不幸な国の幸福論 (集英社新書)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087205220

感想・レビュー・書評

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  • 大学の卒業礼拝で話を聴いた、加賀乙彦さんの本。
    ふとしたときに、何度も読み返しています。

  • (「BOOK」データベースより)
    経済は破綻し格差は拡大する一方、将来への希望を持つことが難しい日本にあって、「幸せ」は遠のくばかりと感じている人は多い。しかし、実は日本人は自ら不幸の種まきをし、幸福に背を向ける国民性を有しているのではないか―。精神科医、心理学者でもある作家が「幸せになれない日本人」の秘密を解き明かし、幸福になるための発想の転換法を伝授する。追い求めている間は決して手にいれることのできない「幸福」の真の意味を問う、不幸な時代に必読の書。

  • 0.著者について
    ・精神科医の先生。

    1.一言でまとめると?
    ・夢や希望をもつようにしよう。

    2.印象に残ったフレーズ
    ・傷つくことを怖れず人と深く関わり、希望をもって世界を広げていってほしい(p146)
    ・「今、ここ」にとらわれず、場を広げ、人生というロングスパンで自分の置かれている状況を見ようとすること(p174)
    ・人はみな死刑囚として生まれついている(パスカル、p203)

    3.自分語り
    ・人のために何かをするということ。それこそが、「私は必要とされている」「私には生きる意味があるのだ」と実感できる最も簡単な、そして誰にでも可能な方法です(p130)

    ⇒私の姉に姪が生まれ、姉本人はもちろん、母もとても喜んでいて、世話している時が一番イキイキしている。

    4.つっこみどころ
    ・題名に不幸な国とあるが、もし社会や国民性のせいにしているとしたら、出発点がちょっと違うのでは。
    ・私はクリスチャンでないので宗教的なところはスルー。

    5.本から学んだことをどう活かすか?
    ・「誰かのために今の自分にできる何か」を探し行動したい。

    6.類似書
    ・「夜と霧」ヴィクトール・フランクル

  • “時代がどんなに暗かろうと、その人の置かれた状況がどれほどつらいものであろうと、自分なりの目的に向かって歩き続けることで、人は幸せになれる。”(本文より)
    第一章では日本人の考えない習慣、他者を意識しすぎること、第二章では日本という国(といいながら日本人も)の幸福への障害を分析している。第三章で幸せになるための考え方を示している。第四章では老いと死についての考察。

    データも用いているが、考えながら読むことが大切だと思う。与えられた幸せではなく、それぞれが考えた幸せを目指すということは多いに賛成。

  • 以前はわりと、大人/子供の二項対立で世界を見ている部分があったのだけど、もう来年で成人だし。まあそのくせ学生で。なんだかこの二項対立では収まらない位置に来てしまってる。ということで最近はそういうものの見方はしていません。でも、年を重ねることが自分の良い部分を増やしていくこととイコールであればなあと思う。
    この本の著者は、本当に美しく年を重ねたのだと思った。年長者であること、自分よりずっとずっと人生の先輩であること、が、そのままこの人の言葉の重みに繋がっている。こんな風に生きれたら、と素直に憧れた。

  • 正直後半の老いてからの話はちょっと読むのがつらかったんだけど、前半部分は自分のためになった。

    加賀先生はわかりやすい文章を書く人なんだなぁと思いました。小説も読んでみたい。

  • きっとその通りなんだろうなという内容だった。

  • 図書館で働いていた時から気になる作家であった加賀乙彦さんを初読破。
    東大医学部卒。東京拘置所勤務後、精神医学および犯罪心理学を研究という経歴。

    本書は80年の人生を歩んできた著者の視線から
    日本の病んだ部分、その中での幸福の追求の意義を説く。

    世界各国に比べて国民がきちんと声を上げないがために改善されない日本の福祉や雇用が分かりやすい言葉で綴ってある。。

  • 幸せとはなんだろうか

    幸せは望んだり、あるとき実感するもののようである
    実感するのはいいが、望むに当たって
    幸せがなんであるかは簡単に定義できないため
    「幸せになりたい」とはいっても
    どうやればいいのかはっきりしない
    また、目先の望むことが満たされればさらに望みがわいてくる
    ならばいっそ幸せを望まなければいいのでは?
    幸せを望むと、満たれない場合、不満を感じたり
    悩んだりするため、自分を苦しめてしまう

    ならばいっそ幸せを望まなければいいのではないかと思われる
    もっと現実的に考え、身近なものを見つめ
    人のために役立ち、個人的にはならずに日々過ごしていくと
    自然と人生を充実したものにすることが出来る

    本書では精神科医のご高齢の立場から
    後進の私たちへ、肩肘張らずに幸せな人生を送ってほしいと
    願う気持ちでとても優しい言葉で説明している

    「不幸な国の・・・」とあるが国についてというより
    個人個人についてのアドバイスである

  • <概要>
    前半部では、欧米諸国と比較をしながら日本の現状やその原因などについて書かれている。
    後半部では、主に1人の人間としての幸福とは何か、どのように考えたらいいのかなど、少し自己啓発系の内容になっている。

    私としては、前半部分の方が知らない事が多く、発見が多かった。
    *日本の障害者自立支援法が実際は障害者の方達にとって働きやすい環境作りなどの支援により、むしろ自己負担が大きくなってしまっていること。

    *日本の公共事業の額が一時は50兆円を超え、日本の特別予算の4分の1を〆ていたこと
    →地方の人々の多くが土木産業に関わっており、なかなか手が引けないという現状があること
    →社会保障に関連する額よりも公共事業費の方が大きな割合をしめていたこと
    →社会保障の減額は小泉改革時代から救援したこと
    →先進国の中でも自殺率は圧倒的に高く、2位であること(1位のリトアニアは政治的要因による部分が大きいこと)
    →自殺者数はあまりに高く、日露戦争での死者(約8万人)と比較すると3年に1回戦争を行っているようなものであること

    などなど。
    私の勉強不足によるところは大きいけど、改めて日本の政治や制度に対して社会人になる前にしっかりと把握する必要性を感じた一作でした。

    後半部分はさらっと読めるので、問題意識を喚起したい方にはお勧めですw

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著者プロフィール

加賀 乙彦(かが おとひこ)
1929年、東京都生まれ。東京大学医学部卒業後、精神科医として勤務のかたわら、小説の執筆を始める。『フランドルの冬』で芸術選奨文部大臣新人賞、『帰らざる夏』で谷崎潤一郎賞、『宣告』で日本文学大賞、『湿原』で大佛次郎賞、自伝的小説『永遠の都』で芸術選奨文部大臣賞、自伝的大河小説『雲の都』で毎日出版文化賞特別賞を受賞している。その他の著書に、『錨のない船』『不幸な国の幸福論』など多数ある。
近年は、殉教者を描く歴史小説『ザビエルとその弟子』、ペトロ岐部の生涯を描いた『殉教者』などを発表。

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