振仮名の歴史 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087205015

作品紹介・あらすじ

本書は、日本語表現の最強かつ饒舌なサポーター・振仮名にスポットを当てた本邦初の解説書。『日本書紀』の読み下しから夏目漱石の直筆原稿、サザンオールスターズの歌詞、漫画のふきだしまで、縦横無尽に振仮名を分析する。

感想・レビュー・書評

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  • 面白いテーマで、面白く読んだのですが、もう少し掘り下げて欲しかったかな、という気もします。

  • 予想以上に面白かった。

  • P26にある「正書法がない」について、他の外国語ではいのだろうか?と素朴な疑問を持った。

  • 感想未記入

  • 漢字を中国から輸入して日本語に翻訳していることを考えると、なるほど振り仮名の歴史は長いし、日本語の柔軟性に納得できる。考えてみれば簡単なことなのだが、この本を読むまで気づかなかった。

  • 欧州にはない、日本語のかがやきは、振仮名の力。発音、表現、翻訳までこなす縁の下の力持ち! 平安から現代まで日本語の文章表現を彩ってきた、もうひとつの主役は振仮名だった! 振仮名は単なる読み方の表示にとどまらず、微妙なニュアンスを表現し、漢語や英語の翻訳まで担ってきたのだ。本書は、日本語表現の最強かつ饒舌なサポーター・振仮名にスポットを当てた本邦初の解説書。『日本書紀』の読み下しから夏目漱石の直筆原稿、サザンオールスターズの歌詞、漫画のふきだしまで、縦横無尽に振仮名を分析する。

    振仮名の歴史を通して日本語の変遷がよくわかって、なかなか興味深い一冊でした。漢字、ひらがな、カタカナを織り交ぜて使う日本語ならではの難しさ、面白さが満喫できましたね。振仮名のことを「ルビ」って言うようになった理由もわかりましたよ。難しい漢字にまったく振仮名を振ってくれていない本もあって適当に読み流すことがあるけど、その本をホントに楽しむためには難しい漢字だけは振仮名がほしいなあ、と思います。

  • 時間切れ。又機会があったら借り直す。

  • 振り仮名というと、読めない漢字につけられるものという答えが返ってくるかもしれないが、本書で紹介されている日本語の振り仮名は、それは多様で、豊かなもので、サザンオールスターズの桑田の「あるがままに(let it be)」のように、英語だって日本語に振ることができるほどである。振り仮名は、一つのことばに別のことばを重ねるもので、読者は同じ空間からより多くの情報を得ることができる。ことばは耳で聞いてわからないといけないもので、書かれたものが読めない、一つに読めないというのは正書法が確立していないことを意味するのではあるけれど、一方で、いくつもの種類の文字を併用する日本語では、振り仮名によって言語の情報多層性を与えることもできるのではないだろうか。ともかく、本書には「そこまでして漢字を使いたいか!」という例が満載である。また、本書にはなぜルビというのか、活字のポイントにはどんなものがあるのかから、今野さんが「北野真弓」と名乗って雑誌の編集の手伝いをした話まで出て来る。漱石の「門」の新聞社内版が古書で出ていたが買えなかった、ということばから、古書コレクター今野さんに共感を覚えた。

  •  振仮名の本だけあって,表紙のタイトルにも振仮名が振ってある。背表紙にまで振仮名ってのはかなり異色ではないだろうか?
     仮名が生れた平安時代から,現代までの振仮名の変遷を,史料を引用しつつ振り返る。振仮名は,通常漢字の読み方を指定するのに使われるが,それだけでなく,意味を示すのにもきたし,現在でもそのように広く使われている。サザンの歌詞でも,古文書でも,その精神が変わらないのを見ると,これは振仮名の本質的な特徴なのかもしれない。

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著者プロフィール

1958年、鎌倉市に生まれる。早稲田大学大学院博士課程後期退学、高知大学助教授を経て、清泉女子大学文学部教授。専攻は日本語学。
著書に、『仮名表記論攷』(清文堂出版、2001年、第三十回金田一京助博士記念賞受賞)、『文献から読み解く日本語の歴史』(笠間書院、2005年)、『消された漱石』(笠間書院、2008年)、『文献日本語学』(港の人、2009年)、『振仮名の歴史』(集英社新書、2009年)、『大山祇神社連歌の国語学的研究』(清文堂出版、2009年)、『日本語学講座』(清文堂出版、全10巻、2010-2015年)、『漢語辞書論攷』(港の人、2011年)、『ボール表紙本と明治の日本語』(港の人、2012年)、『百年前の日本語』(岩波新書、2012年)、『正書法のない日本語[そうだったんだ!日本語]』(岩波書店、2013年)、『漢字からみた日本語の歴史』(ちくまプリマー新書、2013年)、『常識では読めない漢字』(すばる舎、2013年)、『『言海』と明治の日本語』(港の人、2013年)、『辞書からみた日本語の歴史』(ちくまプリマー新書、2014年)、『辞書をよむ』(平凡社新書、2014年)、『かなづかいの歴史』(中公新書、2014年)、『日本語のミッシング・リンク』(新潮選書、2014年)、『日本語の近代』(ちくま新書、2014年)、『日本語の考古学』(岩波新書、2014年)、『「言海」を読む』(角川選書、2014年)、『図説日本語の歴史[ふくろうの本]』(河出書房新社、2015年)、『戦国の日本語』(河出ブックス、2015年)、『超明解!国語辞典』(文春新書、2015年)、『盗作の言語学』(集英社新書、2015年)、『常用漢字の歴史』(中公新書、2015年)、『仮名遣書論攷』(和泉書院、2016年)、『漢和辞典の謎』(光文社新書、2016年)、『リメイクの日本文学史』(平凡社新書、2016年)、『ことばあそびの歴史』(河出ブックス、2016年)、『学校では教えてくれないゆかいな日本語[14歳の世渡り術]』(河出書房新社、2016年)、『北原白秋』(岩波新書、2017年)などがある。

「2017年 『かなづかい研究の軌跡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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