憲法九条を世界遺産に (集英社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087203530

感想・レビュー・書評

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  • 九条の背景に何があるだろう的なことについて太田さんと中沢新一さんって人が語り合う感じ。
    宮沢賢治が国家主義者だったってこととかこれ読むまで知らんかった。あとは太田が日本国憲法は日米合作の奇跡だとか言ってるんだけどまぁ確かにそうなのかもな。
    護憲ってのには覚悟がいるぞってこともまさに同感。九条をドンキホーテに例えてるのもおもろい。米国の建国精神にはインディアンのものがベースにあるって考えも。

  • 40/40

  • 原爆ドームのような負の遺産としてなら、憲法九条を世界遺産にするというのも悪くないかもしれません。
    広島大虐殺と並び、明らかな連合国による犯罪行為の爪痕として。
    そして殿堂入りした「日本国憲法」にはご退場いただくしかありません。

  • 少ない俺の知識では改憲か、護憲か、はっきりとした答えは出せないけれど「憲法九条」を考えるきっかけやヒントを与えてくれた一冊。

  • 今の憲法の成り立ちや日本の戦前戦後の流れを宮沢賢治になぞらえるという考え方が非常に面白かった。太田光さんの考え方には賛否両論分かれると思うけど私は好きだ。

  • 太田光と中沢新一が憲法に対して
    表題の通り面白い切り口で語っている。

    内容については憲法についてよりもむしろ
    宮沢賢治が没前に田中智学の思想を支持したことの方が興味深かった。
    (田中智学は"八紘一宇"といって後に大東亜共栄圏に通じる思想を説いた
    日蓮系の宗教家らしい。)

    宮沢賢治は作品からもわかる通りとても愛情に溢れた人物だということで
    2人は同意している。
    なのになぜ彼の支持した思想が戦争につながったのか?
    それを語らずして戦争を知ることはできないと言うのだ。

    中沢によれば、田中智学が支持されたのは
    「日本人が明治の開国以来感じていた違和感に、
    ピッタリ表現を与えてしまったから」。
    「法律も宗教も、人間からディスコミュニケーションをなくして、
    みんな同じことを考えれば世界は完璧なものになると考えている。」
    「ところが、僕らの世界はディスコミュニケーションでできている。
    宮沢賢治は、この世界がディスコミュニケーションでつくられているということに、ものすごく悩んだ」
    「だからこそ、ディスコミュニケーションをなくして、
    人々が正しい考え方を持って、
    理想の社会へ向かっていくための運動にのめり込んでいったのでしょう」
    と中沢は語る。

    この思想の話はどんどん派生していく。
    「平和の問題というのは、最終的には、人間の持っている愛とは何か
    という問題に突き当たるんだと思うんです。愛がなければ、戦争も起きませんからね。」
    その愛が今度は市場の話に繋がる。
    「物の交換に愛が付随すると、自体が複雑になる。
    そこで、物を今まで持っていた人の所有権から切り離し、
    別の場所に集めようとする。
    それが市という概念で、今のマーケットの原型です。」

    つまり愛は闘争を生み出してしまうということだ。
    「心理はいつも危険なもののそばにあって、それを求めると、
    間違った危険に踏み込む可能性のほうが大きい(中沢)」。
    そのような事実があるこそ愛などについて、
    「自分の中にある矛盾を受け入れること」
    が人を許すことに繋がるのだ。

    個人的にはこの序盤で語られている点が一番興味深かった。

    次の章からは本格的に日本国憲法について語られることになる。

    日本国憲法に価値がある理由について彼らは
    「日本人だけで作ったものでない」
    「あまりに理想的で実現が難しいからこそそこに挑戦できる」
    つまり、自衛隊の存在などを巡り、護憲派・改憲派というように様々な思想を持った人が議論している状態自体が重要だと話している。
    憲法が改正されてしまうとその議論自体ができなくなってしまうからだ。

    それが彼らが憲法九条という理想を実現するのが難しいと理解しつつも
    「憲法九条を世界遺産に」という主張に繋っている理由なのだ。

    憲法を理想のものにしておくべきか、
    それとも現実的なものにしておくべきか。
    その議論を通じてどうやって我々が理想の社会に近づいていくのか、
    本書ではその思想のあり方について説いている。

  • 平和は存在しないし、今後も決して実現することはない。
    しかし人間という(愚かな)生き物にとって、そのベクトル、方向性、考え、理想郷を形にして残しておくは日本にとってというより、世界にとって、未来の人間にとってとても重要なこと。

    世界遺産とは自分達人間の愚かさを知るためのもの。そして将来の人間がそれを犯してしまうという疑いがなければこの世界遺産という発想はでてこない。

    人は愚か。世界は愚か。未来も愚か。だからこそ憲法九条を「世界遺産」という形で残さなければいけないと言う。
    現実・世界・人間を知ってる人じゃなきゃこの本は書けないなぁ。

    すごく新しく面白い芸人らしい太田光の憲法9条の見方に脱帽。
    いやぁこれは面白い!

  • 太田光ってただいいたい事好き勝手言ってるんじゃないってことがわかった。

    そして爆笑問題の田中の必要性もw


    芸人としてどこまでやっていいのか葛藤がありながらも発言しているという彼。

    本の内容も読みやすく、面白いけど
    そんな彼のほうに興味を持った。


    もっと一つ一つのことに興味を持って自分の意見をもって生きたいとも思った。


    *「この国がすき」とあわせて読むことをお勧めします

  • 本棚整理してたら出てきたので、今更ながら読んでみました。

    個人的な感想としては
    「これ、対談にする必要ないやん。各々が一冊ずつ別々に本書いたらええやん。」
    って思うくらい、お互いただ自由に意見言い合ってるだけ。
    中沢さんの方はまだマシやけど、太田は話聞いてるのか?と思うくらい、自由奔放。
    対談する以上、お互いの意見をぶつけ合わせて、その衝突から新たな価値を持った産物を生まなければ、意味がないと思うんやけどな。

    そんで、最初の宮沢賢治のくだりとか、愛についてのくだりはホンマにいらん。全然話まとまってないし。

    憲法の芸術性とか憲法はインディアン虐殺に対するアメリカ人の罪悪感からの深層心理から湧き出たものだとかって話は、まあまあ読みやすかったけど。

    オレには、ただとんがってるように見られるように頑張ってる印象しか受けへんかったな。
    オレが言えることではないがww

  • ●出会い
    ブックオフ
    ●purpose
    憲法九条を知れるのか
    ●感想
    太田光が好きだ

    ●おすすめ度★★
    ●お気に入り★★★
    ●難易度★
    ●読み直し★★

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著者プロフィール

一九六五年埼玉県生まれ。八八年に田中裕二と「爆笑問題」を結成。二〇一〇年初めての小説『マボロシの鳥』を上梓。そのほかの著書に『違和感』『芸人人語』『笑って人類!』などがある。

「2023年 『文明の子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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