新個人主義のすすめ (集英社新書 (0427))

著者 :
  • 集英社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087204278

感想・レビュー・書評

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  • りんぼう先生の「新個人主義のすすめ」の中から、少し紹介させていただきます。

    まず、『夫婦関係は「世話をやかない内助の功」』では、私自身の生活とアナロジーするような夫婦関係の話が載っていました。

    おそらく、他の男性諸氏にとっても、腑に落ちる点は多いことではなきでしょうか。

    また、女性諸氏にとっては、外面(ペルソナ)はいざ知らず、自分が母系社会の担い手との自負をお持ちの方では、夫婦関係だけでなく、自分の人生もうまくコントロールされているようにお見受けします。

    レヴィー=ストロースの「ブリコラージュ」ではないですが、無いものねだりするよりも、あるものを生かすことの洞察を積む方が、有意義な生き方になるということですね。

    十七条憲法「和を以って貴しと為す」では、日本の同質社会について述べられています。

    長い歴史がある分、多少社会構造が変わっただけでは、その日本の同質社会の本質は今後とも変わることはないといえるのでしょう。

    一方、中国は個人主義社会といわれます。

    しかしながら、欧米でいう利他的な個人主義とは異なり、利己的な個人主義であるとのことです。

    同質社会でも、個人主義でも、その社会に適用されている本質が洞察できていれば、一概に、いいとか、悪いとかは、いえないということのようですね。

  • 面白い読み物でした。ただ、「没義道(もぎどう)」だとか、普段使わない単語が結構頻繁に出てくるので、その度に辞書を引かなければならず、なかなか読み進めづらいのと共に、もっと簡単で単純な表現ができるのに小難しい単語を使っているところが、なんとなくカッコつけのようで、嫌味に感じてしまいました。「これぐらいの単語は理解できる教養を身に着けなさいよ」ということなのかもしれませんが。
    一方でその小難しい単語が使われることによって生まれる作品全体に漂う品のよさみたいなものもあり、一長一短だなと思いました。
    全体が自問自答にも見えるQ&A形式のような構成で、面白くはありましたが、筆者が鏡に向かって自画自賛している感じの印象を節々から感じ、読後感としては微妙なものがありました。筆者の本「イギリスはおいしい」を読んで興味をもった本でしたが、軽妙な内容のそれより、やはりインテリな感触です。

  • 著者がどんなひとなのか、まったく知らないままに読んだので、人間的文脈のなかで読む、ということができなかった。
    でも本書に書いてあることは、まったくまっとうなことでした。自分が個人として自由を持って生きるならば、他人に対してもおなじように個人として接するようにするべきだ、と。頭のなかで考える分には、わざわざ本にするような考え方か?とも思うけど、まぁそれは、できているつもりでもできていないと考えたほうがいいんやろうな。

  • 本のタイトルに関しては、現代に於いての大人としての普通の考え方…
    個人主義という程でもない。時代遅れの感が。
    結局は全体との絶妙なバランスでの個人としての生き方という事。

    個の評価が認められなかった昭和団体社会世代への鬱憤?
    むしろ他人の評価に依存している感じで真の個人主義とは言えないのでは。個人主義というよりは個我主義?損得主義?

    忘れていた昔の良き時代の事や、
    ONとOFFが交じり合わないようにする。和は同ではない。等、
    巧く意識化できない部分を言語化、
    日本の個人主義の先達、イギリスに関しての章はタメになった。

    その先達の部分を読むと、やはり最高峰の「個」は、
    全体の為であるなあと。

    巻末の、他への思いやり…とあるが、
    結局はその個の余計な我を減らせば宜しいのではと。
    そうした「大きな個の心」で個人だろうが団体だろうがスマートに融通無碍。

    現在の平成時代のお陰で、その「個」は非常に
    表現しやすい時代になったとも言えるが
    311以降はその流れも決定的に変化し、
    その個と全体の考え方双方を、今とは別な流れで増幅させて行かなければこの時代を越える事は不可能では。と感じてしまった。

  • 僕もこの新個人主義をモットーにして生きていきたいと思う。

  • 個人主義とは、自分以外の他人を一個独立の個人として認めること。他人を慮る、利他主義。

  • 個人主義が悪いことじゃないよ、
    個人を尊重することは他者を尊重することですよ。

    というお話なんですが、
    なんか途中、個人主義というか、
    著者の価値観の主張っぽくなってる部分もあり。

    まぁ、全体としては、現代のふつーの人付き合いが書いてあります。

  • 購入。

  • 08075

  • 普段なんとなく聞く個人主義と著者が言っている個人主義は違う。

    著者は根っからの個人主義派なので、参考にしつつ
    一度自分で、個人主義を考えたい。

    考えよう。

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著者プロフィール

1949年東京生。作家・国文学者。

慶應義塾大学文学部卒、同大学院博士課程満期退学(国文学専攻)。東横学園短大助教授、ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。『イギリスはおいしい』(平凡社・文春文庫)で91年日本エッセイスト・クラブ賞。『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(Pコーニツキと共著、ケンブリッジ大学出版)で、国際交流奨励賞。学術論文、エッセイ、小説の他、歌曲の詩作、能作・能評論等著書多数。『謹訳源氏物語』全十巻(祥伝社)で2013年毎日出版文化賞特別賞受賞。2019年『(改訂新修)謹訳源氏物語』(祥伝社文庫)全十巻。ほかに、『往生の物語』(集英社新書)『恋の歌、恋の物語』(岩波ジュニア新書)等古典の評解書を多く執筆。『旬菜膳語』(岩波書店・文春文庫)『リンボウ先生のうふふ枕草子』(祥伝社)、『謹訳平家物語』全四巻(祥伝社)『謹訳世阿弥能楽集』(檜書店)『謹訳徒然草』(祥伝社)等著書多数。

「2021年 『古典の効能』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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