TPP亡国論 (集英社新書)

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  • 集英社
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レビュー : 268
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087205848

作品紹介・あらすじ

TPP(環太平洋経済連携協定)参加の方針を突如打ち出し、「平成の開国を!」と喧伝した民主党政権。そして賛成一色に染まったマス・メディア。しかし、TPPの実態は日本の市場を米国に差し出すだけのもの。自由貿易で輸出が増えるどころか、デフレの深刻化を招き、雇用の悪化など日本経済の根幹を揺るがしかねない危険性のほうが大きいのだ。いち早くTPP反対論を展開してきた経済思想家がロジカルに国益を考え、真に戦略的な経済外交を提唱する。

感想・レビュー・書評

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  • TPP反対の意見が良くわかる。

    何かとお騒がせの中野さんですが、TPP反対の理屈はよーくわかります。

    結局、TPPがグローバルな自由貿易といっても、中韓欧も入ってない対米だけの話なんですよね。

    正直、マクロ経済は何が正解かわからないので、どちらがいいのかわかりませんが、この主張を覆す賛成派の意見を聞いてみたい。

    TPPのデメリットを理解するにはいいと思いますよ。

    平易な言葉でわかりやすく書いてあるので、経済初心者にオススメです。

  •  肩入れしすぎではないかと思われるかも知れないが、この本に書いてあることについて正面から論破できるTPP推進論者の根拠があるなら是非聴いてみたいという気にさせられた(皮肉などではなく)。そのくらい理路整然としていて、特に経済についての知識が殆どない自分などは十分納得させられた。ニュースを見て「情報不足だし~、日米関係を良好に保つためにも交渉くらいには参加した方がいいのでは~?」などという悪い意味で日本人らしい思考をしている人(この本を読む前の自分のこと)に読んで欲しい。
     まず、関税撤廃による輸入価格の低下や国際競争に巻き込まれることは、日本のデフレを一層深刻化させることになる。そもそも日本の全品目平均関税率は韓国よりずっと低く、アメリカよりも低い。農産物に限れば韓国はおろかEUより低くなる。したがって「鎖国」などというレトリックは推進派やマスコミの方便でしかない。第一、開国も何もTPPには韓国も中国もEUも参加しておらず、そもそもTPP交渉参加国の殆どは外需依存国で、日本が輸出する相手は必然的にアメリカに限られてくる。そのアメリカは現在失業に苦しみ、また輸出倍増をオバマ大統領自ら宣言している以上、TPPは単に日本の市場をアメリカに差し出すだけでしかないだろう。
     更に日本の愚かなことは、わざわざ世界に向けて「開国する」などというメッセージを発信していること。上記の通り日本は関税撤廃などなくても十分「開国」しており、だというのに自ら閉鎖的な国であるかのようなイメージを世界に向けて発信することは、全くの自虐、不必要なネガティブキャンペーンでしかない。一度「開国」などとのたまえば、その自虐的なメッセージを逆手にとった外圧がますます強まることは言うまでもなく、ただでさえ弱腰の外交と言われているのに、それを自ら手伝った形になってしまっている。どう考えても、そのようなメッセージが日本に利益をもたらす筈がない。一国の首相が絶対口にしてはいけない言葉だったことは、明らかである。

     今まで、自分もマスコミの「開国」という耳障りの良い言葉にあてられ、TPPも悪くはないのではないかと思っていた。よく「知らない方が幸せなこともある」というが、本書を読み終わった後このような皮肉が脳裏を掠めた。今まで通り、全体主義に毒されてTPPに対し何の危機感も抱かなかったかと思うとゾッとしない。本書を読めば読むほど、TPP参加へと向かっている厭な現実に危機感を覚えるようになったが、何も知らずにいるよりも遥かに自分のためになったと、せめて強がりを言っておきたい。何としても、日本には正しい意味で『良い方向』に向かって欲しいものである。
     後に著者が出ているテレビ番組やネット動画も見たが、あのくらい物怖じせずに、自らの意見を世の中に発信できる人が、今の日本には求められているのではないだろうか。

  • 目からうろこが落ちるの連続だった。

  • 気鋭のTPP評論。ほぼ同時期に出た『TPPが日本を壊す』(廣宮孝信)が国民生活や地方政治の観点からTPPに反対していたのに対し、本書ではマクロ経済や政治(特に外交)の面からTPPを批判しているのが大きな違いと言えると思います。
    主要なTPP賛成論を次々に俎上に乗せて検証していく前半も面白いですが、一番の読みどころは後半のTPPをきっかけに食糧安保としての外交政策を考え、日本人の思考法の根っこにある「歪み」をあぶり出していくところでしょう。あまり馴染のない外交戦略について非常に勉強になると同時に、TPP問題の根深さを思わずにいられません。

  • 新聞を読まない分、世界情勢・外交はこういう本を読んでキャッチアップ!こういう内容は新書に限るね!

  • 読み終えて、TPP は不平等条約であることがわかった。だから、日本国は米国に不平等条約を締結されるのではないかと危惧した。しかし、トランプ大統領は大統領選挙から不参加を唱え、米国はTPP から離脱し安堵した。しかし、最近トランプ大統領はTPP への復帰を言い出した。属国である日本国は、米国が有利になるように改正するだろうから、TPP の3月発効は無理だろう。

  • 東2法経図・開架 678.3A/N39t//K

  • 「良く分かりました」その通りです。増税している場合ではありません。もっと給料よこせ! この野郎!

  • P229より
    このように、急進的な貿易自由化は、社会を危険にさらし、対外的に攻撃的なナショナリズムを生み出す原因になるということは、世界の有力な知識人たちの間では、昔からよく知られていることなのです。

    むずかしい経済の事をわかりやすく説いてくれる名著。であると思います。

    ぜひ賛成意見も、反対意見も知り、判断すれば良いと思います。

    中野氏は間違いなく国士である。

  • ★論理に破たんがあるようには思えず★いまさらながらTPPが成立したので読んでみた。TPPで意味のある貿易相手は米国だけであり、この連携は米国の輸出拡大策でしかないと指摘。盲目的な米国追従の外交を批判する。確かにその通りでTPPの利点はいくら聞いても実際よく分からない。賛成派は「自由」という反論を許さない表現で押し切ろうとするが、勉強不足か本書にきちんと応える理屈を見たことがない。どうなるんだろうこの後。

    ところで著者が京大准教授に出向したときの親分である藤井教授は、アベノミクスでの公共工事拡大の理論的支柱になった人だったはず(著者も同意見)。それがTPPでは全く反対というのは改めて面白いもんだな。

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プロフィール

1971年生まれ。東京大学教養学部教養学科(国際関係論)卒。通商産業省(現・経済産業省)を経て、評論家。エディンバラ大学より博士号(社会科学)取得。主な著作に『TPP亡国論』(集英社新書)、『真説・企業論』(講談社現代新書)他。

「2017年 『[新版]〈起業〉という幻想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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