フェルメール全点踏破の旅 (集英社新書ヴィジュアル版)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087203585

感想・レビュー・書評

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  • 三十余点しか存在しない希少なフェルメール作品。
    それらを全て観て回ったということで、興味を持って読んでみました。

    オランダで、国の威信をかけて、作品を国外流出させないようにしているという話を前に聞きましたが、ほかにもドイツ、オーストリア、イギリス、フランス、アメリカに作品はあるようです。
    その一つ一つを観て回った感想が掲載されています。

    確かに観察力は詳細ですが、それにしても著者自身わからないことばかりのようで、その疑問をこちらにぶつけるような書き方をしているため、読んでいても理解できないところばかり。
    読者を導くわけではなく、一緒に歩もうとする書き方が、なんだか素人っぽいなと思ったら、著者はジャーナリストで、フェルメール専門家ではありませんでした。

    この本も、雑誌『UOMO』の掲載に組まれた企画で、本人が持ちこんだものではないということですし、そもそも作品に興味を持つようになったは、フェルメールの本を書いたのがきっかけという逆の流れだと知り、一気に読む意欲が落ちてしまいました。

    「この絵の意味するところは?小林頼子は『フェルメール論』でこの絵に込められている寓意の深さを丹念に解説しているので、興味がある読者はそれをお読みになることを勧める。要約すると次のようになる」

    など、完全に人の土俵の上で相撲を取っているようなところは、文筆家としてどうかと思うのですが、つまりは紀行エッセイであり、作品研究は別の人にお任せ、ということなのでしょうか。
    少し興ざめしつつも、エッセイ文とフェルメール絵画は別物と思って、作品を一点ずつ追って行きました。

    全作品といっても、全37枚中の4点はもろもろの事情により観られなかったとのことです。
    彼の個々の作品紹介をまとめて読んだのは初めてでしたが、続けて絵を観て行くと、それまで気がつかなかったこともわかりました。
    例えば『手紙を書く女』『窓辺でリュートを弾く女』『ギターを弾く女』『女と召使』の女性は、みんな毛皮つき黄色いケープをはおっており、おそらく同じモデルによる作品だということ。
    光と影の手法がかなりレンブラント的だということ。

    目下美術館から盗み出されて行方不明中の『合奏』が、早く戻ってくることを願うばかりです。

  • 今まで合計7点、大阪、神戸、京都の美術展で見ました。関西の美術館で全点踏破出来ないかなぁ〜。

  • [ 内容 ]
    日本でもゴッホと並ぶ人気を持つ十七世紀オランダの画家、ヨハネス・フェルメール。
    その作品は世界中でわずか三十数点である。
    その数の少なさ故に、欧米各都市の美術館に散在するフェルメール全作品を訪ねる至福の旅が成立する。
    しかもフェルメールは、年齢・性別を超えて広く受け入れられる魅力をたたえながら、一方で贋作騒動、盗難劇、ナチスの略奪の過去など、知的好奇心を強くそそる背景を持つ。
    『盗まれたフェルメール』の著者でニューヨーク在住のジャーナリストが、全点踏破の野望を抱いて旅に出る。

    [ 目次 ]
    フェルメールの魔法
    ベルリン
    ドレスデン
    ブラウンシュバイク
    ウィーン
    デルフト
    アムステルダム
    ハーグ
    ロッテルダム
    ロンドン
    ロンドン
    パリ
    エジンバラ
    ワシントン
    フィラデルフィア
    ニューヨーク

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    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • フェルメール展に行く前に。。と予習を兼ねて読みました。
    ただ作品を並べた解説書ではなく、所蔵している美術館などの話が興味深かったです。

  • 著者は美術史には素人(というか他の分野にせよ専門家・研究者ではない)、というのは長所でもあるのだが、あまりに大雑把で不正確になりかねない記述が散見する(新書にはありがちだけど・・・)。

  • フェルメールをめぐって世界中を旅するのはすごい贅沢!彼女の解説も良かったです。

  • 芸術の"げ"の字も知らない私は、フェルメールで作品名とイメージが一致していたのが「真珠の耳飾りの少女」だけ(汗)。この本では作品の紹介プラスαで"旅"の要素が入っているので、アート音痴の私でも楽しめました。

  • 【~時代を超え、宗教を超えて、見る人の心を揺さぶる】

    写真も載っていて良い。偶然手にとって購入。
    著者のように短期間で実物を見て回れたらどんなに至福だろう

  • 現存する作品は30数作というフェルメール。その全作品を見るぞ、と著者が旅に出て、実際に絵を鑑賞していく。私はトイレで読んだ。というか眺めた。この時代、絵に寓意を持たせるのが流行だったようなのだが、その辺の話はふーん、そうなんですか、という感じであまりピンとこなかった。絵が全点カラーで収録されているのがGood(ある意味、トイレ向き(^^;))。値段の割にお買い得と思います。

  • とくに真珠耳飾の少女 と メトロポリタンにあるやつが好きなんだけど、他の絵もほんと素敵で。

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