米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)

著者 :
  • 集英社
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レビュー : 92
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087204063

作品紹介・あらすじ

稀有の語り手でもあった米原万里、最初で最後の爆笑講演集。世の中に男と女は半々。相手はたくさんいるはずなのに、なぜ「この人」でなくてはダメなのか-"愛の法則"では、生物学、遺伝学をふまえ、「女が本流、男はサンプル」という衝撃の学説!?を縦横無尽に分析・考察する。また"国際化とグローバリゼーション"では、この二つの言葉はけっして同義語ではなく、後者は強国の基準を押しつける、むしろ対義語である実態を鋭く指摘する。四つの講演は、「人はコミュニケーションを求めてやまない生き物である」という信念に貫かれている。

感想・レビュー・書評

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  • とある国語の試験問題で引用されていたらしく、気になって購入してみた。
    冒頭部分しか読んでいないのに感想を書くのもどうだろう、と思いつつも、この人の文体が気に入ったので、ひとまずメモ程度に書いておこうと思った次第である。
    パラパラとめくってみると、全体的に読者に語りかけながら書き進めているのが分かる。よくありがちな手法ではあるが、その「よくありがち」な文章作品というのは、不特定多数の読者(リスナー)に向かって語っている空気を醸し出すものである。あるのだが、この本は違った。少なくとも、私は違うように感じた。不特定多数に向けて発しているのではなく、一読者を相手にしているように受け取ってしまうのだ。
    (それは同じことでは?)
    まあ、確かに違いは小さいかもしれないが、本を読んでいるより、「筆者と対話している」ような錯覚を味わうのが不思議だった。もし直接会う機会がbあるとすれば、「いつぞやはどうも」とあいさつしてしまうかもしれない。
    この文体、素敵だなぁ。

  • 一読の価値ありってこういうときいうのかしら。
    とにかく一読しておけ。飽きさせはせん!
    と太鼓判を押したいです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「一読の価値あり」
      此れは講演録だから、音声ソフトにでもすれば良いのに、、、と思っている。米原万里って、どんな声、どんな話し方だったのか聞い...
      「一読の価値あり」
      此れは講演録だから、音声ソフトにでもすれば良いのに、、、と思っている。米原万里って、どんな声、どんな話し方だったのか聞いてみたいものです。。。
      2013/02/18
  • 東京の往復の新幹線の中で一気に読み終えました。

    テレビでのコメンテーターとしてのコメントがすごく鋭くて,すごい人だなと思っていたのですが2006年に亡くなったのがとても惜しいです。

    わかりやすい表現で,いろんな講演をしていたのですね。聞いてみたかったです。普通,文化講演会というと眠くなりそうなイメージですが,この本に掲載されている講演会はどれも面白い。
    たくさんの知識,同時通訳としての経験や本当にたくさんのことを話しながらわかりやすく伝える。すごいと思いました。

    印象に残ったのは,「第三章 理解と誤解のあいだ 通訳の限界と可能性」です。
    〜コミュニケーションというものは,不完全なもので,完璧なものにするのは永遠に不可能です。しかし同時に,人間というのは,常にコミュニケーションを求めてやまない動物であるという確信が,私にはあります。たぶんそれが現在も通訳をしてる原因ではないかと思うのです。みんなが同時に笑えて,一緒に感動できる。いつもそれを目指しています。不完全だけれども,とにかくいつもそれを目指し続けるというのが,通訳という職業ではないかと思っています。」という締めの言葉ですが,自分だけ理解していてもコミュニケーションはできないんだなと。当たり前なんですけど,言葉にしなくては,伝えようという努力をしなくてはいけないものだと。黙っていては分かってもらえない。言葉にしても,相手に分かるように伝えなくては仕方ない。私の反省点です。

    4つの講演会の内容,どれも本当に,最後まで飽きさせず,思わず笑いながらうならせる内容で,読んでいて時間があっという間に経ちました。

  • 言葉と文化により心は左右される。
    言葉が強ければ反発し、弱ければ受け入れる。

  • 大きくなったら中村元さんや米原万里さんのような美しい文章が書ける人になりたい

  • 小説家としてしか知らなかったけれど、まさか、こんな人だったとは!
    語られている内容に、一々納得させられる。
    いやー、一気読みでした。

  • 「愛の法則」というタイトルだが、愛について語っているのは、最初の1章のみ、残りの章は翻訳者ならではの国際感覚の話、語学勉強法の話など、タイトルとはそぐわない?というか、今のタイトルではもったいない話が満載。翻訳者を目指している人、国際化が必要と叫んでいるひとには一読を勧めたい。
    個人的には、英語ともうひとつの外国語を学んでいたほうが良いという意見が斬新。また、読書が良い学習法というのも、読書好きにとってはうれしい提言である。

    以下注目点
    ・国際化(グローバリゼーション)とは
     アメリカ型:自分を世界の基準にしようとする。
     日本型:世界の基準に自分を合わせようとする。
    ・言葉とか文化は、自分たちが自分たちであることの結果の砦、よりどころとする重要なもの。日本人はこれが希薄。
    ・サミットでは、他の国が直接同時翻訳してコミュニケーションしていたのに、日本だけが、28年もの間、英語経由(英語でフィルタリングして)でコミュニケーションしていた。
    ・他国語の翻訳者に比べ、話がつまらなく、個性的な魅力に乏しいのが、英語翻訳者。優等生タイプが多く、角が取れてしまっているから。
    ・外国文化を絶対化する病気。外国語を学ぶと必ずかかる病気。努力して学んだのだから、意味があって欲しいと思うのは、まあ人情。
    ・英語命より、もう一つ外国語を学んでいるほうが、英語を学ぶ上でも、遠回りのようで近道。
    ・フランス語とイタリア語とスペイン語とルーマニア語とポルトガル語は非常に近い。
    ・日本語、ハンガリー語、トルコ語:膠着語
    ・英語、中国語、ヴェトナム語:孤立語
    ・ロシア語とかフランス語:屈折語
    ・三つ目は、屈折語が良い。
    ・新しい言葉を身につけるためにも、維持するためにも、読書はいちばん苦痛のない学習法。

  • 米原万里さんの本。この方がこの世にいないのは残念でならない。とても、視点がユニーク。

  • 講演録なので読みやすい

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著者プロフィール

1950年、東京生まれ。翻訳家、エッセイスト、小説家。『不実な美女か貞淑な醜女か』で読売文学賞、『?つきアーニャの真っ赤な真実』で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。2006年没。

「2016年 『こんがり、パン おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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