あなたは誰?私はここにいる (集英社新書)

著者 : 姜尚中
  • 集英社 (2011年9月16日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087206098

作品紹介・あらすじ

ドイツ留学中の著者は、五〇〇年前のデューラーの『自画像』から啓示を受けた。「私はここにいる。お前はどこに立っている?」。絵の中の同じ二八歳の男は、鬱々とした内面の森をさ迷う在日の青年に、宿命との対峙を突きつけたのだ。三〇年後、人気美術番組の司会を務めた著者は、古今東西の絵画や彫刻の魅力を次々に再発見していく。ベラスケス、マネ、クリムト、ゴーギャン、ブリューゲル、ミレー、若冲、沈寿官-。本書は「美術本」的な装いの「自己内対話」の記録であり、現代の祈りと再生への道筋を標した人生哲学の書でもある。

あなたは誰?私はここにいる (集英社新書)の感想・レビュー・書評

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  • NHK「日曜美術館」の司会をされていた姜さん。政治思想史を専門にされている方がなぜ?と思っていましたが、落ち着いた語り口や感性豊かなお人柄を知り納得しました。

    この本は、そんな姜さんの美術評論。でも実は美術をテーマにした私小説ともとれる内容。すごくまともな大人の男性の静かで透明な心が、文章のなかににじみ出ていて、私は素直にいいなと思います。

    私の好きな若冲やルーシー・リーも出てきたので、共通点があって嬉しい感じ。(はい、私、姜さんのファンです)

  • 30年前、デューラーの《自画像》から身震いするような感動を覚え啓示を受けたと云う著者。ベラスケス、マネ、ブリューゲル、クリムト、ゴーギャン、ルーシー・リー、ハンス・コパー、円空、熊田千佳慕・・・などの絵画や陶器や彫刻という古今東西のアーティストの作品群を深い洞察力で綴っている。
    福島を訪れた氏が戦慄的ながれきの山を目にした様子から、ブリューゲルの《死の勝利》《バベルの塔》について、失意と絶望の闇の中に、それでも希望のかすかな光が見える。再生の時が必ずやってくるのだ!というそうしたメッセージが認められている。 
     NHKEテレ『日曜美術館』の司会をやられていたのを拝見して好感を持っていたが、こんな細部まで観ているのかと・・・本書を読んで新たな絵の鑑賞法を学んだ。

  • NHK「日曜美術館」の司会をしていた著者が、当時出会った絵画や美術品について書いている。
    政治学者である著者は、芸術の専門家ではないので解説書ではなくあくまで著者自身の感想といったところ。
    冒頭と末尾に出てくるアルブレヒト・デュラーの作品は、とても印象的だった。
    最初と最後に持ってくるあたり、著者自身もこの絵画に大きな影響を受けたと思われる。
    絵画は、語る。
    それは、鑑賞者に向けてだけではなく、いやむしろ画家自身に向けてのメッセージなのかもしれない。
    そんな風にも思った。

  • 読了。

  • [ 内容 ]
    ドイツ留学中の著者は、五〇〇年前のデューラーの『自画像』から啓示を受けた。
    「私はここにいる。お前はどこに立っている?」。
    絵の中の同じ二八歳の男は、鬱々とした内面の森をさ迷う在日の青年に、宿命との対峙を突きつけたのだ。
    三〇年後、人気美術番組の司会を務めた著者は、古今東西の絵画や彫刻の魅力を次々に再発見していく。
    ベラスケス、マネ、クリムト、ゴーギャン、ブリューゲル、ミレー、若冲、沈寿官―。
    本書は「美術本」的な装いの「自己内対話」の記録であり、現代の祈りと再生への道筋を標した人生哲学の書でもある。

    [ 目次 ]
    わたしたちは今、どこにいるのか
    おまえはどこに立っている―アルブレヒト・デューラー『自画像』 ディエゴ・ベラスケス『女官たち』『ドン・セバスチャン・デ・モーラ』 エドュアール・マネ『オランピア』 イワン・クラムスコイ『忘れえぬ人』ほか
    生々しきもの―ギュスターヴ・クールベ『石を砕く人』『世界の起源』 エドュアール・マネ『草上の昼食』ほか
    エロスの誘いグスタフ・クリムト『ダナエ』 エゴン・シーレ『縁飾りのあるブランケットに横たわる二人の少女』 ポール・ゴーギャン『かぐわしき大地』ほか
    白への憧憬―白磁大壷 長谷川等伯『松林図屏風』 純白のチマ・チョゴリほか
    不可知なるもの―マーク・ロスコ『シーグラム壁画』 パウル・クレー『想い出の絨毯』ほか
    死と再生―ピーテル・ブリューゲル『死の勝利』『バベルの塔』『絞首台の上のカササギ』ほか
    生きとし生けるもの―伊藤若冲『群鶏図』『貝甲図』 熊田千佳慕『メスを求めて』『恋のセレナーデ』『天敵』ほか
    祈りの形―アルブレヒト・デューラー『祈りの手』 円空『尼僧』 ジャン=フランソワ・ミレー『晩鐘』ほか
    浄土的なるもの―与謝蕪村『夜色楼台図』 ジャン=フランソワ・ミレー『春』 犬塚勉『暗く深き渓谷の入口1』ほか
    受け入れる力―ルーシー・リーの白釉の陶器 ハンス・コパーのキクラデス・フォームの陶器
    沈寿官『薩摩焼夏香炉』ほか

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • ひとつの絵画を見て人生を考え直してしまう、そんな体験をしたことはないけれど(姜さんは体験されたそうです)、1冊の本を読んだことで、私事ながら、人生を考え直すきっかけになったことはある。哲学的な問いかけと、美術に対する知識が融合して、新しい読み物をみつけた!という感動があった。

  • 政治学者の姜尚中が、絵画を中心に芸術作品から受けた啓示について語っています。

    著者自身が、絵画から生きるための知恵と勇気を与えてもらった体験を中心に綴られているので、解釈が恣意的になってしまうのはやむをえないのかもしれません。中立的な立場からの芸術作品の鑑賞の手引きとは言い難いのですが、「わたしたちは今、どこにいるのか」と自問自答せざるをえない「近代」という時代においては、どこかで著者のような絵画からの触発を受け取ったことが、作品世界に深く分け入ろうとする動機となっているのではないかという気もします。

  • 哲学の本かと思ったら美術の本で、いい意味で裏切られた。

  • ある絵画に対する姜さんの視点を記述した著書。その絵から何を感じ取るのか?その人のバックグランドによっても捉え方は変わってくる。

  • ー若冲の絵から伝わってくるのは、生命への畏敬などという大上段に構えた理屈ではなく、「ただ貝が好き」「とにかく鶏を見ていたい」といった、子供のように純粋な好奇心です。144頁

    わたしが何で、若冲を好きなのかがわかった。

    大人なのに、子どもみたいなところが本当に好きなんだ。こんなにも純粋な好き、という気持ちを絵から放出している若冲。

    美術とはかくも素晴らしい、と思える。

    姜尚中さんの本は、いつもとっても読みやすい。

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