不幸な国の幸福論 (集英社新書)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087205220

感想・レビュー・書評

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  • 先日、鬼籍に入られた精神科医でもある作者のある意味本業とも言える内容の作品。毎年3万人の自殺者を出す日本人の一見恵まれているようで不幸な国民の為の幸福論。

    自分が必要とされていると思うことが、人間を強くする。ヴィクトール・フランクル「夜の霧」を読んでこんなまとめ方をしています。【すべての人間は全宇宙にたった一度、二つとない在り方で存在している。そしてその一回性と唯一性が他に類を見ない、人それぞれの運命をもたらす。一人ひとりの人間に備わっているかけがえのなさを意識したとたん、生きること、生き続けることに対して私たちが担っている責任の重さに気付かされる。その責任を自覚した人間は、生きることから降りられない。もし運命があなたを苦しめるのなら、その苦しみを引き受けることに、二つとない何かを成し遂げる、たった一度の可能性がある。人間が生きることには、常にどんな状況も意味がある。苦しむことにも意味があるのだ。だから、人生に期待するのをやめて、人生から自分が何を期待されているのか考えよう。】
    そして、寿命があることによって逆に命の尊さと充実を感じることが出来る、例えば本人も本書執筆した2009年にはちょうど「雲の都」を創作中であり完結する前に死を迎えるだろうと書いていましたが、無事2012年全5巻完結させることができたのは何よりでした。合掌。

  • 読むの中断。正直、何処かで見聞きした論理展開で、筆者ならではの話が見えないので切り上げた。

  • 2010/08/13
    ありのままのことだけれど、成程なと思うところもあったし
    生き方をちゃんと考えないと
    真摯に思うべきだと感じた。
    フランスと日本の違いは、面白いな。

  • 正しく悩めない、他者を意識しすぎる。
    この特徴を念頭に、自分の弱さを知り、何を目指すのかを考える。

  • 要は心の持ちよう?

著者プロフィール

1929年生れ。東大医学部卒。日本ペンクラブ名誉会員、文藝家協会・日本近代文学館理事。カトリック作家。犯罪心理学・精神医学の権威でもある。著書に『フランドルの冬』、『帰らざる夏』(谷崎潤一郎賞)、『宣告』(日本文学大賞)、『湿原』(大佛次郎賞)、『錨のない船』など多数。『永遠の都』で芸術選奨文部大臣賞を受賞、続編である『雲の都』で毎日出版文化賞特別賞を受賞した。

「2020年 『遠藤周作 神に問いかけつづける旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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