TPP亡国論 (集英社新書)

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  • 集英社
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本棚登録 : 1912
レビュー : 280
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087205848

作品紹介・あらすじ

TPP(環太平洋経済連携協定)参加の方針を突如打ち出し、「平成の開国を!」と喧伝した民主党政権。そして賛成一色に染まったマス・メディア。しかし、TPPの実態は日本の市場を米国に差し出すだけのもの。自由貿易で輸出が増えるどころか、デフレの深刻化を招き、雇用の悪化など日本経済の根幹を揺るがしかねない危険性のほうが大きいのだ。いち早くTPP反対論を展開してきた経済思想家がロジカルに国益を考え、真に戦略的な経済外交を提唱する。

感想・レビュー・書評

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  • TPP反対の意見が良くわかる。

    何かとお騒がせの中野さんですが、TPP反対の理屈はよーくわかります。

    結局、TPPがグローバルな自由貿易といっても、中韓欧も入ってない対米だけの話なんですよね。

    正直、マクロ経済は何が正解かわからないので、どちらがいいのかわかりませんが、この主張を覆す賛成派の意見を聞いてみたい。

    TPPのデメリットを理解するにはいいと思いますよ。

    平易な言葉でわかりやすく書いてあるので、経済初心者にオススメです。

  •  肩入れしすぎではないかと思われるかも知れないが、この本に書いてあることについて正面から論破できるTPP推進論者の根拠があるなら是非聴いてみたいという気にさせられた(皮肉などではなく)。そのくらい理路整然としていて、特に経済についての知識が殆どない自分などは十分納得させられた。ニュースを見て「情報不足だし~、日米関係を良好に保つためにも交渉くらいには参加した方がいいのでは~?」などという悪い意味で日本人らしい思考をしている人(この本を読む前の自分のこと)に読んで欲しい。
     まず、関税撤廃による輸入価格の低下や国際競争に巻き込まれることは、日本のデフレを一層深刻化させることになる。そもそも日本の全品目平均関税率は韓国よりずっと低く、アメリカよりも低い。農産物に限れば韓国はおろかEUより低くなる。したがって「鎖国」などというレトリックは推進派やマスコミの方便でしかない。第一、開国も何もTPPには韓国も中国もEUも参加しておらず、そもそもTPP交渉参加国の殆どは外需依存国で、日本が輸出する相手は必然的にアメリカに限られてくる。そのアメリカは現在失業に苦しみ、また輸出倍増をオバマ大統領自ら宣言している以上、TPPは単に日本の市場をアメリカに差し出すだけでしかないだろう。
     更に日本の愚かなことは、わざわざ世界に向けて「開国する」などというメッセージを発信していること。上記の通り日本は関税撤廃などなくても十分「開国」しており、だというのに自ら閉鎖的な国であるかのようなイメージを世界に向けて発信することは、全くの自虐、不必要なネガティブキャンペーンでしかない。一度「開国」などとのたまえば、その自虐的なメッセージを逆手にとった外圧がますます強まることは言うまでもなく、ただでさえ弱腰の外交と言われているのに、それを自ら手伝った形になってしまっている。どう考えても、そのようなメッセージが日本に利益をもたらす筈がない。一国の首相が絶対口にしてはいけない言葉だったことは、明らかである。

     今まで、自分もマスコミの「開国」という耳障りの良い言葉にあてられ、TPPも悪くはないのではないかと思っていた。よく「知らない方が幸せなこともある」というが、本書を読み終わった後このような皮肉が脳裏を掠めた。今まで通り、全体主義に毒されてTPPに対し何の危機感も抱かなかったかと思うとゾッとしない。本書を読めば読むほど、TPP参加へと向かっている厭な現実に危機感を覚えるようになったが、何も知らずにいるよりも遥かに自分のためになったと、せめて強がりを言っておきたい。何としても、日本には正しい意味で『良い方向』に向かって欲しいものである。
     後に著者が出ているテレビ番組やネット動画も見たが、あのくらい物怖じせずに、自らの意見を世の中に発信できる人が、今の日本には求められているのではないだろうか。

  • 目からうろこが落ちるの連続だった。

  • 気鋭のTPP評論。ほぼ同時期に出た『TPPが日本を壊す』(廣宮孝信)が国民生活や地方政治の観点からTPPに反対していたのに対し、本書ではマクロ経済や政治(特に外交)の面からTPPを批判しているのが大きな違いと言えると思います。
    主要なTPP賛成論を次々に俎上に乗せて検証していく前半も面白いですが、一番の読みどころは後半のTPPをきっかけに食糧安保としての外交政策を考え、日本人の思考法の根っこにある「歪み」をあぶり出していくところでしょう。あまり馴染のない外交戦略について非常に勉強になると同時に、TPP問題の根深さを思わずにいられません。

  • TPP(環太平洋経済連携協定)の危険性を提示し、戦略的な経済外交を提唱した本。

    リーマン・ショック後の世界経済の構造を解説した上で、デフレ下では公共投資による内需拡大を優先すべきであることを説いています。

    結論ありきの議論ではなく、戦略を持って日本経済を良くするための議論が必要であることを、本書は教えてくれます。

  • 逃れられない

  • 著者の主張している内容は、間違ったことはないとは思うが、すべて鵜呑みにするのは危険ではないか。
    基本路線はアメリカの言いなりにならず、独立国家としての道をすすむべきだとの内容。
    大手企業のグローバル化が進んでいるが、日本から多くのグローバル企業が出たからといって、日本の国益になるとは限らない。やはり平和ボケしている日本人の多くはアメリカは優しいと思っているのかもしれない。

    この著者は多少過激な論調だが、やはり、日本の国益を真剣に考えるとこのような考え方になるのだろうか。北野さんあたりと同じような警告を発しているところは興味深いところもある。

  • ”<一言>

    <読書メモ>

    <きっかけ>
     TPPについての色んな見かたが知りたくて購入。”

  • 現在はアメリカは離脱、米の関税も残りましたし
    日本はもはや参加国中裕福ではないので、
    この時懸念されていた問題の多くは気にならなくなったのではと思います。

    まだ始まったばかりですが、
    むしろ今の所利点が大きいのではと感じました。
    今後の分析はどこからか出るでしょうか?

    2019年現在からは陰謀論の様なことはなかったのではと言えると思います。

    追記
    TPP 米は抜けて(えげつない押し付けしてるけど)
    自由市場なんで駄目なのと思ったけど、
    国家を通した主権がなくなるということや
    自由競争によって暴走しても自国ですぐに法令が作れないということなのか。
    公共入札もなんか危なそうな気もしてきた。

  • デフレが問題。

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著者プロフィール

中野 剛志(ナカノ タケシ)
評論家
1971年、神奈川県生まれ。元・京都大学大学院准教授。専門は政治経済思想。1996年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。2000年よりエディンバラ大学大学院に留学し、政治思想を専攻。2001年に同大学院より優等修士号、2005年に博士号を取得。2003年、論文‘Theorising Economic Nationalism’ (Nations and Nationalism)でNations and Nationalism Prizeを受賞。主な著書に、『富国と強兵』(当社)、山本七平賞奨励賞を受賞した『日本思想史新論』(ちくま新書)、『TPP亡国論』『世界を戦争に導くグローバリズム』(ともに集英社新書)、『奇跡の経済教室』(ベストセラーズ)、『国力論』(以文社)などがある。

「2021年 『ナショナリズムの美徳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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