<ヴィジュアル版> 百鬼夜行絵巻の謎 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087204728

作品紹介・あらすじ

二〇〇七年七月、画期的な絵巻「百鬼ノ図」が発見される。この新発見の絵巻の登場によって"謎"だらけといわれてきた百鬼夜行絵巻のミステリーが一気に解け、これまでの定説は完全にくつがえることになったのである。著者は、国内外にある百鬼夜行絵巻の伝本六十余の画像をすべて収集、それらの詳細な分析により、絵巻の成立と系譜の全容の解明をはたす。この発見と研究のプロセスを収録した本書は、妖怪研究第一人者による、百鬼夜行絵巻研究の決定版である。本邦初公開の「百鬼ノ図」をはじめ、初紹介の伝本多数をカラーで掲載。

感想・レビュー・書評

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  • 百鬼夜行絵巻についてなんとなーくしか知らない人でも読めます。百鬼夜行絵巻が60近くもあることすら知らなかったですが、これらの作品の分類を定義されています。いくつかの絵巻が挙げられていますが全てカラー写真で掲載されているので見やすいです。また、それぞれの作品に関係するかもしれないと色々な妖怪話などが今昔物語などから説明されていたので、知らない昔話を聞いてるようで面白かったです。百鬼夜行と付喪神や鳥獣戯画などが繋がっていくのは新鮮でした。

  • 展示テーマ:鬼

  • テキストクリティークのように百鬼夜行絵巻を系統的に分類
    ・評価した本。単に百鬼夜行絵巻と一口に言っても様々な
    ものがあるのだ。しかも系統別に分類できるという面白さ。

  • 美術

  • やはり研究者自身の手による本は思い入れが伝わり面白い。百鬼夜行絵巻は確認された点数も思うほど多くない、割と限定的なジャンル。ただ、それを深く突っ込んで調べる面白さが伝わってくる本だ。DNAから生物進化や人類の拡散をたどる研究にも似ている。

  • 目に見えないからこそ
    見えてくるもの がある
    耳に届かないからこそ
    聴こえてくるもの がある

    昔も今も
    その辺りのことは
    ずっと
    変わらぬ真実である
    そんな気がする

    これまでも
    そして
    これからも
    「百鬼夜行絵図」は
    読み続けられ
    読み解かれていくのでしょう

  •  今年の夏は妖怪が熱い。というのも東京で2つの展示が行われているからだ。両国の大江戸東京博物館で開催中の「大妖怪展 土偶から妖怪ウォッチまで」と、池袋のサインシャインで開催中の「体感妖怪アドベンチャー GeGeGe水木しげるの大妖界」が開催されている。


     妖怪で盛り上がる夏に、謎だらけと言われてきた「百鬼夜行絵巻」に焦点を当てたのが今回の本。しかも妖怪研究の第一人者による解説と多くの絵巻物がカラーで載っているところがポイントだ。


     人間が描き出す妖怪の世界。多種多様な妖怪ワールドが広がっている。ユーモラスな妖怪、グロテスクな妖怪など見ていて楽しい。思ったよりも怖くなかったな。


    大妖怪展


    http://yo-kai2016.com/


    体感妖怪アドベンチャー GeGeGe水木しげるの大妖界


    http://gegege-daiyoukai.com/

  • 百鬼夜行絵巻の系統図に関する新たな発見を議論。

    ずいぶん前に買ってちょこちょこ読んでいたのだけど、暫く本棚の肥やしになっていたのを引っ張り出して一気に最後まで。
    ヤー、面白かった。
    あまりなじみのない文献学的な議論を楽しめたし、各絵図からの影響とかを比較していくのはホントに、学問、って感じ。
    妖怪学入門にあった、怪異の妖怪化についての現象→存在→キャラクター化、という流れについて、百鬼夜行絵巻的に器物(付喪神)は単なる擬人化ではなくて、「獣化」「鬼化」であるっていうのは、なんか新鮮な発見だった。
    やっぱ面白いなぁ。

  • 多数ある百鬼夜行絵巻諸伝本があるひとつの百鬼夜行絵巻の発見により分類され、その系統や成立・派生にまで切り込んでいく。
    系統だてていく過程の話が主になり、そのための資料として国内外の百鬼夜行絵巻や妖怪や伝説等の図版が満載なので、妖怪好きな方は系統に興味はなくても図版は楽しめると思う。

    個人的には京都市立芸術大学蔵の「百鬼夜行絵巻」がものすごく好みだったのでもっと大きい図版で見たい!
    それに百鬼夜行絵巻の詞書もはじめて読んだので興味深かった。
    いつかどれかの祖本が発見されるといいなぁ。
    それにしても、海外に流出してしまっている日本の美術品を思うと惜しくてならない!

  • 思った以上に専門的な事をやっていた。
    最終章の「人間の世界と妖怪の世界がであったときにストーリーが始まる」「擬人化した動物は妖怪といえるのか」は面白く読めたが、それ以外は……。

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著者プロフィール

国際日本文化研究センター教授、同副所長

「2011年 『【対話】異形 生命の教養学Ⅶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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