- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087206241
感想・レビュー・書評
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小説家・精神科医・キリスト教徒である著者が生と死について説いている
人の行動原理を心理学だけで説明することはできないという点は同意
著者はその根底には魂があると述べていたけど、私は実存主義寄り(?)なのでそれだけでは弱いと感じた
どんな現象も分子生物学的に説明できるはずだとどこかで思っている節がある
だが実際にそんなことは不可能であることも理解はしていて、それを補う(という言い方は違うかもしれないけど)うえで宗教という存在は必要なのかもしれないと本書を通して感じた
著者はキリスト教徒の立場から宗教の必要性を説いていたが、フラットな感情で書こうと努めている様子が伝わってきたのが良かった
個人的には必ずしも信仰を持つべきだとは思わないけど、幼少期から宗教について考えることに意義はあると思う
宗教について理解することで人間の力の及ぶ範囲に限界があることを知ることができる
私は大人であることの条件の1つとしてメタ認知できるようになることがあると思っていて、それはこのことに寄与するのではないかな詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
科学を突き詰めていくとやはり宗教的な領域になる
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小説家で精神科医でもある著者の自伝的エッセー。生と死についてに主眼を置いて書いておられる。戦時中にあった命を軽視しているとも取れる教育を受けてきた少年時代、心理学と精神医学の研究に没頭した青年時代と、過去を振り返りながら、科学の限界と無力さ、そして宗教を信じることの意味など、老境に達しておられる著者ならではの示唆に富んでいて、色々と学ぶところも多かった。
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科学と宗教や迷信などを絶対に交わらない相反するもの、として譲らない人にこれ読んでほしいなぁといつも思ってます
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著者がキリスト教をどの様に捉え、どの様に入信したか、その経過が分かります。
信仰を選ぶとはこういう事なのか、と分かりました。 -
軍国主義時代に育った著者は、戦争による多くの死を見て、受けた教育との板ばさみに苦しむ。
精神科医となり、犯罪者の心理学の研究を行う中でも、死についてたびたび考えた。
学問という科学では、限界がある人間の心の深さを感じる一方、長く人間を支えてきた宗教に思いをはせる。
死刑囚との交流やフランス滞在、妻の突然の死、日本を襲った震災。著者の体験も交えた実感のこもる思索に、深く納得させられる。 -
著者は医師で小説家であり、キリスト教を信仰しています。
その立場から、死について思索してます。
キリスト教と浄土真宗との相似点や、生死をわけるのは何か、など。
ps:妻も真剣に読んでいました。 -
[ 内容 ]
「死」を考えることは「生」を考えること
精神科医でありまたキリスト教の信徒でもある作家が82年の人生で続けてきた死をめぐる思索の軌跡を綴る。
自身の病、妻の死と厳しい試練に見舞われながら希望を失わない生き方の秘密が明らかに。
[ 目次 ]
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]