・阿部浩己に会いに行く(なぜ国際法は戦争を止めることができないのか-戦争の違法化が蹂躙されるまで 難民の世紀-レイシズムと戦争 戦争に参加する日本)
    第3部 戦争を克服する-いっそみんなで考えよう!(正戦論の世紀-自己責任というメビウスの輪 境界線の暴力をいかに超えるか)
    私たちに何ができるか

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 克服すべき対象として、そして克服できるものとして戦争を見られるようになる。

  • 「戦争って、剥き出しの暴力の事です。」という書き出しから、「より破壊的な暴力をもつ側が正義とされる」という事に疑問を持ち、「だからまず剥き出しの暴力が正義を決定するという部分から是正していく必要があると考えられます。」と導入されていく。http://ameblo.jp/urizunokinawa/day-20070518.html

  • 色々問題はあるが、世界とアメリカを見つめる重要な情報が入っていた本だった。

  • ¥105

  • 「国際法を全ての国が遵守すれば、平和になるんだ!」
    そりゃそうでしょうが、それは西洋が勝手に決めたことであって、それをやぶってるのもまた西洋だ。と言う点を深く堀り下げてもらいたかった。

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著者プロフィール

明治学院大学国際学部教授

「2023年 『人権判例報 第6号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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