グローバル恐慌の真相 (集英社新書)

  • 集英社
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レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087206203

作品紹介・あらすじ

リーマン・ショックで金融資本を救った国家が次々、危機に瀕するという恐ろしい連鎖が始まった。グローバル化のデフレ圧力で中間層が破壊され、未来への投資が停止し、民衆とエリートの対立が深まる「冬の時代」。この長く続くであろう危機、大恐慌の足音の聞こえる時代を日本が生き抜くために必要なのは、過剰な流動性を生んだグローバル化の危うさと各国の社会構造の本質まで分析する「経済思想」だ。『TPP亡国論』で論壇の寵児となった中野剛志と気鋭の経済思想家・柴山桂太が徹底的に危機の時代への処方箋を語りつくす。

感想・レビュー・書評

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  • この二人の議論は、非常におもしろい。いまいちテレビのニュースを見ていて納得いかない、よく分からない問題を池上彰よりわかりやすく論じてくれていると思うのは、私だけだろうか。

    中野氏、柴山氏に出会ったおかげで経済や政治に興味を持つようになった。

    グローバルという言葉に少し違和感を感じ始めている人に是非一読をお薦めします。

  • 全体として何が言いたいのか伝わって来ない。もちろん著者らの主張は明確だ。不確実性をもたらす行き過ぎたグローバル化に警鐘を鳴らし、保護主義に舵を切ろうと言うもの。ただ言っている事に何の具体性もないので心に響かない。こういう対談物は読み物しては面白いが、後に何も残らない。

  • 読了。

  • グローバル化がデフレ、格差の拡大を招いている。そのため、内需に頼る方向展開が必要とのこと。

    内需に頼れば確実に職種が減る。今の仕事が成立するとは考えにくい。具体的なイメージが描けないが・・・。

  • [ 内容 ]
    リーマン・ショックで金融資本を救った国家が次々、危機に瀕するという恐ろしい連鎖が始まった。
    グローバル化のデフレ圧力で中間層が破壊され、未来への投資が停止し、民衆とエリートの対立が深まる「冬の時代」。
    この長く続くであろう危機、大恐慌の足音の聞こえる時代を日本が生き抜くために必要なのは、過剰な流動性を生んだグローバル化の危うさと各国の社会構造の本質まで分析する「経済思想」だ。
    『TPP亡国論』で論壇の寵児となった中野剛志と気鋭の経済思想家・柴山桂太が徹底的に危機の時代への処方箋を語りつくす。

    [ 目次 ]
    はじめに―壊れゆく世界を生きぬくために(中野剛志)
    第1章 グローバル化の罠に落ちたアメリカと世界
    第2章 デフレで「未来」を手放す日本
    第3章 格差と分裂で破綻する中国とEU
    第4章 冬の時代のための経済ナショナリズム
    おわりに―歴史は繰り返す(柴山桂太)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 経済が分かると政治が分かると言いますが、まさにその紐解きをしてくれる良書。この本で対談されている京大中野先生、滋賀大柴山先生の本は今後読んでいきたいと思います。

  • トリレンマ理論では、国際的な資本移動の自由、為替の安定、各国の金融政策の自律性の3つを同時に確保することはできない。戦前の金本位制では、為替を固定し資本の移動を自由にする代わりに、各国の経済政策は自由にできなかった。この体制下で第一次グローバル化が起きたが、国民生活が不安定になった。戦後のブレトンウッズ体制では、ドルで為替を固定し資本の移動を制限する代わりに、各国の経済政策を自律的に行えるようにした。70年代以降にドルが弱くなると、この体制を維持できなくなった。ニクソンショック以降は、為替の安定化をあきらめる代わりに、金融政策の自律性と資本の移動を認める体制になった。途上国は投資を呼び込むことで発展できるようになったが、お金が1か所に集まりやすくなり、バブルが生まれやすくなった。97年のアジア通貨危機は、外国資本が入りやすい環境を整備して起きたバブルがはじけたもの。これを教訓に、アジア諸国はアメリカの輸出をしても内需を拡大せず、外貨を蓄えるようになった。その外貨を運用するためにお金をアメリカに流し込んだため、アメリカのバブルが膨らみ、リーマンショックを招いた。

    製造業の発展には、勤勉さ、人と協力しあう慣習、倹約して将来のために投資する精神などの文化的な条件が必要。

    米韓FTAによって、韓国は米を除いた農産品を実質的にすべて自由化した。アメリカが参入しやすいように、自動車の安全基準や排ガス規制を緩和した。協同組合の共済は解体された。投資家が不利益を被った際に政府を訴えることができるISD条項も含まれている。

    帝国主義は民間の海外進出から始まるというのが経済史の定説。

    日本のGDPに占める輸出の割合は10%台であり、輸出立国というのは間違い。

  • 読みやすい。
    不確実性は重要なキーワードだ。

  • 成る程、そうなのかと、世界が広がりました。視野を広げることは、大切ですね。

  • 日本型雇用慣行。終身雇用制と年功序列型賃金制度とOJT、これらが相互補完的に働く。
    不況下でリストラが進められる中で広がったのが「高給取ってろくに仕事もできないおっさん達は許せない、こういう連中こそ首を切るべきだ」という論調。
    そして年功序列型賃金制度から能力主義的賃金制にという流れ。
    これはたぶんに外資の論理だ。
    OJTが基本となる日本型雇用慣行では若年労働者を育てるのに金がかかる。
    これが投資にあたる訳だが外資はこれを許さない。
    そもそも外資はOff-JTを基本としていて、人材への投資という意味でのOJTに理解がないのかもしれない。
    雇用の流動化どころか、そもそも雇用がこんな状況なのに外資の論理で動いていたら……。

    冒頭で中野氏が「もっと思想的、哲学的に、国家や市場の本質を見据えたうえで」(19)と言うように、資本主義やグローバル化といった原理・思想の本来的な姿から、企業の論理、民族性の問題、経済史…と幅広くかつ明快に読ませてくれる。
    中野氏が言いたかったことは「人間そのものへ還れ」ということではないだろうか。(経済)理論を生み出してきた人間の理性に限界があること、コミュニティや文化・風土を土台にしていること、人間の尊厳……そういったものの重要性がマクロ経済の分析から説得的に語られている。

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著者プロフィール

中野 剛志(ナカノ タケシ)
評論家
評論家。1971年、神奈川県生まれ。元・京都大学大学院工学研究科准教授。専門は政治経済思想。1996年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。2000年よりエディンバラ大学大学院に留学し、政治思想を専攻。2001年
に同大学院より優等修士号、2005年に博士号を取得。2003年、論文“Theorising Economic Nationalism”(Nations and Nationalism) でNations and Nationalism Prizeを受賞。著書に山本七平賞奨励賞を受賞した『日本思想史新論』(ちくま新書)、『TPP亡国論』『世界を戦争に導くグローバリズム』(ともに集英社新書)、『国力論』(以文社)、『真説・企業論』(講談社現代新書)、『日本の没落』(幻冬舎新書)、『富国と強兵─地政経済学序説』(東洋経済新報社)、『目からウロコが落ちる奇跡の経済教室【基礎知識編】』『全国民が読んだら歴史が変わる奇跡の経済教室【戦略編】』(ともにベストセラーズ)などがある。

「2019年 『MMT現代貨幣理論入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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