憲法九条を世界遺産に (集英社新書)

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レビュー : 258
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087203530

作品紹介・あらすじ

実に、日本国憲法とは、一瞬の奇蹟であった。それは無邪気なまでに理想社会の具現を目指したアメリカ人と、敗戦からようやく立ち上がり二度と戦争を起こすまいと固く決意した日本人との、奇蹟の合作というべきものだったのだ。しかし今、日本国憲法、特に九条は次第にその輝きを奪われつつあるように見える。この奇蹟をいかにして遺すべきか、いかにして次世代に伝えていくべきか。お笑い芸人の意地にかけて、芸の中でそれを表現しようとする太田と、その方法論を歴史から引き出そうとする中沢の、稀に見る熱い対論。宮沢賢治を手がかりに交わされた二人の議論の行き着く先は…。

感想・レビュー・書評

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  • 人質の自己責任論、改憲の機運に、アホみたいな改憲草案(右も左も)、アメリカの影。
    前にも姜尚中の本を読み直して気づいたことだが、イシューの変化しなさに驚いた。ただ、日本人は立場の違いを越えて、ほとんどが冷静さを失っているように思う。

  • 爆笑問題 太田光と中沢新一の対談集である「憲法九条を世界遺産に」を読んだ。

    現在の日本国憲法は、世界遺産に指定されそうなぐらい珍しく貴重なものであるという点には同意します。

    憲法改正が現実問題として取りだたされる中、他の国々との比較で言えば当然、矛盾だらけの憲法第九条はより現実的な条文に変えられるんだと考える方が一般的だと思う。

    そんな中で、他に類がなく当時の状況から奇跡的に生まれた憲法九条を、世界の人から見た理想の一つとして、世界遺産にして残そうというのも確かに意味のあることなのかもしれない。

    国会でまともな議論がほとんど行われることのない日本で、期待できるとは思えないが、現憲法の現在における意味や価値も、もっと議論されてよいと思った。

    どうも政治ネタは書きにくいな。

    2007年1月12日 読了。

  • 難しく考えすぎてしまった典型だよな。物事はもっと単純だし、あまりにも九条と言うものを最初に神格化してしまってる。

  • 知識ばっか詰め込んだ2人の言葉遊びでお互いの言葉に酔ってほめ合っているだけの印象。

  • 繊細な作品を作ってきた宮沢賢治が、一時期アジア帝国主義的な思想に傾倒していたことを切り口に9条を語るなど、ユニークな視点を興味深く読んだ。爆笑問題の太田さんが今も同じ考えなのかどうか、というところは気にかかる。この本が出た12年前とは何かが変わっている気がする。

  • 9条と前文が 変わらないことを祈ります

  • 武器を持てば須らく現実の諸問題が解決するとは「血塗られた悪魔」とも別の意味の「お花畑/能天気」ともいうべきだが、とはいえ、事実に依拠しない理想主義的言説も同様。個人的に、理想を唱えるのは改良・改善を漸進的にでも目指し、貴重だと考えている(トヨタのカイゼンだって同じ)。そういう意味で、憲9条に関し、「世界遺産」化は兎も角(世界遺産は過去の遺物感を醸し出し、理想を顕彰するノーベル平和賞の方がシックリくる)、理想顕彰を目指す本書のロジックには期待。が、本書の論の脈絡のなさ(話題を広げる意図ある太田は自覚的)。
    さらに、事実の提示が少で、少々残念。また、理想を珍品に準えたり、お笑いに塗しながら切って見せるのは、太田・中沢の立ち位置からしてやむを得ないと思いつつも、残念な点か。◆しかし、幕末期の武士道が揶揄の対象だった点を古典落語から引く点は、芸人太田の面目躍如であり、武士道といったタカ派的物言いが依拠するファクトの相対化に繋がるだろう。また、お笑いの持つ愛嬌が、肩を怒らせながら意見を対立させる言動の止揚に繋がるとの視座は◎。2006年刊。
    ◆PS.本筋とは全く関係ないが、小泉政権への厳しい批判者であった「爆笑問題」を小泉政権は文部大臣賞で顕彰したとのこと。為政者は批判されるべき存在である。ならば、小泉政権の懐の深さを誰かさんも持ち合わせてもらいたいものである。

  • 妄信的に護憲派な人も批判しながら、9条がいかに珍品かを語る。異常であり、奇跡でもある。
    先の大戦、戦争を肯定した側を異常者として切らずに、なぜ肯定したのかを考える。宮沢賢治。そうしないと、同じ失敗を繰り返す。そうしても繰り返すかもしれないけど。

  • 実に、日本国憲法とは、一瞬の奇蹟であった。それは無邪気なまでに理想社会の具現を目指したアメリカ人と、敗戦からようやく立ち上がり二度と戦争を起こすまいと固く決意した日本人との、奇蹟の合作というべきものだったのだ。しかし今、日本国憲法、特に九条は次第にその輝きを奪われつつあるように見える。この奇蹟をいかにして遺すべきか、いかにして次世代に伝えていくべきか。お笑い芸人の意地にかけて、芸の中でそれを表現しようとする太田と、その方法論を歴史から引き出そうとする中沢の、稀に見る熱い対論。宮沢賢治を手がかりに交わされた二人の議論の行き着く先は…。

  • 本の存在は気になってたけど、なんとなく避けてたもの。爆笑問題は好きだけど、その本ってどうなのよ、みたいな変な身構えがあったりして。でも、読んでみて恐れ入りました。ニュース番組やらで色々意見するってだけでもかなりの知識が必要なのは自明だし、更にはそこにトンチも働かせようとなると、そら並大抵では無理ですわな。憲法第九条の堅持も含めて、暴走内閣の抑止効果を強く期待します。

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著者プロフィール

1965年5月13日、埼玉県生まれ。日本大学芸術学部演劇学科を中退後、1988年、大学の同級生の田中裕二と爆笑問題を結成。1993年度NHK新人演芸大賞、2006年、芸術選奨文部科学大臣賞受賞。主な著書に『パラレルな世紀への跳躍』(集英社文庫)、『天下御免の向こう見ず』『ヒレハレ草』『三三七拍子』(すべて幻冬舎文庫)、『トリックスターから、空へ』(新潮文庫)、『マボロシの鳥』(新潮社)、『文明の子』(ダイヤモンド社)、『憲法九条を世界遺産に』(中沢新一との共著、集英社新書)、『向田邦子の陽射し』(文春文庫)など。

「2016年 『今日も猫背で考え中』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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