美人は得をするか 「顔」学入門 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087205589

作品紹介・あらすじ

人はなぜ、顔を気にするのか。美人の基準とは何か。似たもの夫婦と呼ばれる夫婦は、なぜ似ているのか。どうすれば人の顔を覚えられるのか。第一印象は顔が決め手か。「顔」は人間を認識する上で一番の目印となるものである。だが顔に関する研究は、これまであまりなされてこなかった。本書は「日本顔学会」理事も務める著者が、顔をめぐるさまざまな謎を解き明かし、顔をめぐる不思議を科学する。

感想・レビュー・書評

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  • 美人がどうのこうのというよりも、顔全般に関してこれまでの研究から分かっていることを挙げていき、私たちがいかに顔からの情報を重要視しながらコミュニケーションを行っているかということを示したもの。

    「いわば顔はその人の社会に対する姿勢を表すもの」
    これはまさにその通りだと思った。
    社会とどう関わろうとしているのか、自分をどう表現しようとしているのかなど、その人の人となりを表す最もたるものだと。
    私は感情表現が下手というか、あまり表情が豊かなほうではないのかなと思ったりもするので、少し反省。
    なにしろ、無表情などは社会を拒絶していることと同じと言えるから。

    笑顔は記憶に残りやすいらしい。
    やっぱり笑顔が素敵な人は魅力的だよね。

  • 美人に限らず、「顔」についての人間の認識力についての一冊。
    よく言われるが、人間の脳には、「顔」だけを認識する特定の区域がある。
    元々備わった能力が経験を積むことでさらに強化されていく。
    テーマ絞っていて面白い。

  • 思索

  •  顔の認知やコミュニケーションに関する本。
     タイトルにある「美人は得をするか」という内容はごく一部。また、それに対する直接的な回答はない。タイトルの付け方がよくない。

     顔の認識は顔の配置で行われており、個々のパーツの詳細は大して注目されていない。それに対して、自分の顔はパーツが気になるというギャップがある。整形をするより化粧をした方が大きく変わる、というのは面白いと思った。

  • [ 内容 ]
    人はなぜ、顔を気にするのか。
    美人の基準とは何か。
    似たもの夫婦と呼ばれる夫婦は、なぜ似ているのか。
    どうすれば人の顔を覚えられるのか。
    第一印象は顔が決め手か。
    「顔」は人間を認識する上で一番の目印となるものである。
    だが顔に関する研究は、これまであまりなされてこなかった。
    本書は「日本顔学会」理事も務める著者が、顔をめぐるさまざまな謎を解き明かし、顔をめぐる不思議を科学する。

    [ 目次 ]
    序章 人は「見た目」のどこを見ているか?
    第1章 人はなぜ、顔を気にするのか
    第2章 顔の記憶の正確さ
    第3章 似顔絵がうまく描けますか
    第4章 第一印象は、顔が決め手か
    終章 顔を巡る、もうひとつのお話―自分の顔を考える

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • はっきり書いておきます。
    本書は美人が得か損かはゼロに近い量しか書かれていません。

    著者の心理学者的アプローチによる表情をはじめとした研究成果の発表が本書であり、美人と呼ばれる層が社会的にそうでない方々よりも有利な条件に置かれるか否かは全くといっていいほど触れられていません。

    これがサンマーク出版から出ているならまだしも、一流といえる集英社の、比較的丁寧にまとめられていることでも知られる集英社新書から出ているから問題です。
    集英社新書のコピーである「知の水先案内人」は扇動的なタイトルをも許容する意味を含むのでしょうか。

    なお、美人の部分を除くと本書は人以外も含めたコミュニケーションなどについてまじめに書かれた良書です。
    タイトルを変えて出せば星4つといったところでしょうか。

  • 主に顔認識の話。

  • 顔学という研究分野がある
    その研究成果をわかりやすく解説

    自動車などに思わず顔を意識させられたり、
    生後ままのない赤ちゃんも
    ちゃんと顔を意識していたり、
    発達心理学的なアプローチもあり
    おもしろく読みました!

  • 日本顔学会なる学会の役員でもある著者が記した「顔学」~人相占いの類ではなく、いたって真面目な内容の本。
    (特に人間の)顔は単なる身体の一部位ではなく、もっとメッセージ性のある存在である見做し、認知やコミュニケーションの観点から、顔の存在意義や重要性を論じている。
    私自身、人の顔を覚えるのが苦手なのだが、この能力が完全に欠如する相貌失認という病気があるというのはちょいと驚き。脳の特定部位の損傷に原因があるらしい。つまり、顔は一般的な普形状認識ではなく、専用ソフトウェアで解析されているということになる。進化の過程で獲得したこの技術だと思われるが、著者は赤ん坊の認識能力の発達にあわせて、この問題に取り組んでいるようだ。
    飼い犬が飼い主に似たり、夫婦の顔が似てくる事例にも触れており、合理的な説明が欲しかったが、残念ながらこの辺の話はまだ研究中のようだ。今後の研究成果に期待したい。

  • 顔学会理事の著者。本のタイトルから、美人は得なのか?の損得をえがいているのかと思ったのだが、基本は「人間は顔をどうやってみているのか?」が全般に書かれていた。
    この中で「相貌失認」という顔が認識できなくなる病があることを知って驚いた。
    それは、どんな世界なんだろうか?

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著者プロフィール

中央大学文学部教授。1995年,お茶の水女子大学人間文化研究科単位取得退学。
主な著書:『自分の顔が好きですか?―「顔」の心理学』(岩波書店,2016),『発達障害の素顔―脳の発達と視覚形成からのアプローチ』(講談社,2016),『赤ちゃんの視覚と心の発達 補訂版』(共著,東京大学出版会,2019)ほか

「2019年 『心理学実験』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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