没落する文明 (集英社新書)

  • 集英社
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本棚登録 : 192
レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087206302

作品紹介・あらすじ

3.11で我々に突きつけられたのは、文明の限界である。人間がテクノロジーによって自然を飼いならし、開拓し続けることには限界があり、終わりなき成長は夢でしかないと露呈した。早晩、世界が直面するであろう文明の壁に真っ先にぶつかった日本。国家と資本主義の構造を原理的に問い直してきた哲学者と、リスクと社会の相互作用を論じてきた科学史家が、天災・テクノロジー・エネルギー・経済成長の関係を人類史的に読解しながら、日本が描くべき新しい時代へのヴィジョンを提示する。

感想・レビュー・書評

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  • 景気循環だとか、資本主義の限界だとか言われている今日この頃ですが、
    そんなスケールの話ではなく、
    今の化石燃料をベースとした文明の終わりを
    我々は、今まさに経験しているのだということを、
    萱野氏と神里氏が対談で確認している。

    萱野氏の超マクロな視点と
    神里氏の科学史的視点が、
    今まさに転換点であることを示していくのが、
    逐一納得させられる。

    多くの人は、この転換点を生きることは、
    不安に思うだろう。
    だが、それはこの上のない経験なのだ。
    道を誤らないように適切に判断して、
    行く末を見届けたいと思う。

    自分が生きてる内に大転換できるかどうかは、
    わからないが、
    子供たちが、路頭に迷わないように
    自ら考え、判断する力は、つけさせたい。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「それはこの上のない経験なのだ」
      如何に前向きに捉えて正しく判断するか。臭い物に蓋をするだけではダメだとは判っているのですが、、、
      しかし、...
      「それはこの上のない経験なのだ」
      如何に前向きに捉えて正しく判断するか。臭い物に蓋をするだけではダメだとは判っているのですが、、、
      しかし、未だに右肩上がりになると思っている人が居るように感じられる経済人って・・・

      このお二人は、どちらも知らない方。
      萱野稔人は「ナショナリズムは悪なのか」、神里達博は「食品リスク」が面白そう。読んでみようっと。
      2012/06/18
  • 縦(時間軸)に横(位置)に広範囲に渡って展開。東日本大震災は歴史上大きな転換点となっていることが分かる。

  • 産業革命によって、世の中は本当に変わってしまったんでしょうね、という歴史を簡潔に紐解いていくところがメインなんですかね。いろんな話に及んでますが。このあと、科学と技術が融合することによる社会変化ってところにも焦点があたってるんですが、日本にとっても明治は人間そのものを変えてしまいましたから、しかし、今にいたっても法や行動規範はそのことを念頭に置いてないんじゃないでしょうか。ト全それは、本書で語られるリスク管理の危うさにも反映されている。

  • テクノロジーの発達とリスクの増大が表裏一体なのは納得。ただし、神里氏がルーマンのリスク社会論を援用しながら、自然災害をリスクの一つとして捉えているのは疑問だった。(自然災害は世界に帰属するから、リスクではなくdangerとなるはず)

  • 知的な対談。テーマが面白いが、東日本大震災の直ぐ後だからか、震災や自然、リスクとテクノロジーなどの人間の限界を取り上げた内容になっている。これは、個人の問題だが、目新しい事がなくあまり頭に残らなかった。

  • 読了。

  • 対談というよりも、放談。予想していることの方向性は間違っていないと思うが、実現するかどうかは全く未知数。知的格闘は必要ない。さくっと読め、手軽。

    ・2007年の調査「自力で生きていけない人たちを、国や政府は助けるべきだ」への同意が34カ国中、日本は最下位。
    ・あらゆるリスクが事実上、国家へと集まってしまう問題がありそうだ。
    ・世界で最初に工学部を擁した総合大学は東大。
    ・資本主義の歴史では、生産拡大の局面の後には、金融拡大の局面が必ずやってくる。バブル。
    ・成長幻想と輸出立国幻想。

  • [ 内容 ]
    3.11で我々に突きつけられたのは、文明の限界である。
    人間がテクノロジーによって自然を飼いならし、開拓し続けることには限界があり、終わりなき成長は夢でしかないと露呈した。
    早晩、世界が直面するであろう文明の壁に真っ先にぶつかった日本。
    国家と資本主義の構造を原理的に問い直してきた哲学者と、リスクと社会の相互作用を論じてきた科学史家が、天災・テクノロジー・エネルギー・経済成長の関係を人類史的に読解しながら、日本が描くべき新しい時代へのヴィジョンを提示する。

    [ 目次 ]
    第1章 天災が日本人をつくってきた(存在論としての3.11;地震のない時期に発展してきた日本 ほか)
    第2章 テクノロジー・権力・リスク(テクノロジーと農耕の始まり;農耕はアリ地獄? ほか)
    第3章 テクノロジーはどこへ行くのか(テクノロジーを放棄することはできるのか;技術の問題は技術で解決するしかないのか ほか)
    第4章 エネルギーと経済のダイナミズム(二つのエネルギー危機;化石エネルギーが経済成長をもたらした ほか)
    第5章 国力のパラダイム・シフト(徳川期のエネルギー・マネジメント;領国の真の意義とは ほか)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • エネルギーのポテンシャルを使い果たすと文明は失速する。あたらしいテクノロジーが出てこなければブレークスルーもない。そうするとしばらくは停滞する、というか没落する。そして日本は古くから災害で攪乱されて変化を起こしてきた。となればいまは、まさにそんなときではないか。傘を発明したから天気を気にする必要が出た。何かを発明すれば事故も同時に発明することになる。バブル的マインドの人には到底受け入れられない話ばかりかもしれないが、僕はこの没落という転換におおいに希望を持つのです。

  • 難しいかなと思ったけど読みやすい。震災以降の日本の行く末を歴史や哲学を用いて考察している。おもしろい。

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著者プロフィール

千葉大学教授/科学史、科学技術社会論

「2016年 『談 no.105』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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