ニッポン・サバイバル ―不確かな時代を生き抜く10のヒント (集英社新書)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087203790

作品紹介・あらすじ

いじめに苦しむ子どもたちや、悩みを抱えた大人たちなど、毎年、三万人以上が、自殺に追い込まれている。そして本当に怖いのは、この社会で共に生きる他者への無関心と、無慈悲さの蔓延だ。「悪人」だけが跋扈しているわけでもないのに、一体なぜなのか。また、相談機能を失ったこの社会で、どこにも逃げられず、頑なにもなりきれないフツーの人たちは、どうしたら漠然とした息苦しさから解放されるのか?注目の政治学者が、幅広い世代から寄せられた声に誠実に向き合い、この国でしたたかに、しなやかに生き抜くための方法論を提示した、現代日本の必読書。

感想・レビュー・書評

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  • 著者のテーマに相当するコメントが太字で書かれており、読みやすかった

  • 真剣に考えるのを休みがちなときに、読んでみたい本。
    考え続けられる力を、もっと磨きたいと思った。そして言葉にする力。
    いろいろなテーマから成り立っているけれども、一人の人間としてしっかりとした軸を持っているか出るように思った。その共通した自分の考え方とか生き方を突きつめて考えるきっかけにしたい。

  • 本のタイトルと内容が合っていないような気がしますが、今の日本社会について姜尚中氏の思っていることを書いたものです。文章もTVに出てきて静かな物腰で語る口調と同じで、同感できることできないことありますが、氏の考え方が伝わってきます。

  • 第1章 「お金」を持っている人が勝ちですか?
    第2章 「自由」なのに息苦しいのはなぜですか?
    第3章 「仕事」は私たちを幸せにしてくれますか?
    第4章 どうしたらいい「友人関係」が作れますか?
    第5章 激変する「メディア」にどう対応したらいいの?
    第6章 どうしたら「知性」を磨けますか?
    第7章 なぜ今「反日」感情が高まっているの?
    第8章 今なぜ世界中で「紛争」が起こっているの?
    第9章 どうしたら「平和」を守れますか?
    第10章 どうしたら「幸せ」になれますか?

    著者:姜尚中(Kang Sang-jung, 1950-、熊本市、政治学)

  • 授業で使った本。

  • 著者をはじめて「朝まで生テレビ」で見たときは、えらくスローテンポで落ち着いて話す人だなあという印象を持ちました。そのためか、他の出演者よりも信頼がおけるような気がしたものです。本書を読むと、もともとテレビは苦手だったとか。でもテレビというメディアは大したものです。あっという間に有名になって、いくつもの本を出されるようになりました。さて、本書はネット上の女性週刊誌に連載されたものとか。とてもやわらかく、やさしく語られています。同じ著者の本は他に読んだことがないのですが、たまたま、お金を持っていれば幸せなのかどうかとか、憲法九条のこととか考えていたところだったのでテーマにひかれて読んでみました。いくつか興味を持ったことがらについて・・・日本の男性は軟弱だけど、韓国の男性はしゃきっとしているのは徴兵制があるからではないか。日本にも導入せよ・・・なんていう議論があるようですが、著者はきっぱりとそれは間違いと言っています。韓国の若者は徴兵制のために疲弊してしまっている。しかも軍隊での上下関係やいじめが原因での自殺が絶えないのだそうです。また、幸福ということについては、単なる快・不快ではなく、人格と密接に結びついているという議論をされています。幸せにつながる人格ということの意味がまだよくわからないのですが、もう少しじっくり考えてみたいと思います。さらに「足るを知る」という考え方は、今の環境問題を考慮すれば、大変重要であることがすぐに分かります。どんどん便利になる世の中で、ほどほどとか、ちょうど良い加減のところで幸せを感じて生きていければ良いですね。

  • 失礼ながら、あまり期待せずに読み始めた。
    実際、最初の経済の話題に関する章などは、やはり8年も経ってしまっているので、今から見るとちょっとフィットしないのかな、と思われる部分もあった。
    けれども、やはり近隣諸国の反日感情にどう向き合うべきかについての提案や、日本国憲法の価値を論じた、終わりの方の章は、この人らしい、ぶれない軸を感じられた。

    たしか、この本が書かれた時期は、姜さんがメディアにたくさん出ていたころだと思う。
    まだそれほどメディアに出ないころから、著書を読んだことがあっただけに、当時、ちょっと違和感を感じていた。
    ご本人の中で、自分に正直になろう、という転機もあったようだ。
    けれども、それ以上に活字の世界だけでは伝えられないという危機感のようなものがあった、ということが大きかったとのこと。
    これが書かれてから、8年。
    状況はもっと悪い方向に進んでいる気がする。
    姜さんの投げたボールを、どう受け止めたらいいのだろう?

  • 姜尚中さんの視点で、幸せについて語る

  •  自分の潜在的な可能性を活かせるかどうかは、その人の人間性にかかっています。自分や肉親だけが良ければ良いと競争的に突っ走ると、相手の潜在的な可能性を殺す方向に働きます。それは、限られた利益の中で、どれだけ自分の取り分を多くするかというような働き方だからです。
     逆に、相手の潜在的な可能性を引き出すことによって活かそうとする働き方では、組織全体の利益が増えるエネルギーが働きます。ゼロサムゲームで自分の利益を最大化しようと働くより、自分が所属する組織の利益を最大化しようとする働き方の方が、皆が幸せになれる働き方ではないでしょうか?

  • 【図書館報「みずもと」第25号(2007)による紹介】

    一人の人間としてどう生き,社会とどう向き合えば良いのか。本書には,そのヒントが詰まっています。「『お金』を持っている人が勝ちですか。」「『自由』なのに息苦しいのはなぜですか?」「どうしたらいい『友人関係』が作れますか?」「今なぜ世界中で『紛争』が起こっているの?」など,10の問いに政治学者が丁寧に答えています。私は,著者の提唱する「身の丈経済」を支持し実践している一人かもしれません。

    奥野恒久先生

    図書館の所蔵状況はこちらから確認できます!
    http://mcatalog.lib.muroran-it.ac.jp/webopac/TW00322590

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著者プロフィール

1950年熊本県生まれ。東京大学名誉教授。専攻は政治学、政治思想史。主な著書に『マックス・ウェーバーと近代』『オリエンタリズムの彼方へ―近代文化批判』(以上岩波現代文庫)『ナショナリズム』(岩波書店)『東北アジア共同の家をめざして』(平凡社)『増補版 日朝関係の克服』『姜尚中の政治学入門』『漱石のことば』(以上集英社新書)『在日』(集英社文庫)『愛国の作法』(朝日新書)など。

「2017年 『Doing History』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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