「狂い」のすすめ (集英社新書)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087203776

感想・レビュー・書評

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  • 少し前の本です。

    自由人になる為にはどうすればよいのかを
    あらゆる宗教の教えに例えています。

    すごく文章に嫌味が無くスッと入ってきます。

  • がんを含めてあらゆる病気に対して医学がやるべき事は、患者の日常生活が楽になるようにお手伝いすることです
    仏教の考え方は、老病・死を敵視しません

  • 「遊び心」の本かな…と思います。
    「世の中はどうせ狂っているし、だれしも必ず死ぬし、だったら気楽に行きましょう」っていう内容。
    めずらしいのは、「こういうことをやれば大丈夫!」というものを示すのではなく、「こういうふうに考えられるようになればいいよね」っていう感じで、それが実践されなくても別にいいや、っていうスタンス。
    飄々とした感じでした。

  • この一冊を求めている人にとってはこの一冊は非情によい良書となりうると思うし、実際にこの一冊を求めている人は少なからず存在しているだろう。しかし、
    個人的にはこの著書には欺瞞を感じてしまわざるをえない。

    「社会は狂っている。しかし、それを常識としてしまうのが世間です。それに押し付けられてがんじがらめになって苦しむのです。我々は所詮弱者です。弱者なら弱者らしく狂ってしまえばよい。それで随分と楽になります。がんばらなくてよい、あなたらしくでいい」

    もちろん、こういう言い方でしか掬い取れない人々が一定数存在しているのは硬くないが、この人は、「弱くとも徹底抗戦」する人々については意識的にか触れないでいる。いや、ときおり出してはいるのかもしれないが、そこについてはあまり言及せずに済ましている。そういう意味で、この一冊は、「大衆になれない大衆」のための一冊だと思われてならず、無論、臨床心理を勉強したいと考えている自分がこういうことを言うのは甚だ矛盾しているのかもしれないが、しかし、こういう感想を抱かずにはいられなかった。また、この人は、かなり卑怯でもある。つまり、何か批判を食らえば、「しかし、それはあなたがそういう常識に囚われているのです」という返しをする。だが、それを言ったら、何もかもが常識に囚われていると返されてしまい、つーことは、「あなたは私が常識に囚われているという常識に囚われている」という反論を食らわせれば一体、どういう答えを返せるのか?もはや泥沼である。この著書では酷く単純化された著者の思想が並べられており、それもかなり実践しやすいレベルで綴られている。そこに至るまでに著者の葛藤などがあって、それを経ているからこその単純さなのかもしれないが、この単純振りが物足らなくもある。

    ただ、それでも、このひとの「なぜ生きるか?」への返しとしての、「ついでに生きている」という答えや、

    ――「世間と言うものは、近寄ると危険です。楯突くのはよしたほうがいい。ただ、黙ってにやにや眺めているといいのです。そして、心の中では、狂っている世間を軽蔑します」という、この、「にやにや」という言葉につい、吹き笑いをもらしてしまい、これは一つやられたなと思わされた。

    また、縄文型――弥生型の分類は中々面白い。家の前の掃き掃除をするときに隣の家の前まで掃いておくと、縄文型ならば、「ありがとう」と感謝して終わり、弥生型ならば代わりに家の前を掃除しなければならないという「義務」が生じてしまう。そして、日本と言う国は農業国である上に、近年ますます弥生方の社会になってきている以上、「余計なこと」はしてはいけない。つまり、相手に義務を生じてさせてしまうから。個人的な感想としては、ここでかっとなるのが偽善者。ここでその通りだとうなずくひとは冷淡者。そりゃそうだけれどちょっとすっきりしないなぁって思う人が一番良識あるひとだと思う。あといくつか追記するなら、この人世間をあまりに単純化しすぎてる気もする。その辺りはやはり昔の人なのかもしれない。いえね、単純化したくなるくらい単純な人たちも多いのは同意するのだけれども……。

  • 死にそうな時に読むと安心する

  • 結論は納得できるのだが、その理屈が納得できない。例えば、「現在を楽しめ」と言われればそうだと納得できるだろう。
    しかし、「人生に意味はないし生き甲斐は不要だから、現在を楽しめ」と言われると納得できる人は少ないのではないだろうか。
    人生に意味はない・生き甲斐は不要だという理屈はもちろん書いてあるし言わんとしていることはわかる。しかし、例えが極端な物が多い。そのため、いやそれは違うだろうと思いながら読み進めると、最終的には確かにそうだなという結論に行きつきなんだかモヤモヤした気持ちになった。

  • まとめ

    □弱者の自覚、狂者の自覚が必要
    □世の中は狂ってる、自覚すれば自分は正常になるかも
    □でも逆らう必要はない、少し嘲笑して蔑んでいれば良い
    □自由=自らに由る になれ
    □近藤誠と対談して共感している
    □生き甲斐を押し付けられ、世の中の奴隷となっている
    □隣の三尺 小さな親切大きなお世話
    □ご縁=比較対象→ 比較してはならない=仏の物差し

    感想
    物事を流せない真面目な人には、もっと楽に生きても良いではないかと語りかけているので良いだろう。
    自由の為には、拠り所が必要、つまり情報が必要。評価してはならないとあるが、正確な情報を手にしてから、世間に流される事ではなく=どちらが機能的に優れているかではなく、どちらが自分に適するのかという評価は、それこそ個人の自由である。
    流れに竿立てず生きるのも大切だが、個人の価値観を軽んじて、仏の教えである「卓越した無執着」とは異なるものが読者に伝わらないか気がかりである。

  • 人生を遊ぶ

  • 『狂う』とはなんだろうか。
    少なくとも常識的なことではないと思う。
    しかし、そんな常識は普遍的かというと、時代に左右されていくらでも変わってしまうものだったりする。
    そんなコトを教えてくれた1冊。ちゃんと理解できたかというと、たぶんできていない。難解でもある内容だった。

  • 世間の常識にとらわれていると奴隷になってしまうかもよ。って本。
    「狂い」っていうのは常識からはずれたこと。でもその”世間の常識”だってくるっているんじゃありませんか?

    …一言でまとめるとそんな感じ。

    現在を生きましょう、過去を追わず、未来を願わず、今を楽しむ。

    一日賢者…毎日「あすはどうなるかわならないが今日は賢者でいよう」って考えること。それを枚二位できるのこが理想ってお釈迦さんが言ってる来意。ずーっとこれから賢者じゃなくって、毎日決意する。
    確かにそっちのほうが気が楽だ。そして結果は同じ。

    期待しないっていうのは、絶望するってことじゃなくて、今を楽しむ。がん患者はがん患者としていきればいのです。治るかもしれないし、治らないかもしれない。

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著者プロフィール

1936年大阪生まれ。
東京大学文学部インド哲学科卒業、同大学院博士課程を修了。
気象大学校教授を経て、宗教評論家として活躍。
「まんだらの会」会長、大正大学客員教授。
著書に、『仏教の歴史』(春秋社)、『釈 とイエス』(新潮社)
『自分が変わる』(世界文化社)、『宗教激突』(ビジネス社)など多数。

「2004年 『釈迦物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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