不幸な国の幸福論 (集英社新書)

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  • 集英社
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レビュー : 79
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087205220

感想・レビュー・書評

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  • とても読みやすくてわかりやすかった。
    物に恵まれて豊かな日本、そんなはずなのに心に余裕がない日本。
    私自分自身がアメリカに留学して、日本を客観的に見て、日本人の悲しいともとれる特徴を理解できたから、この本の内容には共感と納得させられた。
    わりとみんな気づいているけど理解しきれてないことが述べられていて、なんか再確認できた感じ。
    いろいろ行き詰ったときに読むといいかも。

    幸せってさ、ひとそれぞれ違うし、様々な形があると思うけど、
    自分が自分でいれることが一番なんじゃないかな。
    いいところはもちろん褒めてあげるし、
    悪いところも受け入れてあげて、
    できることから始めてがんばるの。
    競争社会、人の目を気にする日本の環境自体がそれを妨げているような気がするけど・・・。
    それが日本だし、って言うのもありだし、
    そのなかでうまく生きれたらいいんだけどね。
    気難しい人の集まりだな、ニッポン。

    産まれてきたのは偶然で死ぬのは必然で、
    産まれてきたこと自体ラッキーで幸せなことだけど、
    瞬間的な幸せじゃなくて死ぬまで継続的な幸せでありたいね。
    もちろん楽しいことだけじゃなくて、苦しいことも含めてね。

    にーほーんーー

  • [ 内容 ]
    経済は破綻し格差は拡大する一方、将来への希望を持つことが難しい日本にあって、「幸せ」は遠のくばかりと感じている人は多い。
    しかし、実は日本人は自ら不幸の種まきをし、幸福に背を向ける国民性を有しているのではないか―。
    精神科医、心理学者でもある作家が「幸せになれない日本人」の秘密を解き明かし、幸福になるための発想の転換法を伝授する。
    追い求めている間は決して手にいれることのできない「幸福」の真の意味を問う、不幸な時代に必読の書。

    [ 目次 ]
    第1章 幸福を阻む考え方・生き方(「考えない」習性が生み出す不幸;他者を意識しすぎる不幸)
    第2章 「不幸増幅装置」ニッポンをつくったもの(経済最優先で奪われた「安心」と「つながり」;流され続けた日本人)
    第3章 幸福は「しなやか」な生に宿る(不幸を幸福に変える心の技術;幸せを追求する人生から、幸福を生み・担う生き方へ)
    第4章 幸せに生きるための「老い」と「死」(人生八十五年時代の「豊かな老い」の過ごし方;死を思うことは、よく生きること)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 小学生の頃の話。毎日、朝の会で「今日の目標」というものを決めていました。廊下を走らないようにしよう。ゴミが落ちていたら拾うようにしよう。そういう他愛もない目標が決められていたのですが、こんな目標を決めることがありました。

    「いちにち、元気に明るく過ごそう」

    今思えば、壮大な目標だと思います。毎日毎日、楽しいことや嬉しいことばかりがあるわけではありません。つらいことや泣きたいこともあるのに、「元気で明るく過ごせ」とな。

    現代社会は、明るく前向きで社交的であることばかりが評価される社会であるような気がします。悩んでいる姿を見せたり、人生について議論したりするのは、暗い・重い・ダサいというイメージが浸透し、友達同士でも「明るく元気」を装って表面的な部分で付き合う人が増えているのではないでしょうか。

    また、ポジティブ・シンキングやプラス思考をすすめる本が次々に出版され、他者に対し装うだけでなく、自分自身に対しても常に明るく前向きであることを強いる傾向があるように思えてなりません。前向きに考えるのは大事なことですが、悩むというプロセスを抜きにしたプラス思考は、自分の弱さやダメな部分から目を逸らすことにつながりかねません。

    大いに悩み、まず自分の弱さや能力の限界を知って、それを認めてこそ、「では、どうしたら変えていけるだろうか?」と考えることができるようになるのではないのでしょうか。悩むことをとおして人は自分を知り、成長していくもの。悩むことを忘れては、人間としての広さを身につけることはできません。

    そんなことを考えさせられた1冊です。

  • 年輩の教員からお借りした本。

    日本人は他人と一緒じゃないと不安になる。
    欧米人は、他人と一緒が嫌だと悩む。

    この違いが、日本人のうつ病者・自殺者の多さに繋がっているみたい。
    確かに、人と一緒なことに安心感を得ていることあるよなぁ。
    そして、人と比べて自分は劣っているとか不幸だとか思いがち。

    確かに!と思いながら読んだ。

  •  長引く不況ため、幸福を感じるにくい国になった日本でいかにして幸福を感じるか。最後は幸せのための老いと死を見つめる。

  • 9/3

  • 基本的思想に同意。特別にユニークな考え方なわけではなく普遍的なものと思うが、こういう本をたまに読まないと日々現実に晒される中で自分の軸がブレてしまう。達観できるほど練れてないので…。

  • 前半が若者向けに対し、後半が中高年向けで、総論としては若者にも読んで欲しいといいながら老人が読む本か。見方を変えてというのは、振り返る老人には容易でも、その渦中にある若者にとってはどうなのだろう。この本を読んで張り切ってチャレンジする老人達と引いてしまう若者達、そんな皮肉な見方をついしてしまう。

  • 若い人にも読んでもらいたいなぁー。
    後半は、とてもリアルに納得しながら、興味深く読ませていただきました。
    今年は、加賀乙彦さんの本を読破できたらいいかなぁ~。
    ものすごく久しぶりに、“フランドルの冬”も読み直してみよう!
    マックス

  •  ふうぅ~むぅ。。。やはり80過ぎの御大の言うことはどうしてもそれだけで重みがあるねぇ・・。内容を云々する前にその事実だけでなんだかもういろいろ評価めいたことを書きづらい。。。(笑)。
     ともあれ,著者は若いころ刑務所での精神科医として勤務していたこともあるらしく,その後は著作もし,名前は昔から知っているが,なかなかちゃんとした著作を読んだことはないと思う(今念のため再確認したが,やはりなかった。それにしてもずいぶんと書かれているんですね。)。
     新書としてよくまとまった,内容的にも読み応えが十分にある一作。
     前段は,最近の通り魔事件などにも見られる若者の精神性について考察する。ヒトのものさしを自分にあてがい,それで自分を評価しようとするところに幸福になれない自分の原因を求めようとする。確かに,その通りだ。世間の価値観で自分を測ることは,結局自分の価値観の放棄に他ならない。日頃から私が思っていることを端的に指摘してくれる。
     しかし一方で,現代社会は個人主義の時代とも言われる。行き過ぎた個人主義が社会性の欠如を産み,逸脱行動の正当化にも使われかねない時代である。なぜ今この個人主義の時代にあって,自分の価値観に自信がもてず,ヒトの価値観に依存するのか,その辺が逆説的に感じる。
     中間の政策論については,刑事政策敵な面など興味がある分野であるが,思いのほか大きな政府的な思想をお持ちのようで,その辺はやや自分とは違う感性のように感じながら読み進んだ。
     後半の老後の行き方,死を前にした生き方というくだりは,他の諸費用も一様に述べているが,さすがである。説得力をもって迫ってくるものがある。気概と気迫の伝わる筆致である。
     自分が老境を迎えたときにまた改めて戻って来たい本でもある。
     こうした骨のある戦中派が少なくなっていることは日本にとって本当に惜しまれることである。(多くの国民が,彼らにおためごかしに「遠のく戦争の記憶」などと奇麗事を言いながら,その実,軍国主義教育の名残を見るかのようなまなざしを向けてきたが,彼らの持つ静謐なまじめな空気と自分に厳しい生き方は,本当は日本人が本当は失ってはならないものであったと思う。)
     古武士を見るような一冊である。

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著者プロフィール

加賀 乙彦(かが おとひこ)
1929年、東京都生まれ。東京大学医学部卒業後、精神科医として勤務のかたわら、小説の執筆を始める。『フランドルの冬』で芸術選奨文部大臣新人賞、『帰らざる夏』で谷崎潤一郎賞、『宣告』で日本文学大賞、『湿原』で大佛次郎賞、自伝的小説『永遠の都』で芸術選奨文部大臣賞、自伝的大河小説『雲の都』で毎日出版文化賞特別賞を受賞している。その他の著書に、『錨のない船』『不幸な国の幸福論』など多数ある。
近年は、殉教者を描く歴史小説『ザビエルとその弟子』、ペトロ岐部の生涯を描いた『殉教者』などを発表。

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